2024年4月5日根尾川の巨大アマゴです。早朝からやってこれ一匹。平日釣行ならウハウハなのになあと思っているまっとうな社会人の皆さん、そんなことはないので安心してください。(2024/4/14)

 ここのところゼブコ202と組んでいるのはズームサファリの4フィート半。インスタでよく見かけます。たぶんけっこう売れているのでしょう。

 アブファンでも知らないかもしれない超古い名前、それに反するパステルカラーブランク、しかもモデルごとの色違い、なぜかパックロッド、ハードガイド仕様の低価格……何とバラバラなコンセプト。一つ間違えばなんちゃって<鴻bドとみられてしまうでしょう。

 いや、そのなんちゃって≠ェ良かったのかも。私は変なところが潔癖主義で、リールをつくっている会社のロッドに別メーカーのリールをつけるのに抵抗があります。でも、このロッドはそういう感じがありません。アブのロッドという感じがあまりしないからです。

 かといって、全くのノーブランドだったら、売れたかどうか。このあいまいさが良かったのかな。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』や『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛発売中の『ギジー』春号です。連載「リールの話」はマイクロ7-C。キャリアよりもコストがかかっていて、らしさも残っているのに、キャリアほど注目されないのはなぜなのかを考察。(2024/4/8)

 この中に重大な間違いをしてしまいました。アメリカで「マイクロ7でマグロを釣る」が流行語になったというくだりです。マグロではなくカツオでした。いかにマイクロ7のドラグが優秀でも、マグロは無理ですわいな。

 この言葉は、日本リールの黎明期、埼玉の小メーカー群を指導してアメリカでリールを販売するきっかけをつくったジョー・オオハシ氏由来でした。パシフィック産業という会社をつくって日本のスピニングをアメリカで売ったオオハシ氏は、「マイクロ7に4ポンドラインでカツオを釣る」のが自慢だったそうです(もちろんこのマイクロ7はCシリーズではなく当時のもの)。と、いう話は『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』に収録しておりました。「リールの話」の原稿を書いた時すでに着手していたはずなのに、なんで覚えていない……。すさまじい記憶力です。

 ジョー・オオハシ氏と同じ時代の人物、元ダイワのケニー・カワカミ氏は自身のプロショップ風釣具店にULスピニングを多くそろえていたそうです。日本でスピニングがつくられ輸出され始めたのは60年代のこと。やや遅れて日本でルアーフィッシングが知られ始めた70年代、「ウルトラライトに4ポンドライン」がスポーツフィッシングの証みたいに言われたもの。「ウルトラライトに4ポンド」はこういった人物たちがルーツだったのかもしれません。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』や『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛新発売の最新『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』です。日本にリール工業が興り、世界を征するまでの30年間が語られます。紙版のほか電子版も(ほぼ)同時発売。電子版はPCやスマホでも読めます。(2024/3/29)

 もともとは、原氏と再会した直後の2001年の秋に書かれたものです。『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』、『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』になった書簡を書く前に、「トレーニングとして」書かれたものです。

 「トレーニング」なのに、A4のレポート用紙7冊にびっしり書かれたものがいきなり届きました。『リールの歴史』に入れたのは最初の2冊分にすぎません。その前に千葉に出向いて再会、原氏が岐阜を訪れていて、夜を徹してリールのことを語り合いました。ふたりとも異常です。

 私の場合はわかりきったことをくどくどしゃべるばかりですが、原氏は長年の経験と哲学的考察を語りまくるので、こちらの頭がオーバーヒートしてふらふらになってしまいました。

 レポート用紙7冊分の「トレーニング」も一応は読んだのですが、私のとろい頭には入りきりませんで、まことに失礼ながらこの20余年ほぼ放置してありました。あらためてタイピングしながらううむなるほどと思うと同時に、ますます私のところだけに置いていてはいけないという思いが強くなりました。

 リールに興味のある人のみならず、釣り具以外のものづくりにかかわる人にも興味深いものであるまいかと思います。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』や『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 ゼブコ202の予備として持参するため、ミンヤンW300Rにラインを巻くことにしました。スプールすき間が大きいこともあって、巻き量は最小限の40メートル弱くらい、長さはハンドル回転数で出します。ここでふと、ギア比5.0対1は本当だろうかと思いました。で、ばらしてギアの歯数を数えようとして……老眼でできない!!!(2024/3/25)

 仕方ないので、拡大して数えようとデジカメで撮ったのがこの写真。歯数は、ドライブ60ピニオン13だから、ギア比は4.6対1……おい!(ネット上では、使う前からいじくりまわしたり、スプールや本体の重さを測ったりする人がいますが、ギア比は調べないんだね……)

 昔のリールは、滑らかな噛合いを追求して、開発時に歯の数を増減することがあったそうです。80年代のバンタムスピードマスターは6.0対1のギア比でした。セオリーとしてはギア比は半端にして潤滑油のまわりや歯の摩耗を均一にするのがよいとされているのに、なぜジャストにしたかというと、歯数を増減しているうちになっちゃったのだそうです(もっとも、整数比でも大丈夫なのは、その後のリールで証明されています。当時も専門家に確認して、ギアがちゃんとできていれば大丈夫でしょうと言われたそうです)。

 ミンヤンは、歯数を変えていくうちに想定ギア比からずれた? ピニオンが12歯なら5対1になりますが、歯数を変えて調整するならドライブでやりそうです。ピニオンの歯数を変えたらギア比が変わりすぎるから普通表示も変えるでしょう。

 ギア比が表示通りでないリールでは、ミッチェル308Aの5対1とか、408/308プロの5.5対1も、厳密にはジャストではありません。5対1のギアはベベルフェースともドライブギアの歯数がマイナス1、5.5対1はスパイラルベベルがプラス1、フェースがマイナス1となっています。しかしこの場合はサバを読んだのではなく、先ほど書いたギア設計のセオリーにのっとったのと、非プラナマティック(クロスワインド)にしたときの「三段腹巻き」を防ぐためです。

 ミッチェルついでに、90年代のプレステージ20やスパイダーキャスト30は5.14対1と表示されていましたが、どうみても5.4対1くらいあります。同時期のプリビレッジ20や530LSは5.14対1で、こちらはリールもその通り。これらのリールを使い較べると、明らかにプレステージ・スパイダーキャストの方がハイスピードです(*)。グレード的にもプレステージやスパイダーキャストの方が上なのに、なぜわざわざスペックを低く表示したのか謎です。

 (*)使い較べる以前にハンドル1回転でローターが何回転するか数えればだいたいわかります。以前ミッチェル300を持っているがギア比を教えてくれという質問をもらって、数えりゃええやんかと思ったことがあります。

 35年も前なので書いてしまうと、80年代終わりごろのシマノの米国向スピニングBKM1000で、実際はギア比6.2対1なのに5.8対1と書いていたことがありました。間違ってないかと米国担当者に聞いたところ、上級モデルのGT‐X1000と差をつけるために低く書いたとのこと。当時は他社も同様のことをしていたそうです(それ以後はしてません)。

 シマノとミッチェルは、低めに表示していたり、三段腹巻き防止やギアの耐久性のために1歯増減していたわけですが、ミンヤンのはどちらでもなさそうです。「だいたい5対1」の意味? でも、わざわざ5.0対1と小数点以下まで表示しているところがなんとも。もしかしたら60対12の個体もあるのかしらん。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リールの歴史』や『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。
 2024年3月16日根尾川へ行きました。キャッチ&リリース区間は人が増えてやっぱ釣れない。美濃フィッシングエリアのストリームエリアを考えれば当然か(と書いてふと確認したらまたニジマスOKになったのね。一時期はアマゴオンリーで全然釣れなくて、しかもアマゴ禁漁期はポンドオンリーになるから、何年も行ってなかった)。それと、タックルがヘン(?)なので、人のいない西谷川に行きました。人もおらんが魚もおらんぞ。(2024/3/16)

 恥ずかしながら、生まれて初めてスピンキャストを使いました。スピンキャストは、初心者の人がおっかなびっくり投げるイメージでした。プッシュボタンから親指を放すと、ロッドの支え(ベイトならサムバーやピラー)がなくなって不安定なはず、それでもかまわないからとりあえず前にルアーを飛ばすための素人向け、そう思っていました。

 『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』にはスピンキャストを論じた部分があり、原氏は「スピンキャストは楽で楽しい」と喝破しています。しかし私は不覚にも、リールを極めた原氏が、スピニングでもベイトでもないマイナーなスピンキャストにおいて思考実験したもの、くらいに思っていました。

 ところがこの日初めてゼブコ202を使い、それがとんでもない間違いだったことを知りました。適度な強さのバネがプッシュボタンを押し返してくるので、親指の力を抜けばラインは自然にリリースされます。ベイトの親指を明確に浮かさないのと同じです。しかも、ベイトのようなスプールが加速する間のタイムラグがないため、感覚はより自然です。

 常見忠氏が初めてルアーロッドでキャスト練習したのもスピンキャストでした。常見氏はその感覚をピッチングと同じだと書いています。氏が元ピッチャーだったからだろうと思っていましたが、ボールを投げるのも明確に指を開くのではなく、力を抜いてボールを手から飛び出させるわけですから、じっさい同じ感覚だったのでしょう。

