帝劇100周年 さよなら『レ・ミゼ』オリジナル演出最終公演

5月29日(日)帝国劇場100周年記念公演『レ・ミゼラブル』

帝国劇場にて2500回余りも上演された名作ミュージカル『レ・ミゼラブル』オリジナル版は今年6月上演で最後となります。と聞いてそれは大変!私に力をくれるあの作品を絶対もう一度観ておきたい!と思い、5月14日にスペシャルキャストで、5月28日には新キャストで、各々1回づつ観納めて参りました。

私が最初に観たのは14年位前でしょうか?その時の大きな感動を再び思い出しながら『レ・ミゼラブル』を堪能しました。
未だにスペシャルキャストが演じると、心深く浸透して更なる大きな感動を呼びます。
さすがに14日は超満員で、客席と舞台とが一体化と言うのはこの事を言うのでしょうか〜。長く歌い継がれたキャストと通いなれた客達の熱気が凄かったですね。

この物語は1815年頃から始まり、フランス革命を背後に、貧困、悪人、生き抜くための市民の暮しを描くと共に、ジャンバルジャンと言う男の生涯を通して、人間の強さ、弱さ、悲しさ、光、運命、そして愛がテーマですね。
そうした上に素晴らしい楽曲ナンバーの数々が加わり名作となっています。観るのにエネルギーが要るかも知れないけど〜?不思議に元気をくれます。

今回のスペシャルキャストの面々は、ジャン・バルジャンは今井清隆さん。彼はとても丁寧に歌い演じ、pianoの部分が絶品です。曲「神よ〜〜♪」は歌い回しが本当に綺麗です。客席から「ブラボー!」と掛け声も上がっていましたよ。
ジャベールは
鹿賀丈史さん、初演からの大ベテランですね。
ファンティーヌは
岩崎宏美さん、声量があって歌いなれています。豊かな歌いっぷりが若いキャスト達よりも上級ですね。
エポニーヌは勿論、
島田歌穂さん。かの有名な「オン・マイ・オウン」はもう最高です。天に訴えるかのように心の嘆きを豊かに絶唱します。客席は、水を打ったように息を殺して静かに聴いていますよ。舞台と客席全てが一つになる瞬間です。
マリウスは勿論、
石川禅さん。昔と変わらない甘い容貌はマリウスのイメージにピッタリで、歌の表現もドラマチックで最高、私としてはお気に入りです。
アンジョルラスは
岡幸二郎さん。長身で立派に歌い上げます。革命のリーダー、アンジョルラス役でこの人の右に出る人はそう簡単にはいない位、響き渡る歌いっぷりも含めて全体的に格好良いです。
テナルディエは
斉藤晴彦さん、超悪親父役なのですが、歌のリズム感が抜群です。テナルディエの妻役は鳳蘭さんでした。妻役はいろいろなキャストで観てきましたが、其々の役作りに個性がありますね。憎めない悪人夫婦です。ユーモアがあって悪あがきの最後の歌では客席から手拍子が入っています。
ジャンバルジャンを助ける神父様は歌の指導者としても活躍の
林アキラさんです。初演からですね。役作りもありますが落ち着いた模範的な歌いっぷりです。

28日に観た新キャストの方はフォンテーヌが新妻聖子さん、エポニーヌは笹本玲奈さん、ジャベールが今拓哉さんでした。いづれも最近のミュージカル界で活躍著しい方々です。其々に歌唱力は素晴らしく凄いなと思いました。6月12日が千秋楽です。

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