イクシオーネはリョービが98年に発表した可変遠心ブレーキを持つベイトリールです。
イクシオーネF300LF
じつはこれ、2000年9月に週刊釣りサンデー誌で始まった「マイナーリールの紳士録」にとりあげるために買ったリールでした。本当は右のほうがよかったけど、半値で売っていたので左にしました。それでも一回分の原稿料より高かった! こいつの回は赤字です。
そんなうらばなしより、リールについて書いてくれと言われそうですが、このページを書きはじめて困ってしまいました。書くべきことがないのです。けっして悪いリールじゃありませんが、こいつでなければならないとか、こいつで魚を釣ってみたいとか、なんだか思えないのです。
画期的な新機構もあるし、コンパクトでうまく仕上がっていても、訴えるものがありません。だから市場でもぱっとしなかったのでしょう。
フライングアームブレーキ
外部から無段階で調整できる、画期的な遠心ブレーキです。ただ、ちょっとダイヤルが小さいせいか、機構的な特性か、微調整がきかない感じもします。でも、この発想には脱帽です。中空のウルトラキャストデザイン……じゃなくて、シャフトレススプールも軽くていい感じ。
でも、同一ボディーでマグネットブレーキのモデルを出したのは、大エラーでした。商品イメージがぼやけてしまいます。
たしかに重いルアーを投げるとき、スプールの初速が出すぎるきらいはあります。でも、マグネットが欲しかったら、ダイワを買えばいいわけですから。
やっぱり日本製品
鍛造クランクとスタードラグです。疾走するバスボートの衝撃に耐えるとかなんとか。そんなことでプレスハンドルは曲がるのでしょうか? 重量とコストを増し、ハンドルを外に張り出しただけではないでしょうか。
このリール、ボディーが軽量コンパクトに上がっているだけに、本当に惜しいところです。とくに左ハンドルでは、投げるとき手首が左にねじられてしまいます。
早い話が「ダイワとシマノがやってるから」。マグネットを出したのもそうなんですが、少数派メーカーに必要なのは個性独自性だということを、リョービはわかってなかったのですね。