ベイトリール

スミマセンたったの2台です。カッコが……

TD1Hi
 88年発表のベイトリール。
 ワンピースアルミダイキャストフレームや瞬間ストッパーなどをはじめて採用しました。この点はいかにも「技術の日産」らしいところです。
ジウジアーロデザイン
 最大の特徴がこの“ジウジアーロデザイン”のボディー。本当はもっと角ばっていたけど、ダイワの希望で丸くしたとか……でも、このあと出てきたシルバーのTD-Xあたりに比べればずーっとカッコいい。
 ちょっと重いが、カッコいいからゆるしてあげましょう。 人間もリールもなにか一つ光るものがあればいいのです。
キミのせいやぞ……でもな
 私は立体デザインのスタードラグや、スタードラッグ内のクリックは、ハンドルを張り出させるだけだと思います。こういうギミックのために、一体感のあるリーリングを犠牲にするのは反対です。
 でも、このリールは批判されるべきではないかもしれません。どんなことでも最初にやった人は偉いからです。
 本当にいけないのは、こういうものを無批判にコピーしていった、他の日本メーカーです。
TD-X103HL
 “ネオグリッピングコンセプト”の左ハンドルベイトです。
 このリールは97年(カタログ掲載年)に登場した初代TD-Xに続く、2代目モデルTD-Z(2000年登場)の下のモデルにあたり、2001年発表です(ややこし)。
 こう書いただけでもモデルライフが短いですね。
 それはさておき、こういう常識を覆そうという製品は、私は好きです。えらい。
これじゃあ投げられません
 このリール、投げたままのグリップでリーリングに移れるのを売りにしています。
 でもそのためには中指と薬指の間にトリガーをはさむようにと取り説にあります。
 でも、これじゃあ手首が硬くなって、投げられません!
普通に握ると……
 で、取り説を無視して普通にトリガーに人さし指を掛けると、親指がスプールに届かない!
 広告でダイワのバスプロさんが、人さし指をロッドに添えるへんな投げ方をしていたので、嫌な予感はしていたのですが……
 釣り具って、まず普通に使えるようにするのが大前提では?
ここさえ変えれば
 でも上の写真のように握って強引に投げると(もちろん手首の柔軟さが死んでへたっぴキャストになりますが)、“振りバランス”はいいのに気づきます。ギアとハンドルの重量部が手首に近いからです。
 すなわち、左の写真の矢印部を低くして、人さし指をトリガーに掛けてもスプールに親指が届くようにさえすれば、このリールは普通のベイト以上に投げやすいリールになる可能性があるのです。
で、普通に巻くと
 ついでに巻くときも、普通のベイトのように小指と薬指の間にトリガーをはさむと、ハンドルが手元にあって、とても巻きやすくなります。
 それじゃあネオグリッピングコンセプトの意味がない? そんなことありません。普通の左ハンドルベイトより、振りバランスも、巻きやすさも向上するんです。
 「持ち替えずに巻く」なんて、こだわらなきゃいいのです。
 たとえばこの形の右ハンドルだって考えられます。
おいおい……
 それなのにこんなの出すかね。2002年発表の、鏡写しの左ハンドルです。
 これじゃ、敗北宣言です。
 このモデルの前に、親指のじゃまをしている部品(二つ上の写真の矢印)の金型だけ、起こしなおせばいい話じゃないですか。もったいない!

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