 この日巻いていったのはナイロン2号8ポンド。さすがにピックアップピンがなく「鋸刃」でラインを引っかけて巻く202なので、やや太めのナイロンにしました。これまたスピンキャストの不思議。飛距離は1〜1.2号(4〜5ポンド)ナイロンを巻いたスピニングとそれほど変わりません。

 さすがに巻きが遅いのとサミングが「オン・オフ」になってしまうので、渓流はやや不便な面がありますが、それでも想像していたよりずっといけます。ライントラブルの心配がなく、釣りだけに集中できるのは、まさに「楽で楽しい」。初心者用子供用と決めつけて今まで使わなかったのは、本当に不覚でした。

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 これは何かといいますと、新発売『コメットG1サイレントストッパーキット』の3年前に作った旧設計ボツサンプルです。3つの問題があって、発売には至りませんでした。(2024/3/9)

 右のジュラコン切削品がサイレントカムです。これをピニオンギアの前にあるストッパーラチェットの円筒部分にはめます。上になっている面が歯に当たる側で、左にみえる溝にストッパーの爪が入ります。内側に塗ったグリスの抵抗で、正回転では爪を押し上げて音を消し、逆転では爪を溝に落としてストップをかけます。

 左のスプリングはサイレントカムの回り止めです。ボディ前面の穴に押し込んで固定します。カギ部がサイレントカム正面に見える溝にはまって、回転角度を制限します。

 問題その1:グリスの粘りだけでカムの動きを制御するので、グリスの種類や量、温度に影響を受けます。前々回書いたように、初代ツインパワーでこの方式はあかんと知っているはずなのに、何とかなるやろとやってみて、やっぱりダメでした。あほです。3年前の作動動画でも、よく聞くとラチェット音が出ています。

 問題その2:回り止めの固定が不完全でした。コイル外径をボディ穴に対し0.1ミリ大きくとって押し込むのですが、逆転方向の力がかかるとコイルが緩んでズレてしまいます。サイレントカムに硬めのグリスを注し、低温時にハンドルを勢いよく逆転させるとダメです。ちなみに写真は2個目のサンプルで、最初のはコイルの巻き方向が逆で、正回転でもずれてしまいました。あほです。

 問題その3:ボディ前面から組み込むため、サイレントカムの外径が大きくできず、音が消え切りませんでした。コメットはラチェット歯の先をわずかに削ってなんとか音を消しました。削ったといっても偏芯して振っている側の歯先バリ程度ではありますが、さすがに買った人のリールでこれをやれとは言えません。

 さらに、ジュラコン削り出しなので、大変な高コスト。試作2セットで2万円超使いました。削り出しなので、数を増してもあまり価格が下がらず、現実的な価格にはとうてい収まりません。そんなわけでのボツサンプルです。

 新設計で以上の問題をクリアした製品版の作動動画はこちら

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『コメットG1サイレントストッパーキット』、ミッチェリストの夢『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 新発売『コメットG1サイレントストッパーキット』に付属する取説の一部です。ストッパー爪の取り付け方が書いてあります。恥ずかしながら、つい最近まで爪の取り付け方を知りませんでした。(2024/3/2) BackNumbers

 最近までストッパーを組むときは、爪にスプリングをはめてから組んでいました。そうすると、スプリングが外れたりネジで挟まったりしてちっともうまくいきません。

 長らくそうしていた(そもそもほとんどばらさなかった)のですが、ふと、いかに凝った大森製作所といえども製造ラインでこれはなかろうと思いました。それでよくよく考えて、先に爪だけ付けておいて後からスプリングをはめればいいことに気づきました。きわめて細いスプリングなので、ネジの頭の上でぐるっと指で押さえれば、頭の下に入ってしまいます。あとは長いほうの端をピンセットで所定の位置に持ってくればOK。なんたること。

 同じことはミッチェルのトリップレバースプリングにも当てはまります。あれもスプリングを付けたまま組もうとすると大変ですが、先にトリップレバーを付けて、あとからスプリングをはめれば簡単。メーカーは製造ラインを動かさなければなりませんから、ちゃんと考えてあるのです。

 作動動画アップしました。

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 新発売『コメットG1サイレントストッパーキット』の仕組みです。BASE掲載翌日、販売サイトが出てくるかなとググってみましたが、さすがのグーグル先生でも早すぎたみたいでヒットしませんでした。代わりにヒットしたのはうちのサイト。コメットをサイレント化したいと18年も前に書いとりました(自分でも忘れていた)。『ミッチェルSiCラインガイド』ともども、「あったらいいな」と思っているうちに寿命が来ちゃったら終わりだよなあとか、じじいになるとそんなことも思うわけです。(2024/2/23)

 機構は80年代に使われたサイレントストッパーにのっとっています。大森製作所もマイコン100シリーズやマイクロ7-Cなどで同様の機構をつけていました。ただしサイレントカムがジュラコン製で、カム自体の弾性でフリクションを出していました。この方式は弾性の範囲が狭いことや寸法が温度に影響されることで、作動が不安定です。なので、コメット用には金属ばねのフリクションを利用する方式を取り入れました。

 芋づる式に思い出したのは、シマノの初代ツインパワーもジュラコン製のサイレントカムで、グリスが飛んでラチェット音が出てしまったり寒冷時に回らなくなったりして、途中で金属ばねを追加したものです。そういえば、そのための検証実験をマイナスん十℃の低温試験室でやったのは私でした。

 金属ばねを軸に巻いたら、回転が重くなりそうですが、ほとんどなりません。むしろ、オリジナル状態のストッパーONよりも軽くなります。オリジナル状態の、ストッパーの歯が爪を押し上げるのにも抵抗はあります。この抵抗はギア比倍(5.2倍)でハンドルに伝わります。これに対し写真の方式は、ドライブギアの軸にバネを巻いているので、ギア増速による影響がありません。しかも、正転時は摩擦でバネ内径がわずかに開いて、フリクションを低減します。

 この時代の大森リールはストッパーが噛んだ状態でもスイッチをOFFに切り替えられるよう、リン青銅の板バネで切替機構に弾性をもたせています。これが少々くせ者で、ストッパーOFFでハンドルを逆転させたとき、爪が引き込まれて歯に当たってしまうことがあります。そのため、個々のリールに合わせて微調整(サイレントカムバネをわずかに広げるまたは狭める)が必要になります。この点をご了承の上、ご検討ください。

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2024年2月12日サイレントストッパー化したコメットG1をもって月見ヶ原へ実釣テストに行きました。巻き替えがめんどくさかったので、前々日アマゴ用に使った5ポンドラインの上に2.5ポンドライン100メートルを重ねて巻いていきました。しかも2シーズン前にタックル7 SSで2回使ったやつ。なんたるずさん。(2024/2/17)

 巻きすぎでトラブるかと思いましたが、大丈夫でした。糸巻き径は一番盛り上がったところで41ミリ。前ツバ径44ミリから考えたら適量ですが、大Rの大森スプールだと微妙なところ。2.5ポンド(ラパラナイロン0.5号)は絡む力が弱いから大丈夫だったみたい。おそらく渓流や湖用の糸ならバサッとやっていたでしょう。

 思い出したのがミッチェル304の取説です。エッジまでの距離を「ベリー・ファイン・ライン」で1/16インチ(1.6ミリ)とり、「ヘビー・ライン」で1/8インチ(3.2ミリ)まで増やすとなっています。あらためてすばらしい。

 シマノのC2000Sで前ツバの張り出しが片側1.5ミリです。ミッチェルの細糸1.6ミリとほぼ一致します。なるほどなるほど。あらためて、AR-Cスプールは形状に加え、適量を明確にしたのがいいところです。糸の多い少ないは目が慣れてくると意外にわからなくなってしまうものです。

 コメットG1に巻いてあった5ポンド(トラウティストワイルド1.25号)の巻き径は38.5ミリでした。片側2.75ミリは少なすぎるほどではなし。根尾川では、抵抗が大きく飛距離が伸びない感じでした。同じラインは昨年ミッチェル(プラナマ・クロスワインド両方)で十分飛んでいた印象。やはりミスター・ハラの理論通り、大森オリムピック形のスプールは、濡れたラインが張り付いて抵抗を増やす(『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』参照)ということでしょうか。

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2024年2月10日根尾川のアマゴです。なんと今年からルアー・フライ専用のキャッチ&リリース区間が設定されました。ニジマスじゃなくてアマゴなのでそう思うようには釣れないでしょうけれど、秋まで残って産卵すれば「親魚放流」と同じことになりますから、いいことなのは間違いありません。遊漁料で応援いたしましょう。(2024/2/12)

 タックルはオリーブULとコメットG1。シマノ&大森の禁断の組み合わせ(?)。潔癖主義というか純血主義というか、リールを作っているメーカーのロッドにそれ以外のメーカーのリールを組むのは、なんだか嫌で、基本やりません。でもオリーブULの昔のガルシアか喜楽みたいなグリップに似合うシマノリールは、現在過去未来((C)渡辺真知子)一機種もないので仕方ありません。

 コルクグリップはへたりきっておりますが、FWS-55L/Cでもやった段ボールかさ上げでリールはしっかり止まっております。アマゾンが本を送ってくるときのぺらぺらの段ボール封筒をリールの足裏の形にカットして、ひだひだを外側に両面テープで2枚重ねにし、それを両面テープでコルクグリップに貼ります。取り外す必要が生じたときのために、コルクグリップへは7〜8ミリのテープ片を2、3箇所貼るだけにします。

