私の夢
すごいタイトルですが、たわけの妄想です。
真夏の夜の夢もしくは妄想 300シリーズが生産を終えてから6年。いまだ私はこのシリーズ、特に308を再び作るべきだと考えております。いま308を作るならどこをどうするのか・・・という狂人の妄想のようなページです。 |
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スプール スプールは当然ながら旧モデルと互換性をもたせます。シリーズ全体で2500万台売ったというリールなのですから、喜んでくれるユーザーは多いはず。 材質はガラスかカーボンを入れたナイロンかな。70年代の焼き付け塗装のアルミも悪くないけど、塗装のスプールは見た目がね・・・。 放出抵抗を考えると硬質クロームメッキしたステンのスプールリングでもつけたいですが、デザイン的に違和感がありそうです。できるだけ抵抗の少ない形状と表面を追及して樹脂のままにしましょうか。 70年代の樹脂製シャロースプール(1号100m)はいまの日本にマッチしそう。これもラインナップしたいですね。ただ、日本の釣り人はアルミのブラックアルマイトのほうが喜びそうです。 海外向けはガラス入りナイロン深溝を2個。日本向けはガラス入りナイロン深溝にブラックアルマイトシャローを1個か・・・カーディナル3Xみたいになっちゃうな。 |
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ドラグ 基本構造は昔のままで、フリクションワッシャーはフェルトに変更。ドラグ力アップのために、少し有効径を大きくしたほうがいいかもしれません。 なにい? ノブにクリックが付いてないと嫌だって? ステラでも使ってろ!(不適切な発言をお詫びします) |
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ローター これは設計しなおしですね。旧300シリーズは同じ金型で左右を作ったためバランスをいわば無視していましたが、現代ではそうはいかなないでしょう。大森やカーディナル33、44などのように支点をオフセットさせます。 |
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ベール返し機構はベールアーム反対側に持っていきます。写真は大森コメットです。 |
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熊の手釣り師に壊されないように、ベールを無理に閉じられても壊れない機構をこちら側に仕込みましょう(アイデアはあるけど秘密だよん)。 |
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そんなことをしたらローターが重くなる? だいじょうぶでしょう。いま、こんなバカでかい鉛のバランサーが付いてるんですから、よほどヘタな設計をしない限りこれよりは軽くなります。 |
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ベールアーム ローター軽量化といえば、亜鉛ダイキャストのベールアーム(=アームカム、ベールヒンジ)は、樹脂化します。亜鉛の比重は約7.1です。樹脂はガラス入りでも2前後だったはず。盲目的に金属をありがたがる人がいますけど、ここは絶対樹脂です。 別のページで書いているように、この型はローラーカラーに糸が掛かったりベール固定ナットに糸が絡んだりしますので、もちろん改良します。 |
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ベールアームの樹脂化といえば、33や44、大森コメットも樹脂です。 ベールを止めるナットの出っ張りは33のようにしましょう。写真からもこの部分の厚みがほぼ同じことがわかりますから、同じ設計ができないはずがありません。 当然のことながら専用レンチを付属させます。それと、このナットは使う前に取れたことがある(中国製)ので、ナットの裏に樹脂ベールアームに食い込む緩み止めの歯を切ります。 |
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ベールスプリング 80年代終わりに改悪されたスプリングは右の正常な巻き数に戻します。しっかりベール開閉試験を行い、●万回(シマノの規格・・・言えません)もつようにします。それにしてもこの変更をやった奴は死刑だな・・・。 もちろん、ベールワイヤなどスプリング以外の疲労破壊がないかも、徹底的に見ます。 |
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ラインローラー ラインローラーは糸ヨレしにくいものにしたいです。使った感じではこれが一番いいのですが、ロウ付け職人が必要で、ワイヤ変形に弱い、しかもローラーがじか受けで支持部の磨耗が心配なので、やっぱりパスです。 |
