2021年9月24日、禁漁前に川見てくるかと坂内川へ。新子アマゴが引っ掛かったのとこれくらいのウグイが２匹。だるいシーズンやったのお。(2021/10/10)リールは一品生産の（たぶん）長寿命ベールスプリングと『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』のローターブレーキ素材を組み込んだミッチェル版カーディナル753こと2230RD。
サイズ的には2210RDがULクラスになりますが、231グラムの軽量設計とリアドラグによる後方重心で2230RDでも十分使えます。むしろスプールが大きいため巻きが速く渓流向きに思えます。
写真の個体は若干の後ろ巻きですが、ローターを持ち上げるのは不細工なので、そのまま使いました。ところが、1.5号ナイロンを巻いてノントラブル。飛距離もほかのリールに１号ナイロンを巻いたときと同等かひょっとしたらむしろ飛ぶ感じ。写真のように控えめに巻いたとはいえちょっとびっくりでした。
このリールの場合カーディナル33や3の後ろ巻きとは少し違っています。半分くらいの巻き量（1.5号ナイロン100メートルの下巻き）まではほぼ平行な巻き上がりで、その後前フランジのテーパーのため後ろ巻きになっていきます。
こういうケースなら後ろ巻きやテーパーフランジもいいほうにはたらくのかも。もっとも、イーベイなどで見ると前巻きの個体もあるので、ミッチェルや松尾工業が意図的にやったのかどうかは不明です。
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ミッチェル2230RDにベールスプリングを作りました。コイル径と線径を『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』と同じにし、極力変形量を抑えるため壁に接触する寸前まで腕を長くしました。一品生産なのでショットピーニングはしていませんが、C3用の試作段階の結果から推定すると３万回くらいは持つ……はずです。(2021/10/2)ところが、ロッドに付けて振ってみると、けっこうベールが返ります。カーディナルC3の場合、バネ力を落としても変な投げ方をしなければ付属ローターブレーキ未装着でも大丈夫なのですが、どうもこのリールは違います。
松尾工業のクリアランスを大きく取った設計とフェースギアのおかげで空転が軽いのと、ハンドルクランクが比重の高い亜鉛ダイキャストなのが理由です。
ハンドルは、同じクランク長さ同じノブの1110Gのアルミダイキャストと比べ２グラム重いだけですが、一円玉を２枚貼り付けたと思えば、影響があるのも納得できそうです。
そんなわけで『カーディナルC3用長寿命ベールスプリング』に付けているローターブレーキ素材を装着しました。ちなみに底上げヒモは２枚でした。
スプリングを作ったのは、スプリング自体の寿命もさることながら、支持部の摩耗を抑え、ベールワイヤーの疲労破壊の心配を減らすのも理由です。これらの部品がダメになると、ベールスプリング以上に修理が難しくなります。
先日禁漁間際の川で使ってみたら、絶好調でした。でも、もうシーズン終わり。とほほ。
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最近ヤフオクで買ったミッチェル2230RDです。松尾工業によるミッチェル版カーディナル753。中身が同じならミッチェル版のほうがいいもんね。(2021/9/26)
発売されたのは1985年くらいで、日本では上州屋とミッチェルジャパンが売っていたころです。当時のアングリングによるとこのころのミッチェルは「宇宙船を設計した工業デザイナーマトラー氏の設計」だそう（「設計」は「デザイン」の意味でしょう）。日本人だとガルシア3800みたいに「卵」の長軸をリールのセンターラインに近づけようとしてしまうところですが、ギアシステムに合わせたこの入れ方は意外にコロンブスの卵かも。
海水で使われた形跡があり、ドラグスプリングが固着していたり、内部にサビが見られたりしましたが、カーディナル753をご献体に修復。しかしハンドルのサビだけはなんともしようがありませんでした。
