Back number 91

 2018年7月12日敦賀のサバです。シーバスロッドで普通のメタルジグを投げていたものの、反応がないのと体がしんどいので、ライトゲームロッドで3〜5gのジグを投げたらサバがポツポツ釣れました。 (2018/7/16)

 今月売りの塩水誌でショアジギングの記事のためにアングラーの人の話を聞いているうちにやってみたくなり、なにが釣れるかわからないまま行ってきました。伊豆のサバの話を聞いたのですが、時期がいいのが掲載誌が発売される7月末ころ以降なのと、そもそも行ったのが日本海側なので、魚は小さかったです(ある意味当然)。

 ジグを投げている人はほかにもいましたが、釣れていませんでした。でも40cmくらいのシイラが泳いでいったりしたので、当たれば釣れるんでしょうね。

 ちょっとしか写っていませんがロッドは新調したブルーカレント72CUです。小さめのジグを投げるような釣りならトラウトロッドのバックリバー76MTを持っていて十分使えるのですが、釣りから帰ってロッドを洗うときコルクグリップが傷むのが気になるのでPE対応ガイドも含めて一本買っとくかと。

 ちょっと古い赤メタブランクのフィネッツァ76ULTも持っていてこれも十分使えるのですが、ああいう派手なロッドは飽きるんですね。バスロッドのフレイムも買うときはええなと思ったものの気がつくとあまり使わなかったものです。

 ブルーカレントはやれメバル用だアジ用だと言ってないのがいいなと。もっとも72CUのCはたぶんチヌのCなのでもろ言ってますが、まあよかろう。

 適合ルアーはフィネッツァ76ULTに近いですが、フィネッツァが硬いカーボンでバットに張りを与えているっぽいのに対し、ブルーカレントはバットに向かってぐっと太くなっていてテーパーでやっているような感じ。もっともロッドは塗装の下は作った人しかわからないのであくまで想像ですが。

 硬いの硬くないのと言えば、冬によく使っているレガシーブルーライン63.5も硬いので5〜7gのジグも十分投げられそうですが、一応適合ルアーが3.5gまでなっていてかつソリッドティップの繋ぎ目も怖いのでこういう釣りに常用するのもどうかなあと。

 ガイドはステンフレームSiC-Sで、SiC-S付きのロッドは初めて手にしました。ユーザーはブランク込みでしか手にできないので比較のしようがありませんが、なんかやっぱり軽い感じがします。

 そういえば、塩水誌の記事用にサバの写真をもらったもののええ写真がないのおと思っていたのですが、自分で釣ってみてわかりました。こいつらちっともじっとしておらんのですな。ビビビビビビビとバイブレーターみたいに暴れます。渓流魚やメバル・カサゴに比べて目に表情もないしなんか電気仕掛けの機械みたいです。

 ところで小説出したんですよ(中島らもか)。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』超々絶賛発売中です。第三話【ティーチャーX】は、大江川のバス少年として雑誌に登場した少年が、エコロジスト(?)教師のおかげでバス釣りは恥ずかしいことなのかと悩んでしまう話。タイトルは『ドクターX』由来などという安易なものではありま……す。

 傷だらけだったバンタム1000SGの右サイドカバー(本体A)を新品にしました。ネット時代は恐ろしいもので、eBayに新品のパーツがありました。 (2018/7/9)

 このバンタムはバックナンバー53の下からふたつ目にある1000SG&200SGバケツ事件で持ってきちゃったものです。あのようないきさつなので、中身は新品だったのですが、外観はリール同士の接触で傷だらけになっていました。

 左サイドカバーはABS樹脂にベロアクロムメッキのため(たぶん樹脂の弾力とメッキの硬度の合わせ技で)それほどでもなかったのですが、アルミアルマイトの右サイドカバーはボロボロでした。eBayで売っているのはけっこう前から知っていたのですが、現実にはそう使わないのでちゅうちょしていました。

 ところが最近バンタムMGLを買ったのが呼び水になって100や1000SGをまた使いたくなる病(そしてその分MGLを使わなくなる……)を発病し、サイドカバー交換に踏み切ったのでありました。

 いま「バンタム」を出すとしたらMGLみたいなのしかなかろうとは思いますが、あえて妄想してみるとリョービのスピードスプールBBみたいな設計のバンタム100があったら欲しいですね。リョービBBは単にシマノから製造の権利が移っただけではなくて、ワンピースダイキャストフレームで固定板(アブでいうところのクラッチプレート)を廃止して軽量化、左サイドカバーが外れて遠心ブレーキが触りやすく、フットもオフセットされていてブランクスルーロッド対応というものでした。