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私が好きなのはこのタイプなのですが、あらためて使ってみるとやっぱりヨレが多いです。 |
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これは、最終版中国製308のラインローラー。角度と形状(溝ではなくなだらかなアールになっている)がいじってあるのですが、意外にヨレないみたいです。 このへんも、中国工場か当時のフランス開発部門かは知りませんが、けっこうやる気があったのかなと思える部分です。おしいなあ。 とにかくヨレに関しては、いっぱいテストして一番いい形状を選びたいです。それと、規定回数ベールを開閉テストし、角度が変わってきたときのヨレも見ておきたいですね(お前なあ、在職中そんな姿勢はまったくなかったやろ、という声が大阪から聞こえてきそうだわ)。 |
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ステンワンピースベールは「らしさ」のためにも維持したいところです。ラインローラーには樹脂ブッシュを入れます。じか受けは絶対ダメです。 ベアリング入りビッグローラーが欲しい? ミクニ、インスプールの長所を述べてみろ・・・蓮杖那智かい(誰も知らねって)。 |
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ギアシステム ギアは408のスパイラルベベル・・・と言いたいところですが、コスト的に合わないでしょうし、復刻なんて芸がないので却下。われながらへそ曲がりやな・・・。 |
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これは最終版308の亜鉛フェースギア。まあ静かですが、かみ合わせに無理があるのか、ドライブギア軸を故意に遊ばせている(軸をわざと細くしている)のが不満です。 でも、これは煮詰める前に300シリーズが廃盤になった感じで、モジュール(歯の大きさを示す数値)とかをいじったらきっちり受けてもいけそうな気がします。もしそうならこれでもいいでしょう。 なお、このギアは10:49ですが、10:43とすれば、計算上、十分な滑らかさと耐久性がもたせられるはずです(「ミッチェル/フェースギア2」参照)。ギア比4.4の旧308でもけっこう使えますから、個人的にはこれでもいいかなと思いますが、ギア比4.3じゃスペック的に売れないだろうな・・・。 |
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本命はこれ。70年代のリョービ・ダイナファイトに入っていた、なぜかドライブギア外径が308とまったく同じオンセンター(軸直交型)のスパイラルフェースギアです。 このギアは9:47ですが、9:46か9:44に落としてもいいと思います。たぶんそのほうが滑らかさと耐久性で有利でしょう。なお9:45(シマノさんの大好きな整数比)はありえません。ハンドル1回転でスプール1往復としたとき“三段腹巻き”になりますし、そもそも歯を総当りさせるのが理想のギアの設計で一番好ましくない歯数です。 ただ、このギアも未知なんですね。本格的にリールに採用される前にハイポイドタイプ(現在の方式)に変わっちゃったから、実際に採用されたリールがあまりないのです。このダイナファイトはというと、ドラグがひどすぎて実釣に使えないので、よくわからないのです。代わりに証言を二つほど。 証言その1:「オリムピック93の最終期の普及モデルに採用されたこのタイプのギアはすぐにゴロゴロになった」 証言その2:「米国向け大型ソルトリールに採用した。シルキースムーズではないものの不快感のないゴロで、生産性がよかった。ギアの修理は1件もなく、コンスタントに注文が来た」 前者はシマノの投げ釣りマニア、後者は日吉産業のリール設計者です。さて・・・。 |
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オシュレーションシステム 右がハンドル1回転1往復のCW(クロスワインド)、左はプラナマティックです。 最近私は、トラブルがなくて安心なのでCWのほうを好んで使っていました。しかし、先日同じ太さのラインを巻いたプラナマティックを久しぶりに使ったら、ルアーがことごとく対岸に突っ込んでしまいました。 それくらい放出性に差があったということです。やっぱりどちらも捨てがたい・・・。 |
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なら、やっぱこれでしょう。プラナマティック(81309と81310)とCWコンバータ(81331)の両方を付属させます。密巻き(的特性)と綾巻きを釣り人が選べる。ステラにもイグジストにもできないことです。 ただ、海外向けには低コストなCW(コンバータではなくギア一体で)一本でしょうか。 |