このリールのハンドルは亜鉛ダイキャストのようで、アルミならアルマイト処理がされているので塗装の下からサビてくることはそう起きませんが、亜鉛はこうなっちゃいます。
同時期のシマノのリールのハンドルクランクやベール取り付けカム（ベールアームの反対側）などのうち亜鉛ダイキャストの部品には黒クロームメッキが施されていました。当時聞いたところでは塗装では耐蝕テストでもたなかったそうです。
当時のシマノと松尾工業は、安かろうだが悪かろうまでは行かないコストギリギリ設計が似ていると言えば似ていましたが、品質への厳しさはシマノのほうが上だったということでしょう。
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2021年9月7日に庄川のヤマメを釣ったときのミッチェルプリビレッジ20です。釣行前からストッパーの効きが悪かったので、帰宅後シマノでいうところのサイレントカム（中央の黒い樹脂部品）を修正して直しました。(2021/9/18)
この部品は平面ではなくネジの緩み止めに使うスプリングワッシャーのようにCの字がねじってあります。このねじりが弱かったのがストッパー作動が悪くなった原因でした。さらにストッパーの爪を動かす腕のような部分が反っていたのも直しました。
修正はヘアドライヤーの熱風で行いました。以前大森マイクロセブンCSのサイレントカムをライターであぶったらグリスに引火してしまい、危うく家を焼きかけました。あらためて考えたらグリスもPOMも燃えるわな。間違ってもリールの部品を火であぶるのはやらないようにしてください。
庄川からの帰り、信号待ちでプリビレッジ20のストッパーの調子を見ていたら、ハンドルが回らなくなりました（スプールのラインが蒸れて弱らないように帰路リールはバッグから出していて手に届くところにあった）。正逆ともなにかが引っ掛かったようにカカカカという異音がして回りません。
釣行前からストッパーの調子が悪かったのは、遊びが大きかったりときどき大きく逆転したりしたもので、回転しなくなったのはこのときが初めてでした。
しかし帰ったら元に戻っていました。理由はサイレントカムから伸びる腕の反りだったようですが、なぜ帰りの車中だけなったのか不明です。
庄川は私が免許を取って初めて家族とともに車で行ったところでした。さらに親父は昔中部電力に勤務していて、御母衣ダムの放水トンネルを歩いてこけたことがあると言っていました。四十九日であっちへ行ったはずなのに、庄川についてきていて、運転中にリールをさわるなとプリビレッジを回らなくしたのでしょうか。
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2021年9月7日庄川のヤマメです。７月に父が他界してまず考えたのが四十九日と庄川の禁漁とどっちが早いかでした。で、５日残っていたのでなんとか行ってきました。でもコロナ休業で休んでいる人が多いせいか、普段の土日より人が多い異常事態。しかもエサ屋が多くて川に魚いません。ちゃんと家におれ（お前が言うな）。(2021/9/10)
ルアーはシュガーミノー50Sです。以前ギジーで読んだ、スプリットリングを２番にサイズアップし、10番のシングルを付ける方法で、シングル化のバランスとフックの巨大化による過剰なダメージ対策としております。
この日釣っていて、流れを横切るように引いたとき、飛び出しやすいものと飛び出しにくいものがあり、個体による当たりはずれだと思っていました。
ところが、ふと気づいたら当たりだと思っていた個体は、レギュラーワイヤーのリングが付いているものばかりでした。オーナーのスプリットリングには「レギュラー」と「ファイン」があります。最初レギュラーを使っていたのですが、ワイヤーが太いぶん、フックが引っ掛かったようになる頻度が高く、最近はファインに変えていました。
ファインでも悪くはないと思っていたのですが、ファーストリトリーブで流れを横切らせるようなケースでは、けっこう差が大きかったようです。
マイクロで測ってみたら、レギュラーは0.65mm、ファインは0.6mmの線材が使ってありました。0.05mmとは微妙な差をつけるものやなあと思ってはたと気が付きました。絶賛発売中の『ミッチェル308/408ベールスプリング』は0.65mmの線材を使っています。20年前最初に工具屋さんを通じて自分用に作ったときには0.65mmなどという線材はないと言われて（あるがや）0.6mmで作ったものですが、やはりかなりバネ力は落ちていたものです。