 それだけだとリールの足が滑って緩むので、段ボールの表面にスーパーXを塗っておきます(当たり前ですが乾いてから使います)。この接着剤は硬化した後もゴム状なので、リールが滑らず緩まなくなります。効果は思った以上に高く、ほとんど締め直す必要がなくなりました。

 しょうもない修理に思えますが、段ボールはコルク同色なので横から見えても気になりません。費用はほぼなし、廃品利用。さらに、コルクがへたったといっても、圧縮されて密になっているので、ここからさらに悪くなる気配はあまり感じられません。気に入らなかったらすぐ元に戻せるのもいいところです。

 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2024年2月2日大阪フィッシングショーに行ってきました。よりによっていつも下りる南港北が封鎖とかいう話だったので、カーナビ先生の言いなりで去年と同じ海底トンネルみたいなところを通っていきました。大阪は道がぐにゃぐにゃで、へんてこな交差点が多く、どこで止まっていいのかもわかりません。田舎の人にはコワイ。(2024/2/3)

 発売中『ギジー』の「『近代スピニング三悪』を撲滅せよ――『三ない運動』のススメ」(うそタイトルです)にも書いたとおり、最近現行リールへの関心はほぼなくて、一応さらっと見てきましたが、とくに感想はありません。

 といいつつ、帰宅後YouTubeを見ていたら、村田基氏が、新ツインパワーにC2000SHGがなくて、代わりにC2500SXGになったのを「担当者はわかっとらん!」と言っていました(切り抜き動画は過激な部分ばっか集めてるんで、なんか怖い人みたいになっちゃいますが、そんなことはありません)。動画を見て初めて気がつきました。たしかにそうなっています。

 件のC2500SXGはC2000に2500Sのキャパを与えたものです。私の持っている16ストラディックCI4+では、C2500は2500のボディに専用の小型スプールと小型ローターをつけたものでした。これに対し、現在のものはC2000Sのスプールを深くしたものです(ストロークから見てそのはず)。そこにHGより高いXGのギアを組み合わせたのが現在のC2500SXG。

 管釣りは別として、渓流ルアーにこの変更は正解でしょう。C2000Sはラインキャパが不足でした。ナイロン1号100メートルは渓流ならぴったりに見えますが、渓流は着水後すぐ巻くので巻きはじめの緩みが出やすく、ライントラブルを防ぐため、やや控えめに巻きたいです。私は100メートル巻きを半分ずつ使いますが、トラブル等考えると50メートルではやや短い。150メートル巻きの半分75メートルなら適量ですが、一般的には100メートルや100ヤードで売っているラインが多い。

 PEはさらに不足です。C2000Sは0.6号が100メートル巻けるかどうかです。私は75メートルで使っていましたが、やはりこれはもったいない。もったいないのみならず、ほかの釣り例えば海で小さめのジグを投げるには足りません。PEは吸水劣化がないこと、細くて量が減っても使えることで、長巻きして劣化した分を切り捨て、最後まで使うのが経済的。本当なら一般的な長さ150メートルを巻きたいところです。

 C2500Sの公称キャパはPE0.8号150メートルです。私が巻くと0.6号で150メートルしか巻けません(16ストラディックCI4+C2500SHGの場合。おそらく巻きテンションが理由)が、C2000サイズのリールなら0.6号使用が多いでしょう。6.3対1になったギア比は、6.6対1のBB-Xリンカイを使った感触から、もっと高くてもいいくらいです。

 となると今年のリールは24TPC2500SXG……ではなくて、最初に書いたように最近の関心は大森&ミッチェルで、目下一番の関心事は現在絶賛製作中のコメットG1&タックルオート1用サイレントストッパー。完成したら、たぶんこっちばっか使いそう(思い入れの強いリールのわりに使っていなかったのは、がさつなストッパー音と「ミッチェル式」では指が滑って魚を逃がすハンドルノブのため)。

 それと、シマノであれダイワであれアブ・ガルシアであれ、現在のハンドルの畳めんリールは要りません。不便のみならず、ねじ込みハンドルはシンプルな構造で取り付けと折りたたみを同時にこなし、かつネジのために埋め込まれた硬い軸がブッシュ支持で十分な耐久性を生むのが芸術的だったのです。現在のはねじ込みハンドルではなく、ただネジでつけたるだけハンドルです。

 老害やなあ……。

 (あらためて見たら、C2500SXGはステラあたりからあったんやね。ここからもいかに現行品に関心がないかがバレる……)


 最新『その後の名門』、釣り文化をも考察する『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 G1用の次はGS用もやらねばなるまいと、とうとうコメットGSを買いました。ばーろー誰がこんな高くしたんや! わしか……。自分の生み出したもの(*)にやられてしまうとは、中村博士か綾小路律子みたい。最近ならネトウヨに攻撃される小林よしのりみたいなもの。ちょっとちがうか。(2024/1/27)

 C3、C4も何台かテスト用に買ったけど、大体5000円くらいだったから、いま思えば安かった。

 右手前に散らばっている破片は、硬化したグリスをこそぎ落としたもの。リールのボディに洗浄液をかけるなどインスプールのベールを手で閉じるがごとし。この時代のグリスは見事なまでにかりっかりに固まります。大森だけでなく、ファントムEX-800などもかりっかりでした。

 グリスは80年代に急速に良くなったようで、大森リールでも90年前後に作られたタックル7、タックルシルバー、バス・プロ・ショップス・メガキャストは、どれも30年以上経過しているにもかかわらず、内部のグリスはみずみずしいままでした。90年代以降のリールで内部に異物さえ入っていなかったら、そのまま使えば大丈夫。タックル7らはそうしています。

 反対に、異物すなわち砂泥海水塩抜きの水が入るような使い方をするなら、どんなグリスを入れてもダメ。リールはそうして使うもの? 海辺でドライブした後で、ボンネットの中にシャワリングするか? これまたインスプールのベールを手で閉じるがごとし。

 芋づる式に(この表現はミスター・ハラがよく使った……もっとも、氏の場合は膨大な情報が頭脳にため込まれているからで、わしはちゃらんぽらんに話が飛ぶだけだ)、グリスといえば、リール整備屋さんのブログだったかSNSだったか、シマノやダイワのリールはギアのグリスが少なすぎるみたいなのを見たことがあります。

 昔、油漏れ対策にグリスを減らしたリールを海水テストしたことがありますが、たくさん塗ったものと結果は変わりませんでした。お客さん相手にリールを整備している人は、扱ったリールから多い少ないといっているのでしょうけれど、メーカーは個人の修理屋さん以上の数の修理品を見ているわけで、そのうえであのくらいの塗り方ということは、あのくらいで十分なんじゃないかしらん。

 ふたたび芋づる式に(?)話は飛んで、ミッチェル308や408はグリスが団子状に入っていました。ありゃどうなんじゃというところ。『きわめて私的なミッチェルストーリー』には、ぶよぶよのグリスX3がギアボックス内を循環するというグリス循環説を書いております。

 原氏の見解はエマージェンシー用でした。すなわち油ぎれが起きたとき、サイドカバーを外して、グリスの団子から必要分を取って使うため。コインひとつでサイドカバーが外れる308/408なら納得。こっちの説が正しいのかもしれません。

 おっと、ウォルター・シモンズ&芹沢蓮もおったな。

(*「自分が生み出したもの」はコメット高騰のこと。コメットを私が作ったのではありません。発売時はまだ高校生。若いもんが間違うといかんので一応)

 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 秘密の試作品を組み込んだタックルオートで、じつに35年ぶりのストッパー衝撃テストを敢行いたしました。当時のシマノ規格50回の2倍の100回をクリアして合格です。さすがにコメットではできませんでした……。(2024/1/20)

 おい、企業秘密に相当するテスト規格なぞ書いちゃいかんだろ!……というところですが、秘密もなにも当時のテスト規格書には「ストッパー衝撃試験50回」としか書いてありませんでした(20回だったような記憶もある)。

 つまり、どんなロッドを使うか、どれだけの衝撃を加えるか、いっさい書いて(決まって)いなかったのです。回転摩耗試験の26万1000回転(ふつう丸めるやろ……)といい、なかなかに愉快な会社だったのです(そんな所だったからワシのようなあほでも3年いられたわけだが、その後大変厳しい会社になったのは『ギジー』連載92ツインパワーの回のとおり)。

 このテストを初めてやったのは、思い出したくもないシンガポール・マレーシア工場で作るAX/FXでした。担当にさせられた私は、何も考えずにロッドをあおりました。するとテストサンプルはことごとく壊れ、大変なことになってしまいました。

 いま思い出してもというか思い出したくもありませんが、なぜ上司にやり方を聞かなかったのか教えてもらわなかったのかわかりません(記憶がない)。あほです。すでに日吉産業から来た原健士氏にダイコー安井工場長によるスピードスピンストッパーテストの話(『マイナーリールの紳士録』『80's国産リールの歴史』に収録)を聞いていて、ストッパーのテストはそういうものだと思い込んでいたのかもしれません。いずれにせよあほです。

 その後、●グラムに締めたドラグが作動するくらいの力でロッドをあおってでんでんみたいな規格を作ったものです。その規格でも、当時のリールはぎりぎりでした。もっとも、当時のリールはファーストキャスト(クイックファイヤー)トリガーの付いた重いローターと、ストッパーの遊びがローター1回転もあるセルフセンタリングですから、衝撃はノーマルストッパーや現在のリールの比ではないわけです。