 1000SGもアルミダイキャストフレームで190g(192?)と100よりも20gくらい軽かったのですが、固定板のある設計は引き継いでいました。昔「固定板があるから軽量化できない」と聞いたことがあって、たぶんリョービの特許だったのだろうと思います。

 特許が切れたのかリョービ以外では、たしかダイワPT(BML対抗のPT-Zじゃなくて33SHとかの型のレベルワインダーが開くやつ?)あたりが最初にこの構造をやったような記憶があります(ん? ジウジアーロTDが先だったか?)。シマノはマグナムライト(SM含む)もまだ固定板があって、たしかブラックマグナムあたりから固定板なしになったはず。

 100があの構造になったら180gを切るくらいになるでしょうし、かつ足をオフセットさせて現在のロッドに適合したものがあったら、ギア比が昔のままでも欲しいくらいです。

 そういえば最近FBを見たらアベイルが2500Cのオフセットフレームを出すとか出さないとか。やるなあ。

 ところで小説出したんですよ(中島らもか)。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』超絶賛発売中です。第二話【女悪役の最期】は、夢を絶たれた女がバスフィッシングを利用して男に復讐を企てる話。最初は琵琶湖が舞台で、リリース禁止条例違反を利用したつもりが実は違反じゃなくてみたいなのがトリック的に使ってあったのですが、寝たエコロジストを起こすような気がしたので架空の湖「咲月湖」を舞台にしてしまいました。おかげで関ケ原あたりが消滅して滋賀県との県境一帯が湖になってしまいました。『君の名は。』も真っ青です。オリジナルのストーリーがどういうものだったかを推理しながら読むのも一興かと。

 これは先月魚野川に行ったときのです。基本スピニングを使っていたのですが、1〜2時間ほどベイトも投げました。ところが昨年に引き続き、ルアーの着水後にラインが高切れするという大失態をやってしまいました。 (2018/7/2)

 キャストしたルアーが着水する直前にラインが音もなく切れる現象はいままで4回くらい経験しています。1回目は(ちょっと状況が違いますが)20年くらい前の琵琶湖で97メタニウムXTを使っていて、ザラが着水すると同時にバスがヒットして、ロッドをあおったら何の抵抗もなく手元近くのラインが切れました。

 2回目は犀川で、バンタム100(ノーマルスプール)でスプーンを投げていたら、半日後飛行中に音もなくラインが切れて、スプーンが飛んでいってしまいました。

 3回目は昨年の魚野川で、カルカッタ100で一日釣った夕方ごろ、着水直前にラインが手元でふっと切れました。

 去年だったかおととしだったか雑誌の取材で、こういう現象はスプールからラインがピョンと出た状態(スピニングでいうところのピョン吉)で投げて、ラインがフレームにバババババッと当たって摩耗でラインが切れるせいだと、サンライン社の人に聞きました。

 ただ、私はルアーが手元に落ちるようなバックラッシュのときにラインが衝撃を受けるほうが影響が大きそうに思っていたので、いまいちピンときていませんでした。

 もちろん、ラインにいいわけはないので注意はしていたのですが、川の場合ピョン吉を直しているとルアーが流されたり根掛かりしたりするので、ついピョン吉が出たまま投げてしまうことがあります。この日がそうで、巻き始めてスプールを見たらラインが飛び出していたのですが、すでに数回転ハンドルを回していたので、一投くらいいいかとそのまま次のキャストをしてしまいました。

 キャストすると、バババババッと結構な音がして、「ちょっとヤバかったかなあ」と思いつつ着水後リールを巻こうとしたら、リールからバットガイドのあいだのラインがありません。「なにぃ!?」と思う間もなくバットガイドの先にあったライン端がスーッと抜けて、投げた分のラインが全部川に流れていってしまいました。最悪です。

 私はどっちかというと「ピョン吉バババ」より「バックラッシュグシャ」のほうがヤバいと思っていたのですが、あらためて考えてみると、「バックラッシュグシャ」でラインが弱るなら、もっと手元で頻繁に切れるはずです。キャスト終盤でもバックラッシュすることはありますが、スプールが減速してきているため、「グシャ」っとなっても衝撃は小さいものです。

 計算してみると「ピョン吉バババ」もバカにならなくて、巻き径30mmで30m投げたとすると、投げ始めから着水までスプールは約320回転します。スプール1回転あたりピョン吉部が3回叩かれるとすると、ワンキャストでほぼ1000回バババババババと叩かれることになります。これはちびしい。

