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 2015年6月7日、石徹白フィッシャーズホリデーを見に行って、石徹白川本流で釣れました。本流の下流側は漁協の管轄が変わったためにすごく短くなっていて、C&Rの峠川をちょろっと投げて戻ったらどこも人が入ったあと。いま車が出ていったばかりの駐車スペースに車を停めて、普通入ったところから上るよなあと、ずんずん下流のほうに歩いていったら、第一投でヒットしました。でもその後は何の反応も……ありませんでした。 (2015/6/8)

 峠川C&Rエリアをぶらぶらしていたら、C&Rを示す看板に、1日の釣魚数は10匹までと書いてありました。C&R区間以外にも匹数制限を設けたのかしらんと思って帰宅後漁協のHPを見たら、リリースしても死ぬ魚がいるからC&R区間で魚をかけるのは10匹までにしてください、という意味でした。

 アラスカとかでは、キングだったかスチールヘッドだかはリリースしても年間何匹までってなってるくらいだからおかしいわけじゃありませんが、いまだ渓流魚を何十匹釣ったって乱獲記事が釣り雑誌やスポーツ新聞、釣具店の釣果報告に平気で載る後進国日本では、むちゃくちゃラジカルです。

 以前、関東の某有名河川で大釣りした人がブログに、ルールは守っとるんじゃ文句あっかみたいなことを書いてたことがあって、「法律は最低限の道徳」って言葉があるんだけどなあって思ったことがあります。もしかすると、峠川C&R区間にもそんな人が現れちゃったのかもしれませんね。

 話は飛んじゃうけど、釣りビジョン見ててトラキンとかやってるとさ、ネットの上で魚を一発弾ませてワンカウント、ポイッってやってるでしょ。あれってどうなん。私は、キャッチ&リリースは魚をパチンコの玉にしている(*)なんていう連中には、非常に強い反発を覚えますが、そんな私ですら、いまのエリアトーナメントはとうてい魚を生き物としてみているように思えません。

 釣りそのものが生き物をもてあそぶ罪深い遊びなんだけど、その自覚があるかどうかって大きいんじゃないかな。釣りやアウトドアスポーツは子供の情操教育にいいって言われることがあるけど、ありゃ絶対悪いと思うぞ。

 ラジカルすぎると思う人もいるかもしれないけど、リリースすりゃあいいってもんじゃないって再確認するために、この漁協の呼びかけは意味あると思いますね。

 峠川に話を戻すと、私がここでいちばん大釣りをしたのは8年前(あらためていま調べたが歳とると時間がたつのが早いのお)、雨のあとの平日にボコボコイワナが出た日でしたが、それでもトータル8匹でした。最近は3匹を超えるといま何匹目だったかおぼろげになるし、5匹も釣ったらおなか一杯。10匹の匹数制限なぞ、なんの影響もありまへん。


* 昔釣りサンデーの2代目社長がおともだちの魚類学者との対談で誌面にて言い放ったこと。私が思わず当時同誌でC&Rを呼びかける記事を書いていた○橋氏に「どう思いますか?」と手紙を出したら、○橋氏も「あれはひどい!」という返事をくれたものです。

 2015年5月30日、朝起きて、朝飯食ってから、ふと高速に乗って庄川に行きました。歳のせいか最近、日にちが過ぎるのがやけに早くて、気がつくと週末で特に計画してなくて、こういう釣行をしてしまいます。なもんで、釣れたのはひょろひょろニジマス3匹だけでした。 (2015/6/3)

 不思議なもんで、なんかニジマスだと、うれしさ半分みたいなところがあります。まして、この日釣れた3匹は、妙にへろへろで、写真の魚もこっち側のヒレはあっても反対側はなかったし。せやけど、昼から釣り始めてたんじゃヤマメやイワナが難しいのは当たり前で、しゃあないか。

 これが犀川だと、ニジマス(とブラウン)の川みたいなイメージがあって、それにマス類の養殖はあの辺の地場産業みたいな面もあるから、個人的には抵抗がないのですが、それはよそ者の勝手な思い込みで、あの川もイワナやヤマメがいたころを知っている人からしたら、違うぞみたいなものなのかもしれません。

