けっこうエライ
 何やかや言ってもトップメーカーです。

目的のある軽量化
 
フランジの中まで肉抜きしたチヌリールのスプール、コルク製のハンドルノブ、マジカル(笑)ローター。これらの軽量パーツはいずれも可動部品です。素直に回って、ぴたっと止まる。
 店頭でハンドルを「ぶんっ」と回して、回転を見る人がいます。ローターなど可動部品が重いと、ハンドルがいつまでも回りつづけ、一見回転が良く感じます。でも、これは慣性で回っているだけです。こういうのを「店頭性能」といいます。
 店頭性能より実釣性能です。
さて、問題です
 この中で、ダイワがはじめて導入したものは?
 A ベアリング入りドラグ、B 硬質スプールリング、C ロングスプール完全平行巻、D ベアリング入り大型ローラー、E 糸ヨレ対策ローラー、F 回転バランス、G 瞬間ストッパー
 いまのスピニングの三種の神器みたいなものばかりです。Fの回転バランスこそシマノのSBLが先でしたが、それ以外はすべてダイワが先。うーむ。
しっかり受けてます
 巷では、ライントラブル防止など“糸巻き性能”はダイワ、回転の軽さなど“機械性能”はシマノのイメージみたいです。
 でも、こうしてみるとダイワABSは、ピニオンの前を2つのベアリングで受けています。ほかのメーカーのようにピニオン前後を受けると、小型モデルは後ろにベアリングが入りません。
 しかも、この方式、ローターが大きいABSのデザインとうまくマッチしています。
 実際グリスをシマノのものに替えてしまうと、ABSの回転はけっして負けていないのです。
“オイルインジェクション”
 上のピニオン支持もそうですが、宣伝下手ですな。
 シマノの2002年以降のスピニングには、オイルインジェクションといって、フタを取らずにギアに注油できる穴がついています。
 でも、トーナメントは、10年以上前のSSの時代からお尻のキャップをはずせば、ギアに注油できました。おんなじことです。
意外に革新的
 上のABSとともに、けっこう大胆な発想のものを製品化しています。80年代はシマノの方がそういうイメージでしたが、90年代はダイワの方が革新イメージに思えます。
 普通シェアが大きくなると(いまのシマノみたいに)思いっきりが悪くなるものですが、なかなかのもの。
安全設計
 ウォームシャフト(クロスギア)にスプールから飛散した水が入らない設計。
 あたりまえか……
あたりまえじゃないのね
 2回目になるので、なにもいいません。
隠れたロングセラー
 先日リールのメンテに関する雑誌の連載の関係で、ダイワに電話したときのこと。“昔のリールのラチェットタイプのストッパーの爪の支点に注すのはオイルかグリスか”という質問に、“まめにばらして手入れしてくれる人なら、チューブ入りのオイル(ごく軟らかいグリスだそうです)の方が、スプレーのように飛び散らないからいいですよ”と言われました。
 900円のスプレーオイルやスプレーグリスも出しているのに、80円のチューブ入りオイルをすすめたんじゃあ、売り上げ落ちるぞ、と思いましたが、良心的ですね。
 それに“まめにばらしてくれる人なら”というあたり、けっこうエンスーかもと思ってしまいました。
 あらためて考えてみると、20年以上前から純正オイルを安価で供給しているのは、エライのではないでしょうか。
 (2002/9/6)

 でも、なぜか最近シマノに押され気味みたい。なぜなんでしょ?
 ダイワのミッチェル化が進行中? (2002/8/30)

 こっそり追記。ちょっと前、某メーカーの人に聞いたのですが、ダイワがフリームス系のリールを出して以来、この分野で押されているのはシマノの方だそうです。なんたること・・・。 (2004/9/8)


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