フェースギア3

 思わぬところから出てきたミッチェル308と同サイズのギア。ダイナファイト1000のギアを測定してみました。

ダイナファイトのギア
 ダイナファイトはドラグをメインギアに入れるため、オンセンター(軸直交型)のスパイラルフェースギアを採用していました。なんとこのギアの外径、ミッチェル308とまったく同じでした。
ピニオンギア
 当然歯がねじってあります。ねじれ角は35度のようです。
 外径は7.3mmです。
メインギア
 メインギア外径は33.4mm、内径は28.4mmです。歯幅は2.5mm、歯数47です。

計算
 で、計算ですが・・・困ってしまいました。おつむのメモリが足らず、計算できません。
 なわけで、脳味噌の構造が違う方々のサイトを利用させていただきました。東京電機大学工学部一部機械工学科機械情報システム研究室にあった「転位はすば歯車の計算」ソフトを使いました(勝手に使っていいのか?)。

 それによるとこのギアは・・・

歯数 z1 = 9
モジュール m = 0.55 [mm]
転位係数 x1 = 0.3
基準圧力角 αn = 20
ねじれ角 β = 35

のようです。

 このとき、メインギアPCD31.557mmとなります。
 PCDが内径より大きいです。前書いた「フェースギアはPCDより外側しか歯として使えない」というのと矛盾するようです。このへんは、ねじれ角や転位係数が微妙に違うのか、歯切りしたダイヤカットでない場合は必ずしも当てはまらないのかのどちらかだと思います。

当たり面
 PCDが内径と一致しているのかどうかはわかりませんが、いずれにせよこのギア、しっかり2.5mmの歯幅いっぱいに当たり面があります。

 308のダイヤカットの0.9mmしか有効な歯幅がないのに比べれば、耐久性も耐衝撃性も高いのではないかと思います。

 使用した感じは、多少ゴロはあるものの、摩擦を感じさせない軽快なものです。シルキースムーズではないものの効率がいいミッチェルのキャラクターに合っています。

 

 ルーのスピードスピンを作っていた日吉産業ではこの種のギアをアメリカ向け大型スピニングに採用したことがあったそうです。やはり同じような特性を持ち、耐久性は抜群だったといいます。

 いまからでもいいから、308をこの設計のギアでもう一度作ってほしい・・・。 (2004/3/11)

MITCHELL spinning reels