〜80'sスピニング

私を悪の道に引き込んだリールたち。

ML1
 みんなこいつのせいです。
 「BMとバンタムのシマノのリールや。こいつは日本のカーディナルのはずやで」と思って買って、とほほです。
 ドラグノブを1回外して付けたら、いきなりネジがつぶれました。5回釣りに行くと、ベールスプリングが1本折れます。使っているうちにローターナットや、ハンドルのネジが緩みまくります。
 でも、なんだか好きでした。回転が滑らかだったこともありますが、やっぱりダイワオリムピックとは一線をかくすデザインです。
 でも、こいつのおかげで「なんでバネが折れるんやろ」「この金色のギアはなにでできとんのやろ」と機械に関心を持ち、後は坂を転げ落ちるような人生です。どーしてくれるんや。
 1978年購入です。
ML20
 卑猥なベール返しを取って、内げりになったMLです。ドラグノブのネジや、ベールスプリングは改良されていました。
 よしこれならだいじょうぶと、次のKXに行きます。
KX-2
 1980年発売の、シマノ初の高級スピニングです。品番は時計文字でした(文字化けしそうなので普通の数字で書いてます)。ダイワのファントムGX対抗品です。
 「よっしゃこんどこそ、“スピニングのBM”やで」、と2ヶ月待って買いました。金色の真鍮製マスターギア(ドライブギア)、赤いセラミックローラー、ワンタッチスプール、ディスクドラグ、マシンカットハンドル、スライドロックスィッチのサイレントストッパーなどなど機能満載です。
 でも、買って帰って、いきなり、ハンドルが抜けない! ギアはゴロゴロどころか、3BBのはずがなぜか1BB2ブッシュのブッシュががたがたで、ボディーの内側をギアの歯で削っとる! ML20ではけっこうよかったディスクドラグは調整幅ゼロ。ML1よりはよかったけれど、20回も釣りに行ったら、やっぱりベールスプリングがポキリ。
 やはり私が入社して救ってやらねば……当時高校1年の私は思ったのでした。
カスタム1000
 1983年発売の、シマノ初のリアドラグスピニング。4800円で替えスプール付き、超軽量190gのお得(?)なリール。
 当時京都で学生さんをやっていた私は、宇治川のニゴイやナマズをこいつで釣ったものです。
 脚がヘンなのは、輸出用のファーストキャスト(いまのクイックファイヤー)のため。当然サミング(フェザリング)しにくい。でも、なぜか振りバランスはよかったな。
 ハンドルノブがBMみたいで好きでした(とりつかれとるな)。
 ところでこいつのベールスプリング、下手なコイルより持ちます。絶対折れません。
カーボマチックEX2000
 1984年登場の、シマノ初の樹脂ボディー“チタンカーボン”製(正体書いたろかな)、リアドラグスピニング。
 個性的な“2本脚”デザインですが、なんだか名前やボディー以外のデザインが、ダイワのカーボスピンみたい。
 ハンドルはウッドでしたが、ベールがえりが頻発し、シマノにご意見の手紙を出したら、輸出用の軽いハンドルを送ってもらえました。
 大切にしたのですが、ブッシュなしのラインローラー支持部が、毎回の注油にかかわらずどんどん磨耗し、ライン噛みを起こし、現役引退。私がブッシュなしのラインローラーを嫌悪するのは、このリールのせい。
ファイティングGT500
 1985年登場のダブルリアドラグスピニング。これに触発されて、アブガルシアは奇作800を作りました。
 実際に使ったリールではなく、昨年釣りサンデーの連載用に買ったリールです。
エアロビーストマスターGT-X#4〜#8A
 窃盗は時効が成立していると思いますが、量産試作品をぱくりました。89年のアメリカ向け最高級モデルです。
 と、言われても、安っぽいですよね。このリールはパクッてから弟にやったのですが、「けちな兄貴が安物を送ってきた」といって、使ってくれませんでした。
 当時のシマノはとにかく「コストダウン」が合言葉。このリールも、国内向けサンキューパ(3980円)のNAVIと同時に開発され、徹底的に中身も外身も落としてありました。
 ただ、瞬間ストッパーや大口径ラインローラー、アルミスプールなどを持っていない分、昔のリールって軽かったんだなと、いま見てみると、そう思います。
 品番は、4〜8ポンドライン用という意味ですが、わけがわからんので1年かぎりでいまの数字に戻りました。

軽い気持ちで書き始めましたが、昔を思い出して、懐かしくなりました。(2002/10/2)
SHIMANO