 年に1回くらいしか行かないけど、魚野川だとどうかな。やっぱりあんまり抵抗ないかな。でも、どっちの川でも、ニジマスしか釣れなくなったら、やっぱやかな。

 じゃあ、坂内川や根尾川などの地元揖斐川水系は……やだ感がワンランク上がります。地域エゴか。そういえば、この翌日、揖斐川水系でへろへろのホウライマス釣りました。人工的に作った魚だから、やだ感ツーランクアップでした。

 写真の魚を釣ったあとで行った別のポイントで、対岸の木がかぶさっているところの上流側にスプーン(でないと届かない)をぶち込んで、木の下へ流し込むと、グンときました。いやはや、絵に描いたようなヒットとはこのことです。

 FWSを満月にしながら川の中ほどまで寄せたら、40cmくらいのニジマスがどっかんと跳んで、バレました。惜しかったけど、同じサイズのイワナをバラしたとしたら、もっとがっかりするところでしょう。このへんやっぱりニジマスかなあ。

 そうはいっても、ニジマスが釣れなかったら完全ボウズだったわけで、ボウズよりは気分良く帰ってきたのは事実なわけで、感謝せなあかんのやろね。

 2015年5月24日、揖斐川下流へサツキマス狙いに行きました。昔S社で上司だったO氏が大垣に来て、いっしょに釣行したのでありました。O氏も昨年定年になったそうで、月日は流れたものです……って、大体わしが●歳やもんな(隠す必要はないがやっぱり書きたくなかった)。あれからはや四半世紀。人生って短いのね。ええんか、このまんま終わって。 (2015/5/29)

 わたくし的には、サツキマスは『川マス』で完結していて、もうあえてやりたくないんですけど、同じく昔S社の同じ部署にいて、いまは大垣の某印刷会社にいるH氏という人がO氏を「サツキマスを釣りましょう」とかいって呼んだので、いっしょに行くことになったのでありました。

 H氏は、15年くらい前、私が大垣に帰ってきたとき、いっしょに揖斐川に行って、その時私はブレットンで1匹釣っちゃったのですが、いっしょに釣行するのはその時以来でした。

 H氏は昔児島玲子女史にサインをもらう際、「(サインの横に)何か書きましょうか?」「『目指せアユふた桁』でお願いします」「……」という会話(?)をかわしたという人で、一説には釣りが下手すぎてS社にいられなくなったという噂の人です(見とらんと思ってむちゃくちゃ書いとるな)。

 でも、「サツキマスを釣りましょう」とかいってO氏を呼ぶくらいだから、H氏もその後15年で経験を積んで何匹もサツキマスを釣っているのだろうと思ったら、そもそもほとんど行ってもいなかったのでした。

 おいおい、そんなもんでよう大阪から人を呼んだなと思いつつ当日川に行ってみたら、結構すきすきです。すいてるのはいいのですが、だいたい揖斐川は釣れるとなったら5mおきに人がいるありさまで、入れんのが普通なんです。で、釣り場で会ったおっさんに聞いたら、網が入っていてもう釣れないから知ってる人は来ないんだとか……。

 それでもわらしは昔取った蟻塚で、バイト10g銀河アユで一発かけたものの、一瞬でバレました。その後はウグイのヒットすらなし(こうなってしまった川を見るのが嫌で行かんのだわ)。結局、O氏がニゴイをスレでかけたのみで1日が終わりました。予想はしとったが、トホホでした。

 話は全然変わって、写真のベストはパズデザインの浮力体入りトラウトベストです。最近足腰が弱ってきて川でこけそうになるので、買い替えの機会にこれにしました。ウェーダーを履いている川の釣りは、ブーツが浮く分危険なはずなので、本来要りますよね。

 この日、1日釣っていたら、2シーズン目のゴアウェーダーが大量に浸水しました。2シーズンいうても釣行回数が多いので、全体にへたっている感じで、先日(ゴアはゴアで修理するつもりだけど予備がてら)新しいのを買いました。先日魚野川の帰りに寄った庄川で、雨の中魚を撮っていたら一眼のレンズが死んで、修理にけっこうかかるとかで、いっそ軽いレンズを買いました。自動車税も払わなあきまへん。

 今年は15ツインパワーを買おうと思ってたけど、やめよかしらん。ストラディックにしよか。バイオより名前がカッコよくなったし(ていうかバイオの最大の弱点はネーミングだったような気がする)。

