ゴールドスピン

GS1

ゴールドスピンとは
 ゴールドスピンはスピードスピンの進化型。そのコンセプトは「大口径スプールプラスコンパクトボディー」。つまり現在のダイワ「ABS」の大口径スプールとおなじ発想です。このリールは84年くらいに作られましたが、その頃日吉産業の生産拠点が変わったせいで、韓国製になっています。ゴールドスピンは「ダイコー」ブランドでは売られませんでした。基本メカニズムはスピードスピンとおなじですから、このページでは省きます。もちろんスピードスピンの美点はすべて持ち合わせています。

GS1 spool 大口径スプール
 最大の特徴、大口径スプールです。写真のゴールドスピン1は49mmの大口径。同サイズだったスピードスピン1(マイコンSSクラス)の40mmより大幅に大きくしてあります。ギア比はなんと4.3:1のロースピード。しかし大口径スプールのおかげで、ハンドル1回転あたり66cmの巻き上げ速度を誇ります。スプール正面に見える窓は、ラインインジケーター。使用ポンド数をメモリーします。一見ギミックですが、これがアメリカではプロっぽくていいそうです。大口径スプールは細いラインから太いラインまで対応幅が広く、スペアスプールがよく売れました。だからこういう機構もギミックではなかったのです。
GS1 bail spring もう折れません
 ある意味最大の改良点がここ。3回巻きになったベールスプリング。これにより耐久性が格段にアップしました。現在のコイルスプリング並みの寿命を誇ります。同時にスピードスピンも改良されました。さすがにこのくらいになると、日本メーカーはマシンテストになりますが、当時の韓国メーカーは人手でやっていたそうです。かといって、給料の高い開発要員がベールをかっちゃんかっちゃんやっているわけにはいかず、会社の守衛さんがやっていたそうです。でも、いかにもリールメーカーらしくていいですね。
GS1RD ここは折れました
 スピードスピンの無段階ドラグに対し、ゴールドスピンはクリックつきのダイヤル式です(板ばねが見えます)。これは、このリールの開発にオービスがかかわっていたため。ゴールドスピンは名前を変えてオービスからも売られたのです。日吉とルーは、金型代の関係で折れました。設計者の原氏いわく「ぶざまなクリックつきにされてしまった」。でもダイヤルにプリントされたメモリー用の数字はすぐに消えてしまいました。さては、わざとか?(んなわけないか……たぶん韓国のいいかげんな品質管理のせいです)

LEW'S