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スプール軸とオシュレーションスライダーを止めるリテイナー(81307)は写真の一体型に戻します。80年代中ごろ、この部品は2本のピンに分けられてしまいました。 スプール軸方向ガタはライントラブルに影響しますから、これは重要部品です。 |
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ストッパー ストッパーは昔のまま。シンプル軽量これでよし・・・と、言いたいところですが、たまに中古リールで歯が欠けたのがあります。衝撃を吸収する機構を入れたいところ。でも、スペース的に無理かなあ。 歯の部分をプレスで作って大径化して歯数を増やし、遊びを減らすことで衝撃を減らすのは有効かもしれませんね。ドライブギアを亜鉛にしたとき、軸部との勘合部に不安があるからその部分(亜鉛のほう)を六角にして伸ばし、そこにプレスの歯をはめるのは、二重の意味で有効でしょう。 軸と一体で歯を削り出すコストも減らせるでしょう。いい忘れましたが、どんなギアを使うにしろ、軸部は鋼製です。 |
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ストッパーレバーは無論ここ。ハンドルから手を放さずに切り替えできます。 なにぃ? ストッパーなんか切り替えない? 瞬間ストッパー入れろぉ? はいはい、坊やはステラでも使っててね(再び不適切な発言をお詫びします)。 |
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ハンドル ハンドルは80年代以降の53mmから、70年代までの48mmに戻します(回転半径)。80年代に長くなったのは、300と共通だったからでしょう。 現在のアボセット500と1000が50mm、2000(2000としては大ぶり)が53mmであることを考えても308に53mmは長すぎます。現在の国産2000〜2500も50mm、ダイワのSCプレッソで45mmですから45〜50mmが妥当でしょう。 |
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ノブはもちろんこれ。できればポリアセタールのブッシュを入れたいところ。ただ、クランク長さを適正にすれば、80年代以降の平型もけっこういいものなので、あれでもいいでしょう。ただし、中国製時代のは少し厚いのでフランス時代の薄いやつです。 もちろんネジ止め式にして交換可能に。台湾、中国のものでハンドルノブ固定軸が緩んでいたことがありましたから、緩み止め剤を塗りましょう。ただし、アイディールみたいに緩めたときネジが折れるようなとんでもねえ緩み止め剤は使いません。 |
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細かい点ですが、ハンドルノブ固定軸のネジの入る球部は、初期(左)の10mmではなく、後期(右)の8mmとします。たったこれだけのことですが、回したときの慣性が違います。ノブ周辺の軽量化がいかに重要かということです。 |
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ピニオンベアリング フェースギアならシングルスラストプラス事実上のブッシュの最終版のでいいでしょう。ダブルスラストは凝っている割に音が出やすいからだめ。 |
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ダブルスラストを採用するくらいなら、規格品のベアリングを2個入れたほうがいいでしょう。と、いうより、いまは安く既製品のベアリングが手に入るのですから、これが一番合理的です。 ピニオンの軸に2連結で入れてもいいんじゃないでしょうか。金属プレスのエアクラッチの連結部品(名前は忘れた)に、ベアリングをこういうふうに使ったものがありましたから、別におかしな使い方ではありません。 なにぃ? 軸受け全部にベアリング入れろぉ? 一生ステラ使ってろ!(再三の不適切な発言をお詫びします) |
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どんなベアリングを使うにせよ、ローターにピニオンとベアリングをつけたままボディーから外せるような構造にしておきます。そうしないと、ドライブギアのワッシャー調整に手間がかかりすぎて製造ラインで組めないからです。 なお、ピニオンをローターにねじ込む旧方式は、ユーザー分解でトラブルを起こすので、現在のリールのような二面カット・小判穴とします。もしかすると、ギア部より軸部のほうが太い形状になるかもしれません。 |