 2015年5月23日揖斐川水系のアマゴです。朝ご飯を食べてからのんびり行って釣りました。ルアーはアンリパ・フリット50F。何年か前に買ったきり、なんとなく使わなかったものを、ふと使ったら釣れました。基盤リップのせいかブリブリ泳ぎながらよう潜ります。おお、けっこうええやんと思ったのもつかの間、この30分後、根掛かりでなくしてしまいました。で、いまメーカーサイトを見たら、廃番やて。そういうもんなんやね。 (2015/5/25)

 ロッドは、ヤフオクでポチしたスーパーパルサーFWS-55UL/C。去年55L/Cを買ったものの硬すぎたので、結局またまた買ってしまいました。最初によう考ええよというところですが、廃番モノはもう出てこうへんように思って買ってまうわけです。

 しかし、これは、大当たりでした。実にいい。硬からず軟らかからず、飛距離もカーボンの56長さ同等に出ます。56長さのULグラスロッドでは、ミッチェル・リバティを持っていますが、リバティに比べて方向性がとてもいいのに驚きました。

 リバティは、どこへ飛ぶかわからんというと言いすぎですが、それに近い感じです。グラスで軟らかめのスローテーパーだと仕方ないのかなあと思っていましたが、FWSはけっこう思った所に飛びます。この差はどこからくるのかと比べてみると、どうもガイド構成ではないかと思えてきました。リバティ56ULはトップから7、7、10、16、25です。これに対し、FWS-55UL/Cはトップから7、7、8、12、20となっています。

 トップと第一ガイドは同じですが、FWSはそれより元側が小さくなっています。ニューガイドコンセプトやK・Rコンセプトは、穂先を軽くする考え方です。既製品のロッドでも、バット寄りのガイドはステンフレームでも、穂先ガイドをチタンフレームにするなど、穂先を優先して軽量化するのが普通に行われています。

 しかし、FWSとリバティを比べると、こと軟らかめでスローテーパーのロッドの場合、中間部からバットガイドのサイズの影響もばかにならないみたい。リバティは、大きめの中間〜バットガイドのために投げるときロッドがねじれているのではないかと思いますし、投げていてもそういう感じがします。そういえば、昔ダイワ・ハートランドのソリッドパワースリムのULスピニングのバットガイドにラインが絡むので、20から25にサイズアップしたら、ふらふらで投げられないロッドになってしまったこともありました。

 バットガイドの背が低くて小さいといえば、こないだ上州屋で購入寸前までいった(笑)新型マジカルトラウトもバットガイドにノーマルフレームかつ小型のKLSGが付いていました。今の流行ならK・Rコンセプトのハイフレームなのでしょうけれど、あのロッドもスロー気味でしたし、ロッドに合わせたガイドを選んでいるということなのでしょう。

 いまさらながら、さすがウエダの竿やなあと思いました。ガイドはハードロイ(アルミナ)ですが、リングがSiCより薄いので、おそらく重さは同等か軽いくらいでしょう。この釣行で使用2回目ですが。ラインが傷んだ形跡もありません。ハードロイは、アメリカでは高級ロッドの売り文句になるくらいなので、当然でしょう。それと、前から思っていますが、ルアーさえ飛び出してしまえば、昔のガイド構成のほうがニューガイドコンセプト以降の小口径多点ガイドより飛びますよね。このロッドも、するするとラインが出ていく感じがします。

 一個前に書いていた、水性ヘッドセメントでスイミングフックを巻いてみました。溶剤の心配がないと、ちょちょっと巻こうという気になるものですなあ。フックはチヌバリ5号。ヘラバリの大きめも使いましたが、やっぱスプーンの泳ぎを考えると、太軸で重いほうがいいかなと。でもまあ、モドシを削り落とすのがめんどくさいったらない。巻くより時間がかかります。 (2015/5/21)

 普通のシングルフックは、ジークラックのタングステンオモリを通すのがうまくいったのですが、スイミングフックは付けられんのね。これはこれで何か考えようとは思っておるのですが……。

 で、水性ヘッドセメントで心配なのが、強度です。で、巻き終わったあと、12号ナイロンを結んで、ばねばかりで引っ張ってみました。

 すると、7kgで12号ナイロンが切れました(おい)。古ーい糸だったのでナイロンが吸水劣化して腐っていたようです。それでも、7kg出とれば十分ですが、やっぱりテストは破壊するところまでやってみなければなりません。なにしろ、わらしはこの教えをおろそかにして、89ナビの修理品の山を築いた過去がありますからな。