 それでもその後テストしたダイワPRは『ギジー』連載で「めちゃくちゃ強かった」と書いたとおり、ファーストキャスト(ダイワはオートキャスト)なのに強かったですね。たしかシマノ規格の5倍くらいの回数でようやく壊れました。規格回数の5倍というと、やっている方もだんだんぞんざいというかやけくそになってきて、終盤力が強くなっていたので、実際には5倍以上の強度をもっていたことになります。

 当時のダイワのストッパーは大森式でした。同時期のシマノはストッパーがボディ前面フランジにあるタイプでした(エルムGのころは「フロントストッパー」と呼んでいた)。思えばあれは、大スペースで爪や歯を厚くすることで低コストな亜鉛ダイキャスト部品を使えるようにする、コストダウン設計だったのでしょう。

 PRのころのダイワや大森リールの方式は、防塵性、軽量さともに「フロントストッパー」より優れています。半面、パーツに強度が求められ、ダイワの歯はステンレスプレス品2枚重ねでしたし、大森ダイワとも爪はステンレスもしくは熱処理した焼き入れ鋼だったはずです(上の写真のタックルオートは生材NGの後に作ったSK3焼き入れ焼き戻しの爪が入っています)。やはり大森リールは尊敬すべきものでした。

 ただし、「フロントストッパー」がすべてコストダウンのためのものかというと、そうばかりとはいえません。シマノKXは分厚いステンレスの爪と歯でした。ダイワファントムEX-800も同じく相当すごい爪と歯が入っていました。ペンの大型モデルも同様です。前出原氏はKXのストッパーは尊敬すべきものと語っていました。

 ひさびさに長くなってしまいました。ストッパーひとつとってもリールは深いのです。


 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 1月13日月見ヶ原のスーパーレインボーです。美濃市の天気予報はファイヤータブレットでは晴れ、スマホでは雨。ファイヤータブレットを信じて釣行したら、当たったのはスマホの方でした。(2024/1/14)

 14日の方が予報は良かったのですが、14日は愛車ルノー(のオッサンを国策捜査で追放した会社)のコンパクトカーのウォッシャー液ポンプの水もれ甲介修理の予定が入っていたので13日に強行したのでした。雨なら雨で人が少なくていいだろうと思ったら、いつも並みの混み具合でいい場所に入れず3匹という悲惨な釣果に終わりました。

 当初、ミンヤンW300Rでも投げてみるかと思っていましたが、直前に秘密の試作サンプルが上がってきたので写真のタックルオートに急遽組み込んで釣行。快調快調。

 タックルオートNo.1はプロライン並みの巻き感度で管釣りスプーンの抵抗がしっかり感じられます。大森リールは基本ピニオン後部ボスがなくメインシャフトを少し後ろで受けています。このリールもそう。

 この方式はアルミの初代マイコンまで使われ、樹脂ボディのマイコン(100シリーズやウルトラ)からピニオンボスを受ける方式になりました。同時期のフロントドラグマイクロ7Cも同じ。

 しかしその後、キャリアやアップフィット、タックルシルバーなどで、メインシャフト受けに先祖返りします。謎です。

 こと耐久性に関して、軟らかい真鍮をボディ材でしかも短いスパンで直受けするより、直受けは硬いメインシャフトで行いかつスパンを長めに取り、ピニオン内面を長い軸受けとして活用するタックルオートやコメット式の方が設計意図がわかって私は好きです(どちらが優れているかは使用条件その他で変わるので一概に言えません)。

 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。


 年末年始は陽水の40周年&50周年記念DVDを観とりました。でもって昨日ふと釣りビジョンをつけたらバイト50周年の番組が放送されておりました。バイトは陽水くらいすごいのか、陽水がバイトくらいすごいのか。(2024/1/4)

 申し遅れました。このカタログは私が書いています。

 でもまあ、なんといいますか、陽水はバイトというよりミッチェルではあるまいかと思うわけです。どこか引っかかる部分がありつつ、気がつくと納得させられ取り込まれていくような。

 最初に買った308のギアノイズには何じゃあこりゃあと思わされました。プラナマティックは理解不能でした。名機408もゴロゴロ、ブルブルです。4400やクォーツ、みんなヘンです。でもなんだか知りませんがいまもつきあっています。

 陽水を初めて聴いたのは高校のころ。ラジカセのエアチェックに凝っていた私は、TDKのAD90にぴったり入るという理由だけでNHK-FMの井上陽水ライブを録音しました。第一印象は何じゃあこりゃあでした。名曲『氷の世界』はシュール。『My House』は言うに及ばず。『東へ西へ』では恋人の気がふれて床に倒れた老婆が笑います。不気味な印象すら受けたのに、なんだかその後聴くようになってしまいました。

 その後の曲も、有名な金属のメタルはもとより、ペリカンがライオンに恋をし、メロンがダメで、ロケットは歌い、バラクーダが砂漠から飛び出して北極まで行き、レタスの芽は芽生え、パンダは白く、風アザミは実在せず、猫は長い……。

 こういう部分は受け付けない人もいそうです。何より私自身ツーフィンガースリーフィンガーのごとく、型にはまっていないと気が済まない人間なのに、こういう部分に引っかかりつつ聴いてしまう。引っかかる部分がありつつ使うミッチェルのよう。それを含めて陽水でありミッチェル。モノも物事もそうした変調を含めてのものなのだという悟りのような、そりゃ大げさか。

 上の『「光陰矢の如し」少年老い易く学成り難し』は遅ればせながら年末に買ったもの(CDは全部持っているがそもそもDVDを見る習慣がない人なので)。見始めて、歳とっちゃったなあと思いました。そういう部分ばかり気になってしまいます。でも、終わり近くの『夜のバス』はアレンジがいままでで最高。ここからアンコールまで歌唱もすばらしい。

 で、後半乗ってきたのかと思っていましたが、再度見返してみたら最初からいいじゃないの。私のほうが歳を受け入れたというか慣れたというか。

 アマゾンのレビューには、これできっぱり引退せえと書いているやからもいるが、なこたあ本人が決めること(見直したら以来活動を休止しているのが潔いみたいな内容だったが言ってることは同じ)。不敬である。100周年でもワシは聴くぞ。こっちが生きとらんか……。ブラタモリくらいには出て欲しいかな。


 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 年も押し迫った今日この頃、現在開発中の新型パーツのためにタックルオートNo.1 を購入しました。コメットの兄貴なのか弟なのか。(2023/12/31)

 あらためて見ると、この時代の大森1番サイズはラインローラーがかなり内向きです。あらためてラインローラーを観察してみて、なんとなくこういう意図なのかなあということに気がつきました。このサイズのモデルのラインローラーは右(ベールアーム側)の径が左(ベールワイヤー側)の径より大きい非対称形状になっています。この形状でベールを内側に傾けたとき、糸の掛かる下側に注目すると、左右対称のカーブになります。

 すなわち、ベールを傾けてライン導入性を向上させつつ、糸の掛かる部分は水平に保つことで、糸ヨレにも対処しようとしたのではないかと思えるのです。

 ただ、それで効果があったかは、ちょっと怪しい感じ。コメットあたりは普通によれてベールアームに巻き付くことがありますし、シェイクス2200Uやプロラインはミッチェルのバネを入れてローラーが少し水平に近づいた後の方がトラブルが減ったような気もします。

 あまりはっきり言えないのは、まあこんなもんだと思っていて糸ヨレに気をつかったことがないのと、ストッパーがやかましくて使用頻度が少ないせいです。使用頻度は開発中のパーツがうまくいったら増えるかな?

 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 一部で人気(?)の「中華アンバサダー」ことミンヤンW300Rを買ってしまいました。もっとなんちゃってなものかと思ったら、ウォームシャフトやスプールシャフトにタフラム処理まで施したちょーすいた仕様のリールでした。(2023/12/23)

 しかししかし、このリールはハンドルがハズレで、片方のノブのハンドルニギリ固定軸(シマノ語)がカシメ不良でぐらついていました。中国から来たものを返品もめんどくさいので、自分で直すことにしました。

 M6×15の六角ボルトの先をフラットに削ったものを、厚い鉄板(プレスのボルスターにはめるインサートの残材なので40ミリ厚……板というよりブロック?)の上に頭を下に置きます。ハンドルはリールから外して、ノブのキャップを取ります。そして、ハンドルニギリ固定軸(シマノ語)の先をボルトの先に当て、ハンドル裏のカシメ部を小さめのカナヅチで叩いてみました。するとあら不思議(不思議じゃない)、ぐらつきはなくなりました。真鍮は軟らかいので軽くこんこん叩くだけでOKでした。

 そういえば昔シマノの釣具サービス課のオジサン(といってもいまの自分よりはるかに若かったはず)が、「ハンドルニギリのぐらつきは叩けば直る」と言っていたのを思い出しました。当時は漠然と特殊な形の治具で叩くのだろうと思っていましたが、トンカチで直接叩けばよかったことに30余年目にして気づきました。

