取説もエライ

 ミッチェルは取説もエライのです。

取扱説明書
 ミッチェルの取扱説明書です。やっぱりミッチェルは取説もエライ。
 ただ、これもだんだんせこく怪しくなってきていますが。
古いラインの処理
 右の写真は古いラインの処理です。お断りしておきますが、これはけっしていい処理の仕方ではありません。

 しかし、本文には、「毎年数え切れない動物が心無い釣り人の捨てたラインで傷つき死んでいます」とあり、「ゴミ箱に捨てるか燃やすかするべきだが、それができなければ写真のように細かく切って埋めろ」とあります。

 このマニュアルが1970年代のものだと考えれば、画期的な記述です。しかも、このページ、投げ方や魚の取り込み方のページより前に、設けられているのです。
正しいグリップと投げ方
 正しい投げ方が、たらしの決め方や基本的なグリップから、詳しく載っています。

 親指がグリップ前部に乗り、リールの脚が中指と薬指の間にくるグリップが、本当に模範的です。
 ラインのピックアップは、敏感な指の腹で行うよう、書いてあります。
 投げ方のイラストです。両手でぶん投げてなんかいませんよ。
ラインコントロール
 人差し指によるラインコントロールに、1ページを使っています。
ラインの結び方
 ラインの結び方5種類つきです。
魚の取り込み方
 フッキングからランディングまで、魚のとやり取りが写真入りで、3ページにわたって書いてあります。
 ラインの結び方といい、ちょっとした釣り入門書です。
メンテナンス
 分解組み立て法です。
フランス人のドイツ人への見方?
 これは、エライとかいうことではないのですが、6ヶ国語の説明書きです(裏にフランス語とパーツリスト)。

 ちょっと面白かったのは、自重が210グラムであるとか、ギア比が4.4:1であるといった数字が出てくるのが、ドイツ語だけということです。
ワガママかガンコか
 80年代の説明書きです。「ストッパーは魚が掛かったとき、ハンドルから手を放し、ネットを手にするときに掛けます。常時オンで使うのはおすすめしません」とあります。

 ストッパー強度が、高反発のカーボンロッドについていけなくなったという事情もあるのかもしれませんが、それでも私はこの記述が好きです。俺たちのリールはこうやって使うんだっていうガンコさがあります。

 実際私はそうやって使いますが、とても使いやすいと思います。ストッパーレバーの位置も、この“ミッチェル流”に合っています。
カメラの取説
 突然ですが、キヤノンカメラの取説です。日本製品でも、カメラの取説には、正しい持ち方や構え方が書いてあるようです。

 このページで言いたかったことは・・・。そう、日本の釣り具メーカーの取説の情けなさです。あなたの手元の取説を、どれでもいいから見てみてください。

 たとえば、正しい道具の使い方や釣りの基本的な知識って、「釣りの文化」だって言えませんか? もっとも、正しい使い方もなにも、スピニングを右ハンドル出荷してきた日本メーカーに、こんなことを望むほうが野暮なのかもしれませんが。(2003/12/11)

MITCHELL spinning reels