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300 問題はこのヒト。シリーズの親分とはいえ、さすがに8枚ギアはダメでしょう。308と同じ構造にして再設計です。308とサイズが開きすぎているし、一回り小さくするか・・・。 スプールの互換性はなくなりますが、どの道ローター回転方向が逆なので、互換性をつけちゃうとかえって問題になるでしょう。80年代にアブが逆回転ローターモデルを展開したとき、それをやって大クレームを食らったそうです。 |
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デザイン まず、名前を絶対に消えないものにしたいですね。70年代のように直接彫りましょうか。でも、そうすると一筆書きの旧ロゴになってしまいます。 |
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バンタム100はプレスで名前を入れているように見えます。でも、スピニングはダイキャストの上に塗装が乗ってるから、同じことは無理か・・・。 どっちにしても、少々コストがかかっても消えないものにします。名前なんだもん。 その代わり、80年代以降のものに追加された、ドラグノブ、ローター、サイドカバーのプリントはすべて廃止します。見苦しいし、どっちみち消えちゃうんだから。 |
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ハンドルの折りたたみネジは、アルミのほうがカッコいいですね。80年代以降の樹脂も実用品ぽっくていいかという気もしますが、各部のプリントをなくして地味にした分、ここ(とストッパーレバー)くらいは光らせておきましょうか。 |
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ドラグノブの形はこっち。4枚羽根よりモダンでしょう。プッシュボタンは写真の形状。70年代のとがったのはデザイン的に合わないし、80年代の角ばったのは糸が巻きます。 ただし、真鍮むき出しはいかにもしょぼいので、クロムメッキで光らせましょう。 |
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もし「丸」がなかったら なぜインスプール300が必要なのか? もしもアブが「丸」を捨てていたらどうだったかということです。もしアブの「丸」が80年代以降の300シリーズのように、欠陥だらけのリールだったら、いまアブはブランドすらなかったかもしれません。 このモデルだけで採算は合わないかもしれないけれど、シンボルが存在することで、そのブランドの普通のモデルも売れるわけです。 |
もしかすると、意外にせこいじゃんかという人がいるかもしれません。もっとお金をかけて、たとえばローターもボディも削り出しで・・・なんてヴァンスタールみたいなのはやりませんよ。 道具というのは、実用的だからカッコいいし、美しいのです。ましてミッチェル300シリーズは、スピニングを世界中に普及させたモデルです。これの高級品なんてありえないのです。 408や508の完全復刻をやったら、そこそこは売れるかもしれません。でも、日本の一握りのマニアに売れるだけなんて、面白くありません。それに、現実問題408はヤフオクで2万円くらいで新品が手に入ります。完全復刻しても売れません。欲しがりそうな人は70年代モノこそが「本物」だっていう人たちだろうし・・・。 |
どうせやるなら、世界中で売りましょうよ。50年、2500万台売ったリールなんですよ。売れます。
80年代以降あれだけめちゃくちゃな改悪(折れるベールスプリング、糸がフトコロにかかるベール、異常な後巻きと同じくライントラブルにつながるオシュレーションスライダーリテイナーのコストダウン、すぐにゴロつく有効歯幅0.9mmのマシンカットフェースギア、糸が巻きつくスプールボタン、台湾製時代のひどい製造品質・・・)をされても、300シリーズはそれ以降2000年まで生きていたんです。ちゃんとしたものを作って、売れないわけがありません。
そして、買ってくれた人のうちの1割でも2割でも、シンプルでプリミティブな道具で魚と渡り合うのが楽しいんだ、日本製高級品やそれになりたいだけのリールとは別のあり方だってあるんだということを再確認してくれたら、こんな痛快なことはないではありませんか。
それに、これがあってこそ、ミッチェルのブランドイメージも再び確立し、300Xeなんかも売れるわけです。
なんやったら、ワシが図面を引っ張ってもええで。ドラフターしか使えんけどね・・・。(2006/7/25)
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