90'sスピニング

スピニングの新機構はほとんどダイワから出ています。えらい。でもちょっとモデルライフが短いようで…

TD-S2500iT
 96年発表のツイストバスターつきスピニング。
 「糸ヨレ解消かあ。すごいなあ」と思わず買ったものの、シーズンインの前にシマノの糸ヨレ対策機構のついたリールを買ってしまい、結局未使用のまま。だって色が気持ち悪いんだもん。
 前も書きましたが、やっぱり新しい試みを打ち出すのはダイワが多いです。立派です。でもそれが商品の魅力につながっていないのが残念なところ。
 糸ヨレ対策も瞬間ストッパーもダイワが先なんだから使ってあげたいけど、同時期のシマノと並べてしまうと…。
 「技術の日産」やなあ。
エンブレムZ2000iA
 98年(97年?)発表の逆テーパー大口径スプールのABSスピニング。大口径スプールに低めのギア比を組み合わせるのは、LEWのゴールドスピンとおなじ発想。
 なるほど対バックラッシュ性はぴかいちで、ミノーのトウィッチングも安心。スプール往復も適度に遅くなり回転良好。ローター軽量化で回し始めが軽いのもグー。
 でもこのシリーズはちょっと重い。だから2000にしておきました。それでも自重275gでやっぱり重い。トーナメントZなら軽いぞっていう人がいそうですが、トーナメントにしろステラにしろあのクラスは、日本のごく一部でしか通用しない特殊なモデル。リール本来の姿じゃありません(否定はしませんけどね)。
 足をスプールに近づけ、フェザリングしやすいといっていますが、実際にはベールワイヤにじゃまされてラインコントロールできないことのほうが多いリールです。この点はいまいち。
TD-S2506C
 ABSシリーズは99年秋にエアベール搭載モデルにマイナーチェンジしました。同時にルアー用のTDシリーズは樹脂スプールで軽量化。ちょっとキャパシティーに不満はありますが、これなら納得の250gです。
 最近けっこう気に入っています。上の2000番よりいいのはローターが大きいためか、キャスト時にローターが動きにくく、ベールがフェザリングを妨げないことです。あとこれでベール返しが軽かったら言うことないのですが、このへんはあいかわらず国産スピニングはだめです。
 エアベールはさすが、糸ガラミしません。なるほど納得(でもルーツはミッチェル300ですな)。
 ダイワデザインはいまいちなものが多いのですが、ABSスピニング(とくに2500サイズ)には機能美を感じます。リールは糸巻きなのですから、スプールを最大限にとってボディーを小さくおさめるのは非常に正攻法で正しいと思います。
思想の問題?
 でもこれはいけません。TD-Sの軽量樹脂スプールは深溝スプールと互換性がないのです。
 たとえばミッチェルは308や408、300などに深溝浅溝スプールを装備していました。写真のクォーツはキャパシティーの違うスプールを3個もつけています。
 TD-Sに限らず、日本のリールはスプールの深さがすこし違うだけのものを、番手を変えたり別機種にしたりします。
 このあたり、リールを買ったお客さんにいろいろな釣りを楽しんでもらおうと考えるか、機種を増やしてすこしでもリールをたくさん売ろうと考えるかの違いですな。
エンブレムX3000C
 こちらはノーマルなアルミダイキャストスプールモデル。99年のマイナーチェンジでTDはスプールを軽量化しましたが、こちらはベールが変わっただけ、スプールは重いままです。なんと3000Cの自重は405g。重すぎます。
 このときのマイナーチェンジで、なんとしてもスプールを軽量化するべきだったのではないかと思います。深溝の樹脂スプールは強度的に作れなかったのかと思っていましたが、2002年にはカルディアという軽量スプールのモデルも出ています。
 もっとモデルライフを長くして、しっかりしたモデルチェンジをした方がいいのでは…。

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