シマノ製スピードスプール

BB-2 スピードスプールBB
 70年代後半に突然現れた、シマノBMシリーズは衝撃的なリールでした。いまでこそトップメーカーのシマノですが、当時はまだ無名に近い状態だったのです。そのシマノが突然高級ベイトリールを出したことも驚きでしたが、コピーがあたりまえ(ダイワのミリオネアは最初アブ5000Cの100%コピーで、「ギアまで互換性があるじゃないか!」とスウェーデン大使館が通産省に抗議をしたくらい)の時代に、まったくのオリジナルだったのですから、それはもう画期的なものでした。じつはそのBMシリーズ、ルーとの共同開発だったのです。その本来の(?)姿がこれ、スピードスプールBBです。
BB-2 left side パーミングボディ
 いまでこそあたりまえですが、左サイドプレートに何もありません。5000Cのようにメカニカルブレーキが当ることがなく、快適にパーミングできます。しかもBBは、左サイドプレートが右サイドプレートとは異形にしてあり、さらにパーミング製をよくしています。もちろん世界初です。
BB-2 line guide

分離式レベルワインド
 クラッチを切るとスプールだけが回る、分離式レベルワインドです。ヘドンかどこかが最初らしいですが、本格的なのはBBでしょう。キャスト時にレベルワインドが動かないと、ラインの接触抵抗は増えますが、BBはレベルワインドを前進させて解決しています。BBの個性的デザインは、内面から生まれたのです。

Cast control キャスコンとスタードラグ
 ハンドル側に移されたキャスコンです。調整時じゃまにならないよう、スタードラグが3枚羽になっています。これも機能追及からの個性的なデザインです。
BB-2 spool 35mm径スプール
 これは写真のBB-2の特異点。40mm径スプールだったBB-1/3(BM-1/3)に対し、なぜか中間モデルのBB-2(BM-2)だけが35mm径スプールになっていました。これは続いて発売されるバンタム100とおなじサイズであるばかりか、現在のベイトリールの標準サイズでもあります。BB-2はこの点でも現在のベイトリールの原点なのです。当然軽量ルアーのキャストも思いのまま。当時このリールを手にした人は、一気に20年先の未来を体験したわけです。しかし、このリールをもとに作られた(と言っていいと思う)バンタム100はルーを怒らせてしまいます。

LEW'S