糸よれテスト

 寒風吹きすさぶ中、ミッチェルの糸よれテストを決行しました。でも、衝撃の結果が・・・。

80年代以降のローラー
 80年代以降のラインローラーです。他のページでも書いていますが、私の経験では80年代中ごろのものから90年代に進むにつれ、糸よれが増え、キャスト時のライントラブル(パーマ・バックラッシュ)が増えました。

 それをテストで証明し、同時に現在の糸よれ対策リールと比較してみようというのが、目的です。

ローラーの変化
 左が80年代半ばのもの、右が90年代に入ってからのもの。よく見ないとわかりませんが、右のほうが糸の掛かる溝が浅くなっています。
 よく見れば・・・といってもよく見えないので、“イラストレータ”でなぞってみたのがこれです。赤いのが90年代ものです。
サンプル
 リールはミッチェル308プロで、リールの個体差(わずかなローラー角度の差など)の影響を避けるため、1台のリールでローラーを付け替えてテストしました。ローラー内はオイルだけです。

 参考に98ツインパワー1000もテストしました。

 糸は新品の1号です。使い捨てになってしまうので、1000m800円のものです。誰ですか、バリバスかソラロームでやれって言ってるのは。
 ルアーはバイト4.8gを直結。魚が釣れてしまうと条件が変わってしまうので、フックは曲げておきます。これを回転しない程度の速度でリーリングします。
テスト
 あとはひたすら投げて巻きます。1サンプル100投です。管理釣り場(大安トラウトレイク)で、フックを曲げたスプーンを計300投。アホですな。

測定
 測定は、スプールをそのまま持ち帰って、よれを数えます。1ヒロ(約1.7m)の糸を二つ折りにしたとき、何回ねじれていくかを数えます。

 S社のテスト法かって? まさかあ。あの大会社が手でしこしこよれを数えるような原始的なことしてるわけないでしょ。ましてたったの100投ぽっちで製品の良否を判定するなんて。

結果
 結果です。グラフは1ヒロごとのよれ回数。表は40m合計、1ヒロあたりの平均、1ヒロあたりの最大よれ回数です。

サンプル 40m合計 1ヒロ平均 最大よれ
80年代のもの 79 3.3 13
90年代のもの 47 2.0 5
ツインパワー 22 0.9 3

 あらら、よれがひどいと思い込んでいた90年代もののほうが、80年代ものより好成績です。これはいったい・・・。

考察
 まず、使用した印象と結果が食い違ったことについて、考えられるのは・・・。

1:90年代もののライントラブルは、糸巻き形状や糸の種類など、よれ以外の要因で起こっていた?

2:テスト時、90年代ものはラインローラーが完全には回っていなかったため、結果に狂いが生じた?

 1については、90年代のリールは糸の巻き上がりが悪いものが多く、私は修正して使いました。しかし、トラブルを多く起こしたときのものに、改善が不十分だったケースがあった可能性もあります。

 2については、写真のように90年代のもの(右)はメッキ面が滑らかでかつ溝が浅いため、小型スプーンの抵抗ではローラーがあまり回転していませんでした。もっと抵抗の大きいルアーを使うか、100投のうち何割かを魚に見立てたなにか(ディープランナープラグとか)を巻くなどしたら、ツインパワーを含めて結果が変わった可能性もあります。

 ただ、これはテストの宿命で、こういったことを言い出したら、ルアーを急いで回収したときや糸ふけをノーテンションで巻いたときも考慮するべきだろうということになって、わけわかんなくなっちゃうんですけど・・・。

結論
 結論ったって・・・これだけではなんとも、というところです。100投なんて時間にしたら2時間もないのですし。

 ただ、テスト後308プロに90年代のローラーをつけたまま(もちろん糸は釣り用のに替えて)釣りを続けましたが、糸が絡んでばさっと出るような現象は起きませんでした。少なくとも「90年代のもののほうがよれ(およびそれに起因するライントラブル)が多い」というのは、取り消したほうがよさそうです。いけませんなあ、印象だけで断言しちゃあ(まずいなあ、この件はまえ釣りサンデーにも書いちゃったよ。ミッチェル本社に手紙で送ったこともあったっけ・・・)。

 今シーズン308プロはこのローラーのまま使っていこうと思います。新しいことがわかったら、報告します。

あとがき
 結果を見ると、ミッチェル(308/408系)ってよれが多いなあと思われるかもしれません。確かによれないとは言いませんが、私の使った感じではトラブルに直結するようなひどいよれはたまらないほうじゃないかなあと思います。今回の結果でも、90年代ものの最大1ヒロ5回までのよれなら、それほどのものじゃないでしょう。

 品名は挙げませんが、私の所有リールの中には、1日投げるとスプーンのフリーフォールができなくなるものがあります。ベールを開いて糸を送ろうとすると、水面上の糸やリールからバットガイドまでの糸が、くるくるねじれてより糸を作っていくのです。

 今回のツインパワーは好成績でしたが、(これも品名は伏せますが)糸よれ対策ローラー付き国産リールでも、半日くらいでよれがたまって、パーマしたりガイドに絡みついたりするものがあります。

 本当はこういうのもテストしてみたいのですけど・・・自腹だもんなー。ねえねえ、この部分だけ有料ページにしてもいい?

 雑誌に企画として売り込んだらどうかですって? ムリムリ。「今回の結果はスポンサーさんに迷惑がかかるんで休載ということで・・・」って言いそうなところもあるからねえ。 (2004/1/7)

 後半文字ばっかで読みにくくてゴメン。


投げてきました

 上のテストで使った308プロに90年代のローラーを組んだものを実際に釣りに使ってきました。1.5号(6ポンド)ラインを巻いてスプーンやミノーをキャスト。ミノーではトゥイッチング(スピニングですからあまりラインを緩めない常識的な操作ですが)もしましたが、2日間のべ13時間の使用でライントラブルはゼロでした。

 やはり「90年代の少し溝が浅くなっているローラーは糸ヨレがひどくライントラブルが多い」というのは、思い込みだったようです。糸ヨレは80年代のものと同じ傾向。つまり、ローラーがヨレを前にしごき出す感じ。巻き上げたルアーのラインを緩めるとスイベルがくるくるっと回りますが、80年代のよりむしろ軽度に感じます。途中(リールに巻かれている分)のラインがひどくよれている感じもしません。

 上のテスト結果は現実に合致しているといえそうです。

 私が90年代ものがヨレると思っていたのは、308プロや308Aプラナマティックがライントラブル(ばさっと出るやつ)を頻発したからでした。2〜3時間投げたころからトラブルが出始めるため、ヨレがたまったと思っていました。

 原因はやはり糸巻き形状だったようです。トラブルが多発したころは中寄りかやや後寄りの巻き上がりでした。糸が水になじんで糸離れが悪くなったとき、巻き上がりが原因でパーマしたのでしょう。

今回使った308プロは写真のとおりやや前巻きになるように調整してあります。かなり優秀な結果といえます(写真は根掛かりでやや量が減っています)。

 私がこのHP開設のころからいっていた「90年代の少し溝が浅くなっているローラーは糸ヨレがひどくライントラブルが多い」は、とんでもない思い違いだったわけです。

 これだから、巷に流れている釣り具の評判は慎重に見極めないといけないなあと、自分を棚に上げて思ったりします。 (2004/5/24追記)

MITCHELL spinning reels