クラッチつぶれなど
 80年代終わりの話が中心ですが・・・。

ベイトのクラッチ
 ベイトのクラッチの話です。ベイトリールはスプール軸の根元がピニオンギアに噛んだり離れたりしてリーリング状態とフリースプールの切り替えをします。

 「クラッチが壊れた」という話の中に、この嵌合部の破損が含まれます。

私のニューBM-1
 何年か前ですが、このリールで軽いルアーを投げようと少々無理なロッドの振り方をしたら、ギーンというものすごい音がしたことがありました。

音の原因
 原因は無理なキャストでロッドが振れ、ハンドルが回ってクラッチが戻ってしまったのでした。ギーンという音は高速で回転するスプールの2面にピニオンが急に押し付けられたためのものでした。

 そのトラブルは2回起きただけだったのですが、ピニオン2面がかなり削れています。

 80年代後半、こういう種類の修理がアメリカで多発しました。このBMの場合はキャスト時のクラッチ返りでしたが、アメリカの場合はバズベイトを使うバサーが、着水前にハンドルを回してクラッチを返してしまうのが主原因だということでした。

 2回でこうですから、投げるごとに無理にクラッチを返されたら、数回の釣行でピニオン2面は消滅することでしょう。

対策モデル
 これは90年代の対策モデル。左がスコーピオン1000、右がTD-Xです。スプール軸に2面を切るのではなく、ピンを通してピニオンを削りにくくしています。

 (なお、キャスト時にハンドルが回ってクラッチが返る件に関しては、90年代のモデルは返りを重くして解決しています)

元祖はコレ
 実は元祖はアンバサダーでした。そのころアンバサダーファイブという5000Cのコストダウンバージョンが発売されました。アメリカからのリポートに、数ある新製品中このモデルだけショップへのリターンがゼロだと書かれていたものです。

 ファイブは登場初期、まだウルトラキャストではなく5500C(写真)などと同様のスプール軸でした。これを参考に、シマノやダイワは改良していったのでした。

イクシオーネ
 参考までにこれはリョービイクシオーネ。90年代のリールなのになんかやばそう。こういうところが同社衰退の原因かな。

カリカリっ
 話は変わって、アブのリールでハンドルを勢いよく回して止めるとカリカリっと音がします。これを故障だと思っている人がいるようですが、何でもありません。

 バラすとこうなっています。旧式のピンに代わり、プレス板の凸部がスプールに噛みます。

 ピニオンを拡大したところ。クラッチリターン時スムーズに噛み合うため、巻き取り方向は深く反対側は浅くなっています。ハンドルを勢いよく回して止めると、本来巻き取り時には当たらない側にスプールの噛み合い部が当たるためこれを乗り越えやすくなります。

 さらにこのとき、ピニオンにどんな力が働いているかというと・・・。

 ベイトのピニオンには、歯のねじれ角により、巻き取り時に矢印のような力が発生します。ピニオンはスプール側へ押し付けられながら回り、クラッチが外れることはありません。

 ハンドルを勢いよく回して急に止めると、図の矢印と逆の力が働き、ピニオンが一時的に浮いてスプールから離れます。これが上の「カリカリっ」の原因です。

 写真はBMですが、歯のねじれ方向などはどのリールも共通です。


 スプールが高速回転しているときにクラッチを戻すと、それはそれは恐ろしい音がします。それでも平気で着水前にハンドルを回してしまうというのが、私なんかにはわかりません。アメリカ人だけでなく、日本でも投げるたびにリールに悲鳴を上げさせている人を見たことがあります。こういう人のリールが壊れるケースは間違いなく「壊した」というべきでしょうね。

 かと思うと、部屋で(?)リールを回してカリカリっと音がしたら不安で仕方なくなってしまう人もいるみたい。これは機構上発生する音で、何の問題もありません。いろんな人がいるようで。(2005/7/6)

Break ? Broken ?



 そうそう、登場するリールが古くてゴメン。最近バス釣りをしていないもので・・・。マスにはどうかって? たしかに湖用に7ft半のベイトロッドを作ったりしましたが、はっきり言ってマス釣りにベイトはぜんぜん向きませんわ(いいのか一部業界で流行らせようとしてるのにこんなこと言って・・・)。