スプリットリングのレギュラーとファインはうっかりすると目視ではわからないほどの差です（この日気づいたのは、たまたまレギュラーはメッキなし、ファインは黒メッキだったから）。ベールスプリングといいスプリットリングといい、たかが0.05mmではないのですね。
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すでに20年以上販売してきました『ミッチェル308/408ベールスプリング』を少し形状を変えて復活させました。形状を変えても用途や特徴は不変です。引き続き大森やペンなどへの流用も可能です。(2021/9/6) ミッチェル以外のリールに使用するには写真一番下に移っている１mmドリルとピンバイスでベールアームのバネ穴をあけ直す必要があります。ベールアームは軟らかい樹脂や真鍮なのでピンバイスを手で持って回せば穴があけられます。セット状態で30～45度くらいスプリングが絞られるくらいにすれば、ほぼ折れる心配がないほどの寿命が得られるはずです。
大森ダイヤモンドはマイクロセブンDX（上左：輸出版シェイクスピア2200）、コメットNo.G1（下左）、プロラインNo.101（下右）などの「１」サイズに使えます。写真にはありませんがシェイク2200Ⅱも確認済み。ただし大森インスプールでも右ハンドル専用モデルはローターが対称形のため使えません。
ペン716Zはもともとの設定が強すぎるので、スプリングを変えないまでも穴位置をずらしてベール切替力を落としておくのが安全でしょう。オリジナル状態は親の仇かというくらいベール反転衝撃が大きく、これはベールワイヤーが危ないぞと思っていたら、ブログでワイヤーが折れたと書いている人を見つけてやはりと思ったものです。
写真のペン716Zはドライブギア軸のオイルポートが廃止されていることなどから後期に作られたものとみられます。昔見たときはこんなに強烈なベール切替力ではなかった気もするので、途中で変更されている可能性もあります。いずれにせよ不要にベール切替力を強くしてしまうのは村田基氏言うところの●●に対応するためで、なんとも困ったことであります。
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こないだFBを見ていたら、「80年代のアブ・ガルシアリールはガンディーニデザイン」というのがあってひっくり返りました。ヘンリー・ドレイファスだよ。(2021/8/29) どうせボケるならガウディデザインくらいにしてほしいよね。でもって、同時代にサントリーのCMにかかわっていた開高健の力で実現したくらい広げたら満点だったんだけどね。
写真はそのガンディー……じゃなくてヘンリー・ドレイファスデザインの怪作カーディナル800（863）です。ヘンリー・ドレイファス・アソシエイツのウェブサイト（現在はないみたい）では代表作のように掲載されていました。
カーディナルCシリーズもドレイファスデザインで、C3のスプリングが異常に短寿命なのは機械部分の設計までドレイファスに丸投げしたからだみたいなことを、瑞穂の前に見積もりを持ち込まれた日吉産業原氏が言っていました。
800のほうはカーディナルとしては初めて圧縮コイル式のベールスプリングを搭載したモデルで、発売されたころ雑誌の新製品ページで「耐久性10倍以上」と書かれていました。どのモデルの10倍かが気になるところです。
にしても、ヘンリー・ドレイファスでんでんはこのHPのみならずあちこちで書いていますが、ガンディーニでんでんみたいな人がいるということは、わしの影響力知名度も大したことがないということですな。
知名度といえばいまだSNSとかでカーディナルC3のベールスプリングを釣り場で交換したのを武勇伝みたいに書いている人や、ヤフオクで1000円以上の金額でミッチェル308/408のベールスプリングを買っている人がいるのを見ると、つくづく知名度ないなと思うわけです。
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