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8月20日 調停委員

 裁判所で行う調停では、裁判官はあまり立ち会わず、普段は民間から選ばれた調停委員2名が調停を進めます。

 この調停、調停委員が優れた方なら大変有用な制度なのですが、残念ながら調停委員もピンキリで、困った委員にあたるとどうしようもなくなってしまいます。

 質の悪い調停委員とはどういうことか?一番あげられるのが、記録を読まない。当事者が提出した証拠はおろか、主張書面も読まずに勝手な意見を押しつける。これでは当事者は不満が募るばかりで、和解などできないでしょう。また、代理人から見て困るのが、理屈も何もなく、ただ人情論だけで譲歩を迫るタイプ。情理を尽くして説得しなければ、紛争は解決できないでしょう。

 実はこの調停委員、かなりの割合で弁護士から選ばれています。しかし、弁護士だからといって説得上手な人が選ばれているわけでもなく、自薦が結構あります。また一度調停委員になるとあまり批判にさらされないためか、何時までも続けてしまうようで、風通しがよくありません。

 先日、私の属している若手政策グループで話題になった話ですが、東京家庭裁判所の調停委員が勝手に、「調停の席上へのノートパソコンの持ち込み禁止」を決めたとか。理由は、「パソコンは何ができるかわからないので規制すべき」という恐ろしく非科学的なもので、これでは中世の魔女狩りと同じです。IT化の時代にここまで時代錯誤だと笑えてしまいますね。もちろん、その若手政策グループが禁止の撤回を求める意見書を出したことは言うまでもありませんが。

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