ここはいまいち……

 機械的にはなかなかの大森リールですが、道具として見たら気になる点もありました。ミッチェルとの比較がおもしろいところ。

1 スプール
一見放出抵抗が少なそうなスプール形状。しかし実際は糸崩れが起きるため、スプール径を100%活用することができません。ラインとの接触面積も広くなり、飛距離にもマイナスです。トラブルも増えます。ミッチェル、アブ、ルー、ゼブコなどとくらべてください。

2 ライントラブル
 スプール形状によるライントラブルを、さらに増やしたのが摺動幅の狭さ。マイコンNo.1は、スプールの端までラインが巻かれていないのがわかります。だから糸が崩れて、ばさっと出るのです。「投げて巻く」のはリールの基本なんですが……
3 ハンドルノブ
 大手メーカーのウッドハンドルよりはましですが、使いやすいノブとはとても言えません。ハンドルノブは釣り人との接点。ここをおろそかにするのは、どんなもんでしょうか? これまたミッチェルと好対照。

4 デザイン
 デザインはその人の好みもありますが、あまり大森製作所のリールをかっこいいという人はいないと思います。上の初代マイコンは登場時すでに古臭かったし、下のウルトラは……。だいたい名前からして「マイコン」だし、付属していたリール袋はかわいいっていえばかわいかったけど、高級感はなかったですね。こういう「持っててうれしい」と思わせるものがあまりに少なかったのも事実です。

OHMORI S.S. spinning reels