直線上に配置
8月18日 クレジット・サラ金法律相談

 今日は土曜日というのに、クレサラ(「クレジット・サラ金」のことを弁護士会ではこう略す)法律相談の当番日にあたっていて、午前中四谷のクレサラ法律相談センターに行って来ました。このセンターに来所する相談者はほとんどが多重債務者(多くの貸金業者から借金をしている人)で、相談担当弁護士はそれらの人達の相談を受け、債務整理のお手伝いをするのがお役目です(多重債務者の方へのアドバイスはそのうちこのページ上でも大々的に取り上げる予定ですが、とりあえず東京弁護士会のページを見てください)

 最近、私の所属する若手弁護士中心のメーリングリスト上で話題になったことですが、ある弁護士が「このような債務整理事件の依頼者は、たいてい弁護士報酬を分割でもらうことになるが、最後まで払ってくれることは3割くらいしかいない。弁護士にとっては労多くして益少ないボランティアになってしまっている」と嘆いておりました。
 私自身の経験から言えば、3割というのはちょっと低すぎるように感じます。少なくとも私の依頼者は7割くらいは分割であっても最後まで支払ってくれています。最初に依頼者によく心構えを説明し、連絡を密に取っていれば、それなりに誠実に頑張ってくれる方も多いです。

 しかしながら、それでも3割くらいの方は問題があるのも事実です。

 私の経験では、「今日支払日で取り立てに追われてしまう」と泣きつかれて、同情して着手金を1銭ももらわないうちに受任通知(弁護士が代理人に就任した旨の通知)を出してあげたのに、その後全く連絡が付かなくなり、やむを得ず恥を忍んで辞任せざるを得なくなったことが2度ほどありました。相談者にとっては、当面の債権者の取り立てさえ止まれば安心してどうでも良くなってしまうのでしょうか。

 しかたなく、「着手金の一部として、原則最低3万円を支払わない限り、受任通知は出せませんよ」と言うことにしました。3万円程度であれば、収入のある方ならば何とかできるはずの金額ですし、多少の痛みを分担してもらうことにより、依頼者の方の自覚も深まると思われます。

 本日も心を鬼にして「最低3万円」と念仏のように繰り返し言っていましたが、恨まれてしまったでしょうか。でも、3万円すら用意できないようでは債務整理はそもそも実現可能性はないですよね。そこをわかって欲しいものです。

一つ前へ  一つ後へ

日誌の目次に戻る

トップ アイコントップページへもどる
直線上に配置