 ただ、ラインが切れた衝撃でばねばかりが壊れそうだったので、もう一回12号ナイロンをしっかり結び、ばねばかりなしで、どこが破壊されるかだけ調べることにしました。

 すると、30lbダクロンがすっぽ抜けました。今まで、破壊したとき、ハリが伸びたことはあっても、すっぽ抜けた記憶はありません。で、カッターでスレッドを切ってみると、中はカラカラでした。瞬間接着剤はダクロンや下巻きスレッドまで浸透しますが、水性ヘッドセメントはほとんど染み込まないようです。

 この時すでに15本巻いていたのですが(1本テストしてから巻けよ)、全部カッターでカットして、巻き直しました。

 どのように巻き直したかというと、それまではアイ用のダクロンをそのまま巻いていましたが、端糸の側を2倍の長さにして、一回巻いたあとフトコロ側からチモト側に折り曲げて巻き、スレッドの中のダクロンを二重にしました。この巻き方での強度テストはしていませんが、一重でも7kg出たのだし、(S社品管的にはあかんけど)十分でしょう、たぶん。

 2015年5月19日庄川のイワナです。17日に走って18日一日魚野川をやってきました。いつもは6月か7月に行っていて、ヤマメやニジマスを釣っていましたが、5月ならイワナが釣れるのではないかと思ったのでした。ところが、平地にもユキいや雪が残っているありさまで、川は雪解け水で朝水温8度。昼頃12度くらいになって、こりゃ夕方期待できるかなと思ったら、雪解けが進んだのか今度は泥濁り。往復1000キロ走ってボウズを食らってきました。 (2015/5/18)

 もうちょっと調べてから行けよってところかね。でも、去年6月に行ったときも、いらんサクラマスが釣れちゃった以外、アタリひとつなかったし、年1回行くだけだからわかんないけど、だんだん釣れなくなってる気がするぞ。

 で、帰り、富山のサービスエリアで車中泊して、翌朝庄川で釣ったのが写真の魚。ここ数年魚野川その他で貧果で終わっても、帰りに庄川に寄るとなぜか尺クラスのイワナが出たりしたものですが、そのジンクスも通用せず、このサイズどまりでした。ほんま今年はついとらへんわ。

 庄川はなにやらあちこち工事ばっかしてました。なんで渓流シーズンにやるんやという気がしないでもありません。やっぱ漁券の高いアユの人優先なのかしら。で、その埋め合わせに放流したのか、ヤマメが4匹、イワナが2匹釣れたのですが、ヤマメはことごとくヒレがありませんでした。

 昔の常見忠さんの『ルアー野郎の秘密釣法』という本に、芦ノ湖の解禁日にしっぽが丸くなったニジマスばかり釣れてがっかりしたというアングラーの話と、そのアングラーが、ニジマスが路上に捨てられているのを目撃して嘆くところがあります。忠さんは、魚を路上に捨てるようなことは、アングラーの心の荒廃に原因があるとしつつも、安易な放流主義の漁協もどんなものかと書いていました。

 汚いからって魚のせいじゃないし、魚投げちゃいけませんけど、たしかに、この日ヒレなしヤマメばかり続けて釣れてきて、だんだん心が荒んでいくのがわかりました。なんか、そういうもんなんやね。写真のイワナも養殖の具合が良かっただけで放流魚なんでしょうけど、ヒレがちゃんと付いていて、ホッとしたものです。

 ヒレピンな魚を選んで放しても、どんどん持って帰られちゃうから、安いボロいの放すしかなくなるのかな。高速で行きやすなったからなあ。わかんないけど。

 そうそう、この日は、雨の中でヒレなしヤマメばかり釣れてげんなりしたので、せめて温泉でも入ってったれと道の駅の温泉に行ったのですが、受付のねえちゃんが予約の電話にかかりきりで10分くらい放置プレイされて、結局入らずに帰ってきちゃいました。私が何をしたっていうのよ。つくづく、とほほな2日間でした。

 今年は、少しフライも再開しよかなと思って、いろいろ巻いています。でも、老眼が進んで簡単に巻けるエルクへアカディスとか、へたくそなキャストでも見失わない派手なヤーンを付けたパラシュートとかがメインになるのが悲しいところ。写真はマドラーミノーを巻いているところ。ウエイトを巻き込んだやつを流れに送り込むと、大イワナが釣れ……てくるようなイメージがあるのですが、結局バス釣り用になっちまうような気がします。 (2015/5/14)

