ノーマンDX

 懐かしいオジサンもいるかも。

ノーマンDX No.1
 先日G洋社のFクダさんからいただいてしまった、なつかしのダイワスピニング、ノーマンです。私が小学生のころ、ストロング釣り具(なつかし)のセットものの次に買ってもらったのが、これでした。
 そのときは気づきませんでしたが、すでにメイドインコリアです。

少年のあこがれ
 当時500円くらいでしたが、そのころの少年にはダイワマークがあこがれだったのですねえ。

ドラグ?
 そのあこがれのダイワマークのついたドラグノブを外すと…あらら、ドラグワッシャがない! 欠品かと思ってパーツリストを見ると、これが正常でした。つまり回り止めの小判穴ワッシャで直接スプールを止めているだけ。ノードラグなのです。

スプール
 大きな開放角を持ったスプールです。しかもこれ、スプールをいっぱいに後退させたところです。糸をきちんと巻くとかトラブルを防ぐとかより、飛びそうな見た目とマックス表示のラインキャパ重視。昔の日本製スピニングらしいところ。

ローターとベール
 なぜにマニアックなインスプールを? 当時は気づきませんでしたが、このローター、ダイキャストではなくアルミをプレスして作っています。コストダウンのためだったようです。

 ベールは1本ワイヤ。ベールワイヤそのものをスプリングとして利用しています。この機構、使っているうちに付け根が磨耗してベールが止まらなくなっちゃうんですが、アイデアそのものは面白いと思います。

 このベールをうまく応用したら(もちろん耐久性を持たせ、ローラー式ラインガイドをつけて)、画期的なものができそうな気がします。どこかやってみたら?

 
右専用か?
 オンセンター(軸直交型)の亜鉛フェースギアです。ピニオンも亜鉛、軸受けはアルミ本体に直接あけた穴。つまりノーブッシュ。平和主義ですなあ。

 不思議なのはボディデザインが上下非対称なこと。ミッチェル300、エアロキャスト7000EX、オリムピック93など、ハンドルが左右取替えできないモデルは、左右モデルの共通部品を増やすために上下対象デザインが普通です。ノーマンは日本市場の右巻き専用設計だったようです。

 太っとい糸を巻いて重いオモリをどぼん。魚が掛かったらドラグなんか使わず右手でゴリ巻き。当時の日本の釣り文化(いまも似たようなものか)を象徴するようなスピニングです。

 でも、まだリールそのものが特殊な存在だった当時の釣り少年には、あこがれだったのです。

(2004/5/19)
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