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12月4日 パートタイム裁判官(2)

 8月22日の日誌でお伝えしたパートタイム裁判官ですが、朝日新聞によれば、最高裁と日弁連で導入に合意したそうです。

 最高裁は従来、パートタイム裁判官に対しては「憲法上問題がある」と言う建前論から反対していました。

 その理由は、簡単に言えば、裁判官の身分保障等を定めた憲法は、専任の裁判官を予定しており、弁護士等他の職業との兼職を認めることは憲法上問題がある、というものです。

 しかしながら、憲法が明文で「裁判官は他の職業を兼任してはならない」と書いてあるわけでもないため、最高裁の主張は、正直言えば裁判官のキャリアシステムを維持したいがための理論に過ぎないと言えます。

 本当に憲法上疑義があるのなら、「憲法の番人」たる最高裁のこと、いかなる政治情勢の下でも譲れないはずですが、司法改革の流れに抗しきれずあっさり譲ってしまったあたり、やっぱりねという感じです。

 ま、私としては以前も書いたとおり大賛成なのですが、当面は、民事と家事の調停事件に限るそうですので、実際のところを考えると、最高裁にとっては対して痛くもないかもしれません。

 というのは、現行の運用では、調停自体はほとんど調停委員が進行にあたり、裁判官の出番は調停がまとまったか不調に終わったときの「顔出し」程度ですので、実際に裁判官が権限をふるう場所はほとんどないからです。

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