 ここ何年かフライをやったりやらなかったりしていたのは、へたくそで、川に行ってはキレて帰ってきていたというのもありますが、化学物質過敏症(?)でヘッドセメントを触りたくなかったというのも、間接的な理由になっていました。

 しかし、世の中探せばあるもので、ルーンという会社から水性のヘッドセメントが出ていました。これを発売元のアングルから取り寄せ、昨年からフライタイイングを再開しています。

 再開してまいったのは、20年くらい前に買ったマテリアルがことごとく虫に食われて粉(虫の糞)になっていたことです。で、必要最小限のものだけ、岐阜のプロショップに行って買ってきましたが、フライってお金かかるねえ。メッツハックルなんか目ん玉飛び出そうな値札シールが付いてますもんね。

 その、ルーンの水性ヘッドセメント、シンナー系よりは浸透や乾燥が遅い感じはしますが、実用上問題ありません。この前巻いたフライを使いましたが、壊れるようなこともありませんでした。最近は、ルアーのスイミングフックも瞬間接着剤のにおいが怖くて巻くのが億劫になっていましたが、しっかりスレッドを締めれば、これでいけると思うので、今度試してみましょう。

 ところで、写真のようなマドラーミノーやバスバグのディアヘアをフレアさせるとき、フライ用のスレッドでは切れてしまうことがあって、思いっきり締められません。で、岐阜のプロショップで教えてもらって、ロッドのガイドを巻くサテンフィニッシュを使っています。これだと、よほど強く引っ張らないと切れないので、余裕でヘッドが巻けます。サテンフィニッシュは、グデブロッドのナイロンスレッドより少し細いので、使えます。

 もっとも、これも20年くらい前に知ったことで、いまはもっといいスレッドがあるのかしら。

 2015年5月6日揖斐川水系のイワナです。この日は朝からフライを振ったのですが、水温10度のせいか腕のせいか何の反応もなし。日が上がってからルアーに替えたらアマゴとイワナ合わせて5匹という天文学的釣果(当社比)を上げてしまいました。よかったよかったといいたいが、なんかちょっと複雑。 (2015/5/8)

 ロッドは久々に今年使っている、ミッチェル・パーレット56です。なぜしばらく使っていなかったかというと、ある日金太が、じゃなくて、ある日何気なく印籠のソリッド部を見たら、継いだとき露出するあたりに、横に1.5mmくらいの長さで亀裂が入っていたからです。ルーペで拡大すると、一線、カーボンが砕けた筋が入っていました。で、なんとなく使うのが怖くなって、ずっと仕舞ってあったのでした。

 先日、直そうと思ってPFJに問い合わせたものの、古いロッドでパーツなし。で、マルエイ・チャンス工場なるところに相談しました。現物を送ったところ、印籠芯は抜けないことがあり、抜けない場合、バットガイドのところでカットして、そこからブランクをつないで再生するとのことでした。ブランクを切ってまでして直すのは大ごとなので、このまま様子を見てはどうかということでした。商売としてはやっちまった方がよさそうなものですが、なかなか良心的なところでした。

 亀裂が入ったところをよく見ると、その部分が剥離して長手方向の筋が走っていました。剥離した部分が曲がったとき圧縮されて、その部分のカーボンが砕けたようです。だから、おそらく剥離した部分より奥へ亀裂が成長していくことはなさそうですし、今年2回使ったあとも変化はありませんでした。適合ルアー7gまでの範囲で使う限り、ここから折れることはないでしょう。

 そういえば、ティムコのHPに、逆並継(フェラライトフェルール)はねじりながら着脱し、印籠(スピゴットフェルール)はねじらずに着脱する、と書いてありました。問い合わせて聞いたわけじゃありませんが、印籠芯はカーボンソリッドが使ってあることが多いからではないかと思います。普通チューブラーブランクは、つぶれ防止に横や斜めの繊維が入っていますが、ソリッドブランクは一方向の繊維だけなので、ねじると剥離したり裂けたりすることがあるのかもしれません。

 あらためて使うと、ティップがソフトでバットがハード。全体としてみるとけっこう硬めの竿になります。ナイロンメインの308/408に使うにはかえっていい感じ。

 そんなわけで、リバティに続いて、またまた温故知新なロッドが出てきてしまいました。なかなか新しい竿買わへんなあ。

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