伊織直加1周年記念お茶会 『喝采』公演中 

2004年7月4日(日)東京會舘

7月1日に帝劇公演『喝采』が初日の幕を開けて4日目、12時公演が終了後、更に明日からのお稽古を終えて、東京會舘に駆けつけてくれた伊織直加さん(直ちゃん)。
髪が大分伸びて肩に届きそうで、ピンク系の超可愛らしいブラウスに淡いピンクのパンツ姿です。
所属事務所のマネージャーである中村さんが簡単なご挨拶をされた後、直ちゃんのご挨拶と乾杯で始まりました。

直加 7月の帝劇公演が始まったばかりで、まだご覧になっていない方も沢山いらっしゃるかと思いますが、私達も、まだ慣れなくて、バタバタとここに来ましたが、12時1回公演後のお茶会だと、外が明るいんでびっくりしました。
西日があたって、アットホームな雰囲気でとても喋り易い気がします。1月に発足以来のお茶会で、宝塚退団1周年記念も含めまして、今日は皆さんと沢山おしゃべりしたいと思います。それではグラスを持ってぇ〜!楽しく行きましょう!乾杯!!

質問コーナー

司会者 「今回お稽古期間が短かったそうで、その点でご苦労された事などはございますか?」

直加 「6月20日からお稽古が始まって、7月1日が初日と言う事は、休みなしで28日まで稽古場で約1週間でしょ。29日、30日と舞台稽古で、台本は集合の2日前に来たんですよね。『浅間』ではいろんな事に揉まれたし、『SHOCK!』でも変更などがあって慣れてるので、対応は『ヒャ〜!』とはならなかったですね。
皆さんプロだから、稽古場で顔を合わせたらこれが最終稽古と言う感じで、今日も稽古していて、私は4時半には仕事がありますからと言って途中で抜けてきたんですよね。明日から少し変わります。プロローグと、次の幕前、1の1かな?
皆さん妥協がないので、どんどん良くなるものは変更するんです。ブロードウエイ作品は変わらないんですけどね。カンパニーにもよりますけど、台詞は言っている内容が合っていれば変更してもよいことになっているんですが、振り付けが1日とか2日で付いたり無くなったりしてるので、その辺りを上手く馴染んでいかないと、緊張したりオタオタしていたらやっていられないんです。今回と言わず、宝塚がきちんと決まった世界だったんだと凄く思うんですね。
だんだんに、急に台本渡されても怖くなくなってきたり、舞台で緊張しなくなるとは思うんですが、初顔合わせの人がいるし、団体芝居やるときは誰の次に言うのかとか、各々どんな芝居をやるのかも判らないし、私の場面も2回しか稽古やっていないんですよね。そう言う苦労がありました。

司会者 「今回はOGの方が沢山ご一緒ですけど、その辺りはいかがですか?」

直加 リカさんは辞められて間もないので現役の時と変わらず、『やぁ〜、久しぶりぃ〜!』って感じだし、ゆう子ちゃんも舞台はご一緒した事がないけど、1学年の差なので極普通で、この3人はTCAみたいな感じですね。バックダンサーの方で、雅景さんとか優花えりさん、杏里みちるちゃん(松本菜穂)は『shock』でもご一緒したし、10月の公演でも一緒なので『今年は縁があるね』と言ったりしてるので、この人達とは極普通に振り付け受けてるから、ここ宝塚?みたいな月組に来てるみたいな錯覚が起こりそうな感じですね。
ただお芝居の方は普通の役者さんがやっているからそこが違いますけどね。OGでも上級生様である大路三千緒先生、浜木綿子さんと4人位は大大先輩で、かづえさん役の人も元宝塚なんですよ。その他はどなたが上級生か判らなくて『上級生ですか?』って聞いたら、『いえ、OSKです、SKDです』とかね。気付けば上級生が多いんでね。一緒にやっていた時代じゃない方は顔と名前とが一致しなかったのですが、この舞台をやっているうちに喋れるようになったとかで、何だか今回は不思議な世界に来たなって感じですね。

司会者 「お客様もいつもの感じとは違いますか?」

直加 お客様も和と洋が混じっている感じ!和物的に受ける所とか、宝塚的に受ける所とかがあったりして、リカちゃんとゆう子ちゃんと私となると、宝塚的な拍手が聞こえて来たりして〜。劇団員の役者さんはマイクを持っていないので、大きな声で台詞言っているのでその辺のテンポも合わせないといけないので、ちょっと難しいなと思います。最後の方のボレロを踊ってる時は完璧宝塚と思うんですけど、お芝居は『浅間』みたいにホンワカとしてる感じもあるし、左トン平さんとかの演技に本当に素直に笑って下さってる方には、もう少しゆっくりと台詞を言わないといけないかなと思ったり、和と洋のコラボレーションって感じがしていますね。

注☆☆『喝采』における直ちゃんの役柄は桜舞踊団のちょっと目立つキャピキャピな女の子で、名前は香取あずさです。

司会者 「宝塚の男役とは違って、劇中劇などで女の方が演じている男役についての役作りなどはいかがですか?」

直加 「お稽古期間が1週間でしょ。難しいのは、リカさんは退団直後なので男役色が強