本作は、「アーマー着込んだ妖精の騎士、なんてどうだろ?」って、落書き中の思い付きが 出発点です。したがって初号ラフでは、「妖精騎士」のイメージをつかむ事のみに全エネル ギーがそそがれ、背景部分はまだ何も描き込まれていない「完全未定状態」でした。 蜘蛛と対峙させる、というアイデアは主役のイメージがほぼ固まった後でやっと出てきたの です。
結果として、
作者が予想した以上にダイナミックな構図になってくれたのは、嬉しい 誤算でしたが……。 ところでこの蜘蛛、最初に描き加えられた時は今とかなり違った姿でした。
短足のずんぐり むっくり、 4対8個の目の内、 正面の1対だけ異様に大きな「蝿取り蜘蛛」型というタイプの 蜘蛛だったのです。
比較的小柄な蜘蛛で「蜘蛛の巣」はまったく張らず、強烈なジャンプ力 を武器にほかの虫を追っかけ回してる奴らで、デカ目のインパクトが欲しかった訳です。 が、
バックに蜘蛛の巣を描き加えた事で、この蜘蛛はNG。
巣を張らない種類だから。 決定稿で悪役に選ばれたのは、巣を張るグループのうち、でっぷりとした体格の奴でした。 なお、彼女が構えている武器は、槍ではなく毒針です(^^;) |