 言わずもがなですが、トンカチで直接叩けるのはハンドルニギリ固定軸(シマノ語)の先が飛び出ているタイプで、デザイン的にへこんでいるものは、やはりポンチ状のものが必要でしょう(ただし、いずれのタイプもBBやブッシュを入れるため先がネジになっているものを叩いて直すのは困難と思われます)。ポンチを使う場合、ハンドルノブとポンチとトンカチを持つ計3本の手が必要になります。2本の手で無理矢理やると、ポンチがコケてノブを傷つけるなどします。右にちらと写っているコメットG1のハンドルがその例です。

 コメットのハンドルもカシメ不良品で、ハンドルニギリ固定軸(シマノ語)がぐらついていました。10年くらい前に直そうとしたのですが、センターポンチを使いかつ一人でやったので、見事にハンドルを飛ばしてノブを欠けさせてしまいました。今回あらためてミンヤンと同じようにやってみたら、あっさり直りました。最初からこうすればよかった……。

 そんなわけなので『Let's Inner Spool!』のコメットの写真はマイコンの「GEAR RATIO 5.2:1」の銘板がついたハンドルをつけて撮っております。もともとついていたのは上の写真の銘板なしのつるんとしたハンドルでした。『マイナーリールの紳士録』の本文写真はこっちがついています。

 ですが、カタログや取説の写真を見ると、本来コメットのハンドルは銘板つきの方だったようです。35年前にコメットを買った堺東のマリコンの人は「余った部品で組んだリール」と言っていました。ハンドルがちがったのもそのせいだったのでしょう。

 なお、ハンドルニギリ固定軸(シマノ語)のカシメチェックは、指先でカシメ部を押さえてハンドルを持ち、もう一方の手でノブを揺すってみます。ぐらつきがあれば指先で感じられます。こんなことを書くと、自分のリールをチェックして「ぐらついとる!」といらんことに気づいてしまう人が何人か出るんやろな……。


 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年12月9日、日本海へジグを投げにいきました。シラスにサワラが寄っていたものの、開始早々隣からジグが飛んできてオマツリ、場所を移動したら今度は別の人のブレードベイトにPEをグジャグジャにされて試合終了。ミッチェルSiCラインガイドを組み込んだ300Cをもってしてもこれでは釣れません。(2023/12/16)

 堤防だから当たり前ですが(?)、たいていの人が、キャスト時右手を放し、フィニッシュは左手で竿尻だけ持っている「堤防のオッサン投げ」です。まっすぐ飛ぶわけがない。

 そういう竿の持ち方も知らない人が、ストラディックやそれ以上のけっこういいリールを、もちろん右ハンドルで使っていたりするのがいかにも日本の釣り文化です。タックルの使い方を啓蒙するどころか、スリーフィンガー、場合によってはワンフィンガーだのフォーフィンガーだのの釣り人を「テスター」と称してメディアに登場させる、日本の釣り具メーカーのお膝元らしい光景です。

 (昔から言ってますが)70年代のミッチェル取説には正しい持ち方や投げ方が書いてありました。そんなものは日本のメーカーにはありません。リールメーカーでないとはいえこんなところまであるのですから救いようがありません。

 取説でいえば、ミッチェル304のパーツリストで右ハンドルモデルのパーツは「R」ではなく「L」=左利き用と表示されています。300シリーズのパーツリストで右ハンドルモデルのパーツは「右ハンドル用」ではなく「レフトハンド(左利き)モデル用」と書いてあります。それにひきかえ(これも昔から言ってますが)自国を含む釣り後進国向けに右ハンドル出荷をしていたのが日本メーカーです。いまは左ハンドル出荷ですが、90年代のバスルアーブームでようやく変えたのであって、能動的に変えたのではありません。

 SNSで、海外の釣り番組は魚の生態や環境問題にも触れるが、日本のそれはヤンキーみたいな人が魚を釣って喜んでいるだけ、みたいなことを言っている人がいました。こういう釣り文化の国の「世界一の性能」(?)のリールが堤防のオッサン投げ&右ハンドルで使われるのは、なんとも感慨深いものがあります。


 釣り文化をも考察する最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年12月3日の月見ヶ原です。管釣りは魚が撮れないので毎度テキトーな写真で失礼。こういう写真はその日何をしていたかの記録の意味が強いです。刑事ドラマとかでアリバイを聞かれて「おぼえていない」という容疑者が出てきますが、意外とおぼえてないもんね。(2023/12/11)

 リールは70年代のミッチェル308。そういえばこのリールは1988年に『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』の原さんがシンガポールの釣具店で買って日本に送ってくれたものでした。当時はヤフオクもタックルベリーもなくて、中古リールや中古ロッドは本当に手に入らない時代でした。

 月見ヶ原フィッシングセンターは2500円(税込み)という高額な料金通り、アベレージ22センチの巨大レインボーが群泳するゴージャスなフィッシングエリアとなっております。ところが、この日はどうしたことか40センチオーバーの魚が2回もヒットするという、異常事態に見舞われました。

 情けないことに最初の魚は、ラインを切られてしまいました。ラインは、ラパラナイロン2.5lb0.5号と細めなのに加え、去年カーディナル863に巻いたものの再利用、308に巻き替えて2回目の釣行にもかかわらず、使用後の先端カットもしていませんでした(だってアベレージ22センチだもん)。

 という理由はあるにせよ、やはり固定式ラインガイドの抵抗で、ドラグ作動が遅れたのも糸切れにつながった可能性があります。ミッチェルSiCラインガイドが組み込まれていますが、固定式は固定式です。オリジナルのタングステンカーバイドや硬質クロームメッキ(304)でも、重めの負荷かつゆっくりめの巻きでぐっと重くなることがあります(水の膜が破れて直接接触した瞬間だと思われる)。こうしたことは販売サイトにも書いています。

 ドラグのセットもテキトー(だってアベレージ22センチだもん)だったので、セットし直して釣り再会、そして2匹目の40センチオーバーがヒットしました(月見ヶ原でこれは奇跡)。こちらは慎重に寄せ、手前まで来たらさらにドラグを緩めて、ネットイン。

 いまさらながら、固定式ラインガイドはドラグセットに注意するのがよさそうです。やっぱり固定式はダメじゃないかと考えるか、それをわかって使いこなすのが面白いと考えるかは、それぞれでしょう。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 ミッチェルSiCラインガイドのライン摺動テストの写真です。スプールにラインを適量巻いたときと同じ角度でラインが掛かるようベールを傾けてセットし、300グラムのオモリを下げたナイロン1号を30センチストローク・毎分50往復でテストしました。(2023/12/4)

 このテストでわかったのは、ミッチェルラインガイドの絶妙な形状です。販売サイトには参考に竿用SiCガイドのデータを載せています。そこに「数ミリの幅でずらしながら往復させ」たと書いてあります。竿用ガイドはこうしないと実験データのさらに半分くらいの回数でラインが切れてしまうのです。

 ミッチェルのラインガイドは写真のようにテストすると、どうしてもラインが2〜3ミリの幅で横に振れます。これに対し、竿用ガイドは真円なのでラインの走る線が振れません。結果、ミッチェルラインガイドは摩擦熱が拡散してラインの破断が遅くなり、竿用ガイドは早く切れてしまうのです(言わずもがなですが用途の違うものを比較しているので竿用ガイドが悪いといっているのではありません)。

 ミッチェルラインガイドのラインの走る線が振れるのは、アールの付いた円錐形のせいです。実験でラインの走る線が振れるのと同様に、実釣でラインを巻いたときも同じことが起きるはず。すなわち、ラインテンション、巻きスピード、スプールの位置、ラインの残量で、ラインの掛かる部分は常に変化します。これにより、摩擦熱の蓄積や糸溝の発生を抑制していたと考えられます。糸巻き形状の安定を考えればV溝などの方がいいでしょう。ミッチェルラインガイドはあえての形状だったのです。

 「あえての」でいえば、前々回(11/18)ふれた表面仕上げです。オリジナルのタングステンカーバイドはSiCやアルミナなどのセラミックほど硬度が高くありません。ならば、研磨を含む加工性は(比較すれば)いいはずです。鏡面仕上げにもできたのではないでしょうか。なぜミッチェルはしなかったのか?

