80年代以降のミッチェルには問題もあります。台湾に生産が移管され、品質管理が難しくなったということもありますが、そればかりではありません。なんでこうなっちゃうの、というものが多々あります。でも、これらの問題を解決したら、まだいけると思うのですが……
1 ベールスプリング
数年前、90年代の308や310ULのベールスプリングが折れた修理品を釣具屋で見ました。web上でもこのころの308のベールスプリングが折れると書いているページがあります。
私はそういう経験がなかったので、不思議だったのですが、90年代終わりに発売された308Aプラナマティックを買って、謎が解けました。なんとベールスプリングの巻き数が減っているのです。こんなことをしたら折れるに決まっています。なにをやっているのやら……。
私は旧型のスプリングに換えています。
2 糸巻き形状
私の買った308Aプラナマティックは左の写真のような巻き上がりになりました。このモデル以外も、80年代ごろからは後寄りに巻き上がるようにセッティングされています。ダイワABS理論からいっても、これではライントラブルが増えます。70年代のものは前寄りに巻いてライントラブルを避けていた(つまりすでにABSをやっていた!)のに、そういうノウハウが継承されていません。まったく……。なおあと2枚の写真は、巻き上がりを補正するために自作した摺動子(オシレーティングスライダー)と、その巻き上がりです。
3 糸がらみ
80年代以降のベールは、左の写真のような糸がらみがよくおきます。こういった1回使えばわかることを15年以上も放置する姿勢が、今のミッチェルの置かれている状況につながっています。下の4の写真は私の対策。エポキシ樹脂で肉盛りしました。
4 糸よれ
80年代から採用されているこのラインローラーは、糸よれが少なく優秀です。傾き方は逆ですがシマノのパワーローラー3とおなじような糸のかかり方です。ところが90年代に入ったころから、糸のかかる溝が浅くなってきます。このころのモデルからライントラブルが増えてきます。最初のアイデアがよくても、それを維持する管理能力に疑問です。
5 頼むよミッチェルさん
スパイラルベベルギアの408(写真はギアのみ移植した私のリール)を作れとまでは言わないけど、1から4の問題点くらいは解決して欲しいところです。これらはいずれも「トラブルなく投げて巻く」という基本的なことばかり。逆に言えば、基本さえしっかりこなせれば、リールなんてそれでいいんです。308はまだいけます。いま輸入元はないし、いっちょう私がミッチェルと交渉して……無理だよなあ〜。