 最近のリールはコンパクトにするため、フレームとスプールが近いですし、フットが前後に分かれていてそのあいだのリールシート座面も滑り止め状のものがあります(例えば写真のフェンウィックはクロス状のすべり止めが入っている)ため、かなりラインには過酷です。特にこの日は、ラインがナイロン2.5号(ラパラ12lb)とベイトとしては細めで、かつ使用ルアーがスプーン中心でスプール回転速度が速かったのも条件を悪くしていたはず。

 ググってみても「ピョン吉バババ」に着目している人はあまりいないみたいですが、キャスト後ピョン吉を見つけたら、ルアーが沈んで根掛かりしてもいいから直してから投げるのが賢明のようです。

 なお、上に挙げたライン切れしたリールがシマノばかりなのは、ベイトに関しては私の使用リールがほぼシマノばかりだからです。どんなリールでも起きうることなので、ご注意。

 ところで小説出したんですよ(中島らもか)。

 小説第三弾『フィッシングライター陽子』絶賛発売中です。元「準」アングラーズアイドルのフィッシングライター小久保陽子(おくぼ・ようこ)が主人公の連作短編です。第一話【伝説の釣り師】は、サツキマス釣りの取材なのに、サツキマスとは程遠い場所へ連れていかれてしまう話。同時に物語の最後につながってくる話でもあります。

 2018年6月24日揖斐川水系のアマゴです。最初アユの人が来る前に本流に入ろうと4時起きで川に行ったのですが、5時前から対岸にアユの人が下りていくのが見えて断念。支流に行ってなんとかアマゴさんを釣りました。 (2018/6/18)

 アユみてゃあなもんいちんち釣っとるんやでもっとゆっくり来りゃあええがやあ……と言ったら叱られるのでしょうか。

 あらためて上の文章を読んでみて、4時に起きて走っていって5時前にアマゴがいるところに着けるというのはありがたい所に住んどるもんですなあ。いっぽうで海は遠いので差し引き同じようなものなのですかねえ。

 15TPも16ストラディックCI4+もあるのに11TPを持ち出しておりますが、深い意味はなくてひさびさにPEを使おうと思ったらこれにしか巻いてなかったからです。よくよく考えたらこのPEはこのリールに最初に巻いたもので、バックナンバー63にある2014年の大イワナを釣ったのもこのライン。

 ラピノヴァの0.6号で、この二日前の釣行でも使っていて、FGノットで接続した1.2号(5lb相当のはず)のフロロリーダーが根掛かり時スナップ側で切れたので、強度は十分維持している模様です。表示強度はもっと上ですが、同号数ナイロンの2.5倍(サンラインカタログにある目安)と考えれば1.5号程度のはずだし、渓流でこれ以上太いリーダーを付けても抵抗が大きくなるので実用上十分でしょう。

 釣行前にはライン用コーティング剤を吹き、1〜2回の釣行後に1〜2ヒロくらい先端をカットしていますが、たしかにPEは超寿命です。

 ハンドル回転からの計算で75m巻いていて、糸が新品のうちはほぼ適量になります。その後コーティングというか塗料が摩耗してかさが減ってくるとちょっと少なめになりますが、むしろトラブらなくて安心。この日うっかり2回くらいスプールリングにラインが掛かってしまったものの、次のキャストでトラブルになることはありませんでした。

 ロッドのランカーギア56ULは元のガイド数(トップ込みで6個)のままK・Rコンセプト(?)化したものですが、ライン絡み皆無です。

 ところで小説出したんですよ(昔中島らもが『人体模型の夜』を出したころ、テレビのバラエティー番組に出て、唐突に「ところで小説出したんですよ」と言うものの何度もスルーされるというのがありました)。

 そんなわけで『フィッシングライター陽子』絶賛発売中です。まあ、同じ釣り小説でも『影裏』よりは面白いから、読んでみておくんなせえ。

 2018年6月14日庄川のイワナです。ここのところ毎年恒例の魚野川詣でに行ったものの寒気が入って小ヤマメのバラシがあっただけ。これまた毎年恒例で帰りに庄川へ寄ったら尺近いイワナ。要らん時間とガソリン使って遠くへなぞ行くなということか!? (2018/6/18)

 関東の沖を台風が通ったおかげで大陸の冷たい空気が流れ込み、最高気温19度です。19度はトラウトを釣るのに寒すぎるわけではありませんが、前日から5度だったか6度だったか低下したのではいけません。朝本流としては反則かもと思いつつ写真のDコンを使ったらヤマメが掛かったもののすぐにバレ、その後延々アタリひとつなし。

 もうやんなっちゃってたんで翌日の庄川もいつも行く椿原BWじゃなくて車横付けポイントへ。そしたらまあまあのヤマメとこのイワナが出てくれました。

 魚野川は昔常見忠氏の所を初めて訪問したときに破間川合流点など数か所を案内してもらい、そのときも破間川合流点で初ヤマメ(岐阜はアマゴ域なので実はこのときが初めてだった)を釣ったものです。その翌年だったか翌翌年だったかにも尺近いヤマメと尾っぽにフライの付いた40近いニジマスを釣りました。