 308のラインガイドも「あえての」です。70年代408のラインガイドは回転式になりました。しかし308は長い間固定式のままでした。自分も食わず嫌いで回転式に替えていましたが、最近しっかり使ってみて、ドラグ作動にやや影響があることを除けば回転慣性や回転バランスなどトータルの使用感は固定式の方が上です。やはりミッチェルはリールをわかっていたのです。

 『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』の原さんと昔話していたときのことを思い出しました。原さんは「私は(ラインローラーは)回らない派なんです。回りさえすればいいのならローラーにV溝切るよ」と語っていました。スピードスピンなど原さんのリールのラインローラーはきわめて弱いアールでした。あの形状は実釣主義ゼブコがラインローラーを固定しての実釣で割り出したものだったそうです(ゼブコは固定式を作ろうとしたのではなくリールのコンディションで回転しなくなったときを想定したと思われる。この確認だけのためにフロリダに遠征したそう)。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年11月26日大江川のバスです。障害物や水草のほとんどない大江川では護岸沿いに平行に投げることが多いのですが、なんだかキャストがうまくいきません。オーバーヘッドでまっすぐ振っても左右にそれます。やはりスーパーパルサーFWS-55L/Cの180度逆にセットされたスパインのせいか。ガイドを反対に巻き替えたいけど、FWSはトップガイドを外すときブランク先端が焼けたことがあるから怖いんだよね。(2023/11/27)

 60年代製のミッチェル408はもちろんSiCラインガイド搭載。SiCタングステンカーバイド問わず固定式ガイドの美点のひとつに、糸ヨレの少なさがあります。糸を緩めてもくるくるヨリ糸を作るようなことはありません。

 旧式のリールはラインローラーにBBが入っていないからヨレるでんでんと書いているブログその他を見ることがあります。そういう人から見れば、固定式ラインガイドなど論外でしょう。実際この時代のミッチェルを固定式だからトラブルが多いと言っている人もいます。

 ラインローラーの回転が糸ヨレを防ぐというのは単なる思い込みです。ラインローラーが回ってヨレが取れるなら、89年にトーナメントEXがBBラインローラーを導入した時点でスピニングの糸ヨレは解消しているはずです。

 80年代の終わり、シマノにスーパーエアロキススペシャルという投げ釣り用大型スピニングがありました。SiCのラインローラーにルーロンのブッシュを内蔵し、それをアーチのついたベールアームに取り付けた細いSiCシャフトで支持するという、大変に凝ったものでした。BB入りでこそないものの、ローラー回転の軽さは最高です。ところがこのリールは、糸ヨレクレームが大変多く寄せられました。

 実験を繰り返してシマノが出した対策は、ラインローラーの回転を止めるというものでした。送られてきたクレーム品に、ラインローラーの横に入れて回転を止めるワッシャーを説明文とともに付属したのです。ラインローラーを固定したときのラインへのダメージに問題がないのは、担当者(投げ釣りが大好きな人だった)が実釣を繰り返して確認しました。ワッシャーを付属したユーザーからの再クレームはなかったと記憶しています。

 糸ヨレ対策型でないラインローラーならば、回らない方が糸はヨレないのです。ラインへのダメージに関しても、投げ釣りの負荷、飛距離、巻きスピードを考えれば、ルアー用リールのラインローラーが固定式で問題が生じる可能性は大変に低いといえます。U型やV型のラインローラーを固定しても問題がないのだから、ミッチェルのラインガイド形状なら……という話は長くなったので次に。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年11月12日大江川のバスです。FWS-55L/Cはコルクグリップがへたってきたのでアマゾンが小物を送ってくるときの段ボール封筒の切れ端を両面テープで貼ってかさ上げしましたが、摩擦係数が低いせいでリールが横向いてました。フックキーパーがこっちを向いているのはそのせい。(2023/11/18)

 このあと試したところでは、段ボールの表面に薄くスーパーXを塗るといいみたい。グリップ再作は、この手のグリップはどんどんへたるからもったいないかなと。

 ミッチェル304はSiCラインガイド搭載で巨大バスとのファイトも安心。このラインガイド、販売サイトにも書いているとおり、一見すると竿用SiCガイドほどのツヤがありません。納入直後なんじゃあこりゃあと思いました。

 ところが、ライン摺動テストの結果は販売サイトのとおり。つやつや滑らかな竿用SiCよりもいい結果が出てしまいました。再びなんじゃあこりゃあです。

 この回答かもしれないのがこれ。複数のOリングメーカーのサイトによると、Oリングをシリンダーなど運動用に使用する際、相手物が鏡面だと耐久性がむしろ悪くなるとあります。ゴム製のOリングやナイロンモノフィララインなど弾力性のある物体の場合、相手物が鏡面もしくはあまりに鏡面過ぎると摩擦が増加するみたいです。

 私が「鏡面」にもいろいろあることに無知だったのと、最初の打ち合わせが不十分だったせいでこうなったのですが、もししっかり打ち合わせしてぴっかぴかの鏡面にしていたら、いまごろ摺動テストの結果に頭を抱えていたかもしれません。

 作成ラインガイドは一見ツヤがないようにみえますが、専用の鏡面加工用砥石(ヴァンキッシュが買える!)で仕上げてあります。ツヤが落ちてみえるのは鏡面加工が不足しているのではなく(実際追加でサンプルを依頼しましたができなかったそう)、前の加工痕が残っているもので、サンドペーパーにたとえるなら400→800→1500とするときの800番を飛ばしたようなものといえそうです。前の加工痕が残ることで過度の密着を防ぎつつ、鏡面加工で糸の表面を削るエッジを取り除いた、ベストの表面状態が偶然にもできてしまった、ということのようです(とはいえ、それはあくまでベンチテストの結果。なので、管釣りの極細ナイロン、海のPE、渓流やバスの釣りと、実釣で確認したのはいうまでもありません)。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 2023年6月17日揖斐川のアマゴです。このころは台湾製ミッチェル308と大森シェイクス2200Uをメインで使っていて、台湾308は慣性が大きすぎて渓流では使えないなあと感じていました。しかし、この日なんとなく60年代の408を持ち出したところ、大森ほどではないもののけっこういけることに気づきました。(2023/11/10)

 理由は旧式の固定式ラインガイドによる軽いベールです。ラインガイド側の軽さはもちろん、バランスをとる反対側も70年代の408のローラー式のベールよりも小さく、ローターの回転慣性が抑えられています。完璧とはいえないながらも回転バランスも許容範囲内です。

 これが本来のミッチェルの味だったのです。思えば、70年代に408がローラーラインガイドになっても、308はかなり後まで固定式ラインガイドのままでした。市場に迎合するようにローラーラインガイドに移行していったものの、ミッチェル自身は固定式ラインガイドの軽いベールのほうが優れていると考えていたのではないかと思えます。

 いまになってそんなことを書くのは、SiCラインガイドを発売したからだろうと思われるかもしれません。ちがいます(この言い回しはミスター・ハラの文章によく出るやつ)。実際は逆で、この日固定式ラインガイドこそ本来のミッチェルの味だったことに気づき、その弱点である糸溝やラインの保護性能をなんとかしたいと思ったのです。

 さっそくラインガイドを測定して図面を作成、セラミック加工会社を何社も当たって見積もりをとりました。ほとんどのところが、(こちらの予算を聞く前から)高いから無理と断ってきたり、半導体不足でSiC自体が手に入らないといわれたり、そもそも返事も来なかったりするなか、ようやく製作してくれる会社を見つけ、2ヶ月半かかってできてきたのが9月の終わりでした。そして、渓流、バス、エリア、ソルトの実釣およびタングステンカーバイドや竿用SiCガイドとの性能比較テストを経て発売にこぎつけました。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、新発売の『ミッチェルSiCラインガイド』、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 こないだ大江川で使っていたスーパーパルサーFWS-55L/Cです。エポキシで体調を崩すので、塗装用防毒マスクを着けてまでまたしても。懲りんやっちゃ。(2023/11/4)

 このロッドは10年くらい前にヤフオクで中古購入しました。買ったときすでにトップガイドのパイプとスレッドの間にすき間があって、糸の端が飛び出していました。

 最初は製造時の不良かと思ったのですが、そんなはずはなく、前オーナーがティップをぶつけたとき亀裂が入って中の糸が飛び出していたのでした。

 すき間には5分硬化のエポキシをすり込んでごまかしておきましたが、1ミリもない小さなしずくでも白いエポキシは意外に目立ちます。そのまま10年経って折れていないので強度的にも大丈夫なはずですが、こんなところに亀裂が入るくらい変形したのですから、スレッドの下のプランクがどうなっているの気になります。そんなわけで、スレッドをいったん取り除いて再ラップしているのが写真。

 スレッドを外した下のブランクは……何の異常もありませんでした。トップ以外のガイドで足の先のあたりに亀裂が入るのは普通のことですが、さすがにトップガイドのパイプの際でしかも糸が飛び出しているのはそうないはず。それでも亀裂が走ったり折れたりしないグラスブランクは、想像以上に強いもののようです。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年10月28日大江川へ実釣テスト。何かがちがう304。リールの前に写っているのはレスキューテポドンという物騒な名前の根掛かり回収機。通常のトリプルフックに絡めるタイプと違い、スナップさえ付けていればジグヘッドやスプーンも回収可能です。付属の糸がやや細いので、糸と糸巻きはダイワのものを組み合わせています。(2023/10/29)

 ロッドは10年くらい前にヤフオクで中古購入したスーパーパルサーFWS-55L/C。バット太いです。あらためて使って、バススピンみたい。なぜか同シリーズの60L/Cより硬い。ルアーの乗りが悪くてちょっと使いにくいです。

 硬くて投げにくく感じる理由かもしれないのが、前向きに反っていること。つまり、自重でたれているように見える向きに、ガイドが付いているのです。このほかBWS-55も同じなので、この時期のウエダのロッドはこういう向きにガイドが付いていたようです。

 これはウエダだけではなく、同時期(80年代)のシマノの竿工場もそうでした。シマノの竿のノウハウはNFTや東作由来なので、おそらくこのころの日本の竿は、ガイドの重さでたれているように見せて、曲がりクレームを防いでいたものと思われます。

 ロッドビルディングの世界では前に曲がるとき硬くなるように背骨(スパイン)をセットするとされていますが、この時代はそんなマニアック(?)なことは考えていなかったのでしょう。

 スパインをセットするとされている前に曲がるとき硬くなる方向は、「魚がかかったとき硬い方向」と表現されることがあって、魚とのやりとりで有利になるようにと解釈しそうですが、おそらくこれはキャストのフィニッシュでのブレを軽減するためと思われます。じっさいこのロッドは曲がりに加えてスパインが180度逆で、硬くてルアーの乗りが悪い割に、振ったときのブレが大きい感じ。もっとも、これは現在の極小ガイドに慣れているせいかもしれません。

