デザインデザイン
行き過ぎなのか? 先見的だったのか?
そもそもこいつが? シマノのスピニングは95年モデルで改良されるまで、他社製品よりスプールが遠く、フェザリングができませんでした。 もしかするとこのML-1が大元だったのかもしれません。脚をすっきり見せるために、ベール返しの当たりを独立させたデザインは斬新でした。しかしそのために脚が後退しています。 最初に作ったこいつが規準になって、ずるずる続いたのではないかと思います。 (20年前の写真をデジカメで撮っているので画像がきたないです) |
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スライドロックストッパー KXのストッパー切り替えレバーです。カッコいいです。 でもこの穴、ボディー内部に直結しています。機密性を思いっきり悪くしています。 |
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ビルトインローター 糸がらみがどうとかカタログではいっていましたが、もちろんこれもデザインのためのもの。 腕が張り出して慣性を増してしまいます。アームカム(ベールアーム)固定ボルトがゆるみやすく、工具が入らないから締めにくい。百害あって……。 |
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落ち着かなかったのは なんだか回転の落ち着かなかった98モデル(写真左)。原因は摺動(スプール往復)スピードが速すぎたから。 右の95モデルのボディーには、円内のような出っ張りがありましたが、98モデルにはありません。この部分に入っているクロスギア用ギアを小型化しているからです。見た目はすっきりしましたが、そのために摺動が速くなってしまったのです。 98モデルが出たとき「糸の食い込みを防ぐ工夫」なんて雑誌で言っていたアドバイザーが痛々しかったな。 余談ながら、02モデルのスーパースローは、これの反作用。あれは行きすぎでしょう。 |
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個人的には支持しますが…… 右ハンドルを無視したかのような98ツインパワーと98ステラの左サイドカバーのデザインです。ステラSSにいたってはこの部分が富士山みたいになってます。 日本で右巻きが多いのは、「左巻きの知識を普及させるなんてめんどくさいよ。右ハンドルで出荷しとけばリール知らない奴でも買うじゃん。知ってる奴は勝手に組み替えるだろ。その方がたくさん売れていいじゃん」という日本メーカーの利益至上主義。 ついでにいえば、テニスでもゴルフでもまず基本はグリップからなのに、日本の釣り人ってそこを素通りしちゃうですよね(左右以前に、正しい持ち方してる釣り人って半分もいないでしょ。これが世界一の釣り具メーカーのお膝元なんだからなあ)。 だから、このシリーズが出たとき、はっきりいって私拍手しました。 ただ、世の中には、なんらかの理由で左手で巻けない人や、左利きの人もいるわけで……。 |
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どんな親指やねん サムレストが、ない! いえいえ、パーツリストでは唇の部分が「サムレスト」。ふつう届かんぞ。 |
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ビス2本! ビス2本で止めているビルトインハンドル。シマノのことだから、強度は十分でしょうけど。なんだかなあ。 |
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シースルーノブ カッコいいけど、同じ時期に出たダイワTD-Xが、コルクコアのノブで軽量化をいっていたのに比べると、情けなかったです。 |
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引っかかるぞ アンタレスのSVS。樹脂部分に溝が切ってあってブロックのオンオフ時に爪が引っかかり、イライラします。 そりゃあ、エンジンにお化粧したクルマだってあるわけですし、こんなところまでデザイン(?)するのはたいしたもんだとは思いますが……。 |
このように、デザイン優先で機能をないがしろに……なんて野暮なことはいいません。じゃあ、旧型と同じ形の「世界初のカーボンリール」を使いたいかっていったら、私の答はNOです。
たしかにやりすぎも多いですが、90年代以降中身の違いがなくなってきていますから、デザインの重要性は増しているはず。そう考えると当初からデザインを重視していたシマノは、先見性があったといえるのかもしれません(誉めすぎや)。
ダイワとの対比がおもしろいところ。どっちがいいとかではなく、こういった思想の違いがいいのです。(2003/1/29)
SHIMANO