 しかし、その後水害で破間川合流点は埋まってしまい、他の所も(どこの川もそうですが)砂利っぽくなって石の川原がなくなり、魚が釣れなくなりました。岐阜ではこういう広い川の中流域でトラウトが釣れるところがない(あえて言えばサツキがそうだがヤマメやイワナ、ニジマスみたいに釣れるわけではないし本当はあの魚は見たくもない)ので結構好きなのですが、残念です。

 サツキなど見たくもないのは、絶賛発売中の『フィッシングライター陽子』に出てくるキャラクターにもいたりします。ぜひどうぞ。

 アマゾンKDP電子書籍第20弾『フィッシングライター陽子』新発売いたしました。表紙写真のために、主人公の名刺を失敗含めて30枚も作ってしまいました。 (2018/6/8)

 主人公は小久保陽子(おくぼ・ようこ)。まずお断りいたしますが、実在の釣りガール小久保領子氏とは全く関係ありません。ほぼ書き上げた時点で「ん? そういえば似た名前の人がいたような」とググって「おおお!」となりました。変えようかと思いましたが、どうせKDPの小説は死ぬほど売れないし、もうほとんど書き終わっていたのでそのままにしました。

 苗字は冒頭に出てくる「オオクボ」「オクボ」のしょうもないやり取りから来ています。大久保でもよかったのですが、オクボのほうが響きがかわいいかなと。

 下の名前は同じくショートカットでボーイッシュなイメージで、荻野目&長山洋子の洋子由来です。今の若いもんは知らんやろうが、長山洋子は昔アイドルだったんだぞ。わしはふたりともLP持っとったんや。

 長良川や揖斐川、大江川、忠類川など実在の釣り場とともに、咲月湖という架空の釣り場が出てきます。咲月湖は最初琵琶湖で書いたのですが、クリティカルな問題を含んでしまうので変更しました。『君の名は。』も岐阜県にはない湖を出していた(岐阜の湖はダム湖ばかりであのような自然湖はない)ので、まあよかろう。琵琶湖で書いていたらどうなるかは読んでご想像ください。

 独立して読める連作短編なので読みやすいと思います。よろしくお願いいたしまする。

 2018年6月3日、朝霞埠頭でチヌを狙ってワームを引き、昼は揖斐川汽水域でシーバスルアーを投げ、夕方大江川でバスを釣るトリプルヘッダー。結果は揖斐川でシーバスがヒットするもエラ洗い一発でルアーを飛ばされてオシマイ。三兎を追って一兎をも得ず……。 (2018/6/4)

 この日は新兵器「レスキューテポドン」なる物騒な名前の根掛かり回収機(中央の銀色のやつ)を持っていきました。昔シマノも当時の仮想敵国ソ連の戦闘機MIGをリールの名前にしていたものです。まさか戦闘機の名前ではあるまいと思っていたら、当時の人達が「あれは北海道にソ連兵が亡命してきたニュースを見て付けたんやったな」と話していて、おおおと思ったものです。

 もともとはミッチェルの下敷きになっている、ダイワ・ルアーキャッチャーを買ってきたのですが、店にあったのがヘビータイプで重かったのとトリプルフック付きのプラグしか取れないことなどなどで、糸巻きとラインはダイワのを使って、根掛かり回収機の部分を「テポドン」にしました。アマゾンレビューなどを見るとレスキューテポドンに付いている糸は弱いらしい(実際細い)ので、糸がごついダイワと組み合わせるのはかなりベストっぽいです。

 本格的に使ったのはこの日が初めてで、揖斐川ではコアマンIP-13をフックを曲げて救出、大江川では写真のとおりスコーピオンジャークミノーJM110NSPをディープクランク2個とビッグベイト1個もろとも回収しました。さらに、フック状になった腕がスナップやスプリットリングに掛かるため、バイト7.5gも回収できました。

 ダイワと合わせると4000円くらいになっちゃいましたが、ジャークミノーは廃版だしすでに元を取ったと言っていい気分です。遠投での根掛かりは難しそうですが、特に大江川みたいに手前がポイントでかつ引っかかる所では有効でしょう。

 去年までは磯ダモ持って歩いていましたが、こっちのほうがいいです(ちなみにネットも最近超小継ぎのに替えました)。まだ使用1日ですが、なかなかいいかもです。

 関係ないけど『マイナーリールの紳士録3』絶賛(?)発売中です。

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