 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 原健士氏の手記を元にした『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』に続き『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』を新発売しました。いずれも紙版と電子版があります。秋の夜長に哲学を。(2023/10/20)

 原健士氏は埼玉にあった日吉産業の技術者でした。アブ・ガルシアやゼブコ、ルー・チルドレなどの海外ブランドのリールを開発・製造、国内でも黎明期のシマノのスピニングにかかわり、下請としてオリムピックとも関係がありました。

 初の外製カーディナル650シリーズ、ルー・チルドレのスピードスピン(ダイコー・スピニットRD)&ゴールドスピンは氏の設計でした。アブの怪作860の逆回転ローターを発案したのも原氏でした。同時期のアブのナロースプール形状はゼブコとリールを共同開発したときに得られた形状でした。

 日吉産業の国内工場閉鎖後、韓国日吉に移った原氏は外注としてふたたびシマノと係わります。そして87年、シマノがシンガポール・マレーシア工場でリールをはじめるにあたり、「顧問」というかたちでシマノに移籍しました。私が原氏に会ったのはこのときでした。

 シンガポール・マレーシアのころのことは思い出したくないので飛ばして、原氏と再会したのは2001年のこと。シマノの知人を通じて探してもらったところ、ちょうど日本に帰っておられたのでした。

 そのころから千葉の原氏との間で書簡のやりとりがはじまりました。上の本はそのときの膨大な書簡を元にしたものです。本来私信ですが、後世に残す価値があると思い、書籍化しています。



 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛新発売『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』に使用した写真です。第二章「ウォームアンドウォームホイル雑感」に大森製作所初のサウスベンド向けウォームギアスピニングの話が出てきます。原氏の記述では1970年代後半のこととなっていますが、91年版ダイヤモンドリールカタログでは当該機と思われるマークの発売は1969年となっています。これいかに。(2023/10/13)

 当時原氏は30代後半だったとのこと。年齢から考えるとやはり70年代中頃以降のはず。もしかしたら、昭和から西暦への計算違いでマークの発売は1974年だったのでは……。

 昭和に25を足すと西暦になります。私が生まれた昭和39年は25足すと64だから1964年という具合。このせいで一の位を5間違えることがあります。マーク発売は昭和49年で本当なら1974年だったけれど、うっかり1969年にしちゃったとか?

 ウォームギアのリールとしては、続いてプロラインが出ているのですが、こちらは1976年となっています。いまほど時代のスピードが速くなかったとはいえ、1969年のマークからは7年も経ってしまっています。この点からも1974年の方が自然なような。

 さらに考えると、大森リールの原点ともいえるマイクロ7デラックス/シェイクスピア2200の発売が1966年となっていますが、あの完成度を考えるとこれまた1971年ではないかと思えてきます。じっさいアウトスプール版のマイクロ7 No.1の発売が1974年です。ただ、こちらに関しては、3分割ボディの2200から、2分割右開きの2200U、2分割左開きのマイクロ二世を経てなので、やはり1966年くらいなのかなとも思えます。もはや知る人もいない昔のことです……。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年10月6日小浜のサワラです。秘密の新製品の実釣テストで行ってきました。PE0.8号による巨大サワラとのやりとりも安心。平日にここに行ったのは初めて。平日&悪天候で一時堤防貸し切り。土日の満員も困りますが、これはこれで淋しかった。(2023/10/7)

 この日は着いてまもなく小型がヒットして抜きあげようとしてバラし、その後反応なし。しばらく粘った後、移動してみたらヒット、その後また場所を変えてヒット。

 いままでの経験からも、釣りはじめ投げはじめに釣れることが多い。サワラは回遊しているイメージですが、ある程度縄張りみたいなものをもって居着いているのかもしれません。

 リールはミッチェル300C。去年逆回転ローターのカーディナル863を管釣りで使ってミスキャストを連発しましたが、あれはルアーが軽いのとトリガーのせいだったようで、この日の300は特に違和感なく投げられました。

 そのミッチェルを考察した「ミッチェル賛歌……?」を含む『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』、電子版ともども絶賛新発売です。


 最新『ミスター・ハラの記憶 リール哲学』をはじめ、『リールの話』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年9月24日揖斐川水系のイワナです。朝から根尾川をうろついたものの新子アマゴがちょろりのみ。川を変えてやや大場所で追ってくるもののノーヒット。なかばやけくそでマスター5グラムをいかにも魚のいなさそうな方に投げたら、黒い影が走ってヒット。(2023/9/30)

 本当なら今日30日が最終日なのですが、まあこの魚が最後ということでいいかなと、家でゆっくりしとります。

 マスター5グラムなどバイト以外のモデルはカタログ落ちしておりますが、現在アートフィッシングでは全色即納できるものだけをカタログに掲載しているので、載っていなくてもあります。ただし、ない色を塗ることはできないそうです。

 今年は他にもバイト6グラムで似たようなことを体験しました。ルアーを変えるなら、がらっと変えるのがいいといわれることがあります。こういうことなのでしょう。

 このサイズのスプーンは、フックが大きくなって魚へのダメージが気になりますが、黒いスイミングフックはフックを食ってくるので、過剰に大きなものを付けることはありません。このサイズのスプーンにはチヌバリ3号で作ったものを付けています。この魚もフックを食っていました。

 最新『Reelpedia』『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 2023年9月9日根尾川のアマゴです。本来飛騨の最終日なので庄川へ行く予定でしたが、漁協SNSで内輪(組合員)のニジマス釣り大会だの死魚大量陳列画像などを見せられて、行く気が失せたので、地元の川へ。それにしても、車横付けポイントでこの時期このサイズ(ネットが小さいのでじつはたいしたことないが……)は奇跡に近い。(2023/9/25)

 ロッドはとうとう完成した復元クラシックグラスFS53。『リールの話[カラー]』にも収録されているエピソードで、昔「新品の竿は魚が釣れる」と聞いたことがあって、実際そういう経験が少なからずあります。新品のみならず、このロッドのように前の使用からブランクがあったケースにもこういう経験があります。やはり、ロッドには釣られた魚の怨念が一定期間とりついて、他の魚を警戒させるのかもしれません(?)。

 グリップはオリジナルを復元したいっぽうで、ガイドはカーディフNX S54ULのガイドをKTSG→LOG、KLSG→LVOGに置き換えたトップ込み6個の構成です。位置はカーディフネイティブスペシャルS-42UL-3のカタログ用画像から割り出したものを比例計算でトップ〜バットの間に配置しました。

 本来、それで仮止めして糸を通し、微調整します。同じKガイドを使ったミッチェル・リビエールパックはそうしました(『ロッド改造記』の紙版収録)。しかし、FS53は微調整なしでやってしまいました。

 老化で眼と手先が衰えていて4.5のガイドなぞ仮止めすら苦痛なので……というのが第一の理由というか言い訳なのですが、もうひとつ考えたのは、この時代のフェンウィックの「へ」の字ブランクに合わせてガイド位置を決めていいものかということでした。

 台湾時代のフェンウィックは技術的なものか先折れクレーム対策か、先端10数センチがほぼストレートでほとんど曲がらず、トップから30センチくらいのところにいきなり曲がりの頂点が発生します。このブランクで、曲がったときのラインのクロス状態が均一になるような位置にガイドを配置したら、中間部のガイド間隔が一番狭いへんてこなものになるでしょう。見た目のみならず、先近くの小型ガイドの間隔が開くと、ルアーの飛行中にラインがブランクを叩く、雨中の釣りでべたつくなど他の不具合が発生するかもしれません。

 そんなわけで、仮止め糸通し確認なしの一発巻きでやっちまいました(ネットで調べたレシピ通りに作って味見もしないわしの料理の流儀と共通しておるな)。

 はたして、使った感じは無問題。ラインが流れる様子も良好で、LOG10のところでばたつきがほぼ収束され、ライン(1.2号5ポンドナイロン)がブランクを叩く様子もありません。飛距離も十分出ます。バックスイングでラインとブランクはクロスしていますが、スピニングならどんなガイド構成でも起きることで、使用後のロッドにラインの跡がつくことも、ましてラインが弱ることもありません。大成功ということでいいのではないでしょうか。

 最新『Reelpedia』『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 ペーパーバック版『Reelpedia』を発売しました。本のデータをアップロードしたところ、アマゾンから審査不合格の通知が来ました。なんじゃあこりゃあと思ったら、理由は「カバーの著者名が違う」。ローマ字表記にしただけやんけ……と、脱力しつつクレームを打ったら、合格になりました。『80's国産リールの歴史』では取説スキャン画像の文字を「セーフゾーン(裁断されてしまう恐れのあるふちっこより内側)からのテキストはみ出し」でNGにされました。オンラインでつないで海外で審査してるのかな。(2023/9/15)

 ペーパーバック版では23年時点での補足をところどころ入れています。マグシールドを語った章の補足で、シマノが旧ステラやヴァンキッシュなどでマグシールドより先に防水機構を付けていたのにうたわなかったのは、品管がさせなかったからではないかと書いています。

