回転バランス1
 故障ではありませんが、スピニングリールの回転バランスについて考えます。まず、バイブレーションが発生する原因について、私の考えです。

80年代のダイワなど
 ダイワ・ファントムEX800です。ローターの腕をベールと反対側にオフセットして、バランスを取ろうとしています。オモリを付けるより賢いやり方に見えます。同時期のリョービ、大森なども同じです。

80年代のシマノ
 シマノKXです。ローターの腕がオフセットされていません。ローターにバランスウェイトもありません。バランスを取る気がないのでしょうか・・・。

ところが・・・
 しかしこの2台、実際に回してみるとどちらも同じようなもの。むしろKXのほうがバランスがよく感じます。

重心の高さ
 理由はコレ。重心の高さ(前後方向)の違いです。腕をオフセットしてバランスを取ると、左はベール、右はローターの腕が重量の中心になります。したがって、ベールのある左の重心は高く、右は低くなります。

 でも、回転バランスは、この図のように、左右の重さが同じで回転軸から重心までの距離が同じなら、問題ないはずです。

 しかし、リールの場合、回転軸を支えているのは、重量部より元の部分。しかも、ロッドを持っているのは人間です。

 したがって、いったん回転し始めると、軸受けの遊び、釣り人の手の遊びなどで、より上(リールの前部)にあるほうの重心が外に振り出されます。

 そうなると、リールの前部にある側のモーメントが大きくなり、バランスが崩れたのと同じ状態になります。これが振動の原因です。

 こうしてみると、最近のリールのローターデザインの理由もわかります。それは次のページで。(2005/1/21)

Broke ? Broken ?