 想像で書くなよというところですが、そう思っちゃうようなことが昔ありました。

 シンガポール・マレーシアの生産が始まったころ、それまで高級品だったベイトリールも設計を見直すなどして、低価格品が発売されるようになりました。そこで国内営業企画が考えたのが、糸付きベイトリールでした。安物のかご売りスピニングのような、最初から糸を巻いた製品を、ベイトリール(バンタム・バスワン?)で企画したのです。

 そこで、なぜか品管に依頼されたのが「糸付きベイトを売っていいか?」というテストでした。糸を巻きっぱなしで売ったら巻癖がつく、これは品質的にどうかというわけです。

 テスト(糸を巻いたまま高温にさらす)したK氏は「おすすめできない」という品管レポートを書きました。すると営業は「こんな結論のないレポートはダメだ」と怒りました。

 4号くらいのナイロンを巻いたまま売れば巻癖くらいつきますわな。当たり前です。で、かご売り糸付きリールを買うような人が、それを問題にするかどうかは、品管じゃなくて営業が判断すべきことでしょう。だからK氏も「そんなことは営業の範疇だ、このちゃかぽんが!(*)」くらいに思って、結論のないレポートで答えたのでしょう。

 これを思い出すと、旧ステラ・ヴァンキッシュがせっかくの防水付き(**)だったのにうたわなかったのも、こういう体質が影響したのかなあと、ちょっと想像しちゃったわけです。繰り返しになりますが、実際のところは知りません。

 (*) K氏とは『BB、BM、そしてバンタム』にも出てくるBM/BBを設計した人で、九州出身でした。学生時代に九州出身者から聞いたところでは「ちゃかぽん」は九州弁で「とろくせえ奴」くらいの意味でした。

 (**) ただしパッキンによる接触式。しかし、当時のステラ・ヴァンキッシュの回転が重いという話は聞いたことがありません。接触か非接触かはプロパガンダみたいなもの。くだらないことです。まんまと乗ったシマノもちゃかぽんです。

 最新『Reelpedia』『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは、あきらめていたミッチェルの分解ができる新発売『ミッチェルピニオンレンチ』、寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツやツールを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 80年代以降のローターにピニオンギアがロックされているミッチェルの分解レンチをつくりました。恥ずかしながら昔408Aをバラそうとしてストッパーの歯をへし折ったことがあります。そうならないためにぜひ(しねえよふつう)。(2023/9/8)

 ピニオンは商品に含まれません。

 ウェブを探すと、板スパナを曲げたものを削って工具を自作している人もいます。最初そうしたものを考えて、新潟の板スパナのメーカーに相談しました。しかし、曲げ部分が六角の頂点すれすれになるため、曲げ加工でスパナ部分が開いてしまい寸法が出ないとのこと。ヘッド部分だけ作って、柄の部分を溶接すると寸法は出ますが、強度が保証できないとのこと。おそらくそれ以前に、曲げだけで作って寸法が出たとしても六角部が開くのを抑える部分が板厚分しか取れないので、とくに緩み止め剤がしっかりついている個体に当たると、使用で開いてしまうでしょう。

 そこで、溶接部分が長く取れ、全体の剛性も高い構造として、板スパナのヘッドをパイプ加工品に溶接することを考えました。しかし、そうなるともはや「板スパナ」の範疇でなくなってしまうからか、製作を断られてしまいました。

 次にレーザーカットと溶接のできる関東の金属加工メーカーに依頼しましたが、パイプ加工を旋盤外注に出すとのことで、コスト的に大変高いものになってしまいました。

 釣り具の部品や工具のメーカーならと、三重県のメガテック社(リブレ)にも当たったものの、チタンや軽合金専門で鉄系材料を扱っておらず不可。私は岐阜でプレス関係の会社にいたので、機械加工といえば鉄と思っていて、そういう世界もあるのかと驚きました。

 いったんネットを離れ、そのプレス会社時代の外注さんに当たったみようと、シェア(剪断)や溶接をやっているところに行ってみたらとっくに廃業、旋盤・フライスなどの鉄工所(ちなみに『BB、BM、そしてバンタム』の26ページに登場するところ)は細々やっていたもののレーザーや溶接は外注になるので不可。

 その帰り道、ネットで探した金属加工会社の中に大垣市の会社があったことを思い出し、そのあたりに行ってみて発見。飛び込みで図面を見てもらったところ、できるとのこと。材料を鉄からステンに変更することも提案してもらい、試作の上完成したのが写真のレンチです。

 インターネットであちこち当たったあげく、結局自宅から2、3キロのところで作るという、灯台もと暗しなお話でした。

 最新『Reelpedia』『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛発売中『ロッド改造記』32〜33ページに登場するフェンウィック・クラシックグラスFS53のグリップを変えちゃった方を復元したものです。再作グリップは渡辺つり具店様(まさに様)製で、オリジナル品と寸分違いません。すばらしい。(2023/9/1)

 フィニッシングモーターに付けているのは、マイクロガイド化しているからです。しかし、うちにあった東邦のエポキシをなんとかなるだろと使ったおかげで、完成が1週間遅れてしまいました。

 東邦のエポキシは特殊で、3〜4分混合して4分放置(熟成)させるとあります。元々が低粘度で、長く攪拌して混ぜ残しを防ぎ、長い放置時間で粘度を上げてから使うようになっています。

 作業した日は室温が33度くらいあったので反応が進みすぎるのではないかと思い、それぞれ短めの2分半くらいにしました。これが悪かったのかそもそも温度が高くて流動性がありすぎたのか、2回目のコーティングではじきまくって凸凹になってしまいました。

 この時点であきらめればいいものを、硬化後サンディング&脱脂して3回目のコート。しかしまたまたはじきまくり。まさかサンディングしてもはじくとは思わなかった……は希望的観測過ぎ。

 ここでようやくジャストエースをネットで取り寄せて、サンディングで凸凹を殺してから4回目のコート。これでやっとこさ成功。最初からこうすればよかった。そういえば一昨年の春に四苦八苦してガイドを巻き替えたミッチェル・リビエールパックも東邦で失敗して、最後わずかに残っていたジャストエースで成功したんだった。忘れるなよ……。

 あらためて、渡辺つり具店とサバロのHPを見たら、東邦は置いてません。やっぱりジャストエースやフレックスコート、デュラグロスなどの専用品がいいということでしょう。餅は餅屋です。

 最新『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛発売中『ロッド改造記』に掲載されているフェンウィック・クラシックグラスFS53のグリップを変えちゃった方を、元の姿に復元するべく作業しているところです。渡辺つり具店でパーツを作って接着中。空調なし南向きの作業部屋は余裕で30℃オーバー。30分エポキシが10分で硬化、5分硬化で付けた写真の3分割アーバーは3個目までいけず。異常気象恐るべし。(2023/8/28)

 『ロッド改造記』に続き『ロッド改造』もペーパーバック版を新発売しました。キンドル版をそのまま紙にしたのではなく、PART1とPART2を入れ替えています。キンドル版はPART1がグリップ交換、PART2がガイド交換でしたが、これを入れ替えました。

 理由はまさに写真の通り、グリップ交換はたいてい後悔するからです。特にルアーロッドは、デザインに占めるグリップの割合が高いので、グリップを変えたらまったく別のロッドになってしまいます。

 それで、PART1とPART2を入れ替えた上で、PART2の前に「グリップ交換の前に」というページを設けました。

 もっとも、私はリールのハンドルひとつ変えるのも嫌な人なので、すべての人に当てはまるかどうかは不明です。

 最新『ロッド改造』『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

 絶賛発売中『ロッド改造記』掲載のフェンウィック・クラシックグラスFS65とFS53です。手前のFS53は2本持っています。1本目は改造しからかいたためになにやらわからなくなって、2本目をオリジナル状態で持っています。両方ともベンドカーブを撮影し、ガイドでカーブは変わらないので、「ベンドカーブは変わらない」とキャプションで書いていますが、よく見たら……。(2023/8/19)

 なんじゃあこりゃあ、カーブ違うやないか。バットガイドの位置で力のかかり方が変わるのか、それとも超雑だった台湾工場のばらつきか……と思いながらガイド構成の写真を見ると、太さが違って見えます。

 んなあほな、と思いながら現物にノギスを当てて、再びなんじゃあこりゃあです。バットの太さが1.5ミリも違います。ジョイントも互換性がありません。

 1本目は発売直後の非富士ガイド仕様、2本目は翌年か翌々年にデザインそのままでガイドが富士になったものです。

 ふうむ、さすがロッドの名門フェンウィック、短い期間にブランク設計を変えるとは絶え間ない改良……とはとうてい思えん。2本のFS53は、どっちもべろんべろんでとても投げられたものではありません。

 謎です。

 最新『ロッド改造記』、とうとう紙化された初の小説『ユキ』、表紙もリニューアルした『きわめて私的なミッチェルストーリー』、カラー大判化した『リールの話[カラー]』をはじめ、好評の『ミスター・ハラの記憶 リール興亡史』、『ミスター・ハラの記憶 リール風土記』など、ペーパーバック本各種絶賛発売中です。

 TAKE'S PARTS ROOMでは寿命を純正・準純正スプリングの20倍にアップさせた『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』をはじめ、各種パーツを絶賛発売中です。

 カーディナルCシリーズの長寿命ベールスプリングはプロショップオオツカ熊谷店でも買えます。同店では、ヤマワークスでの組み込みチューニングも受け付けています。信州の通販ショップ出商店でも各種パーツ販売中です。

上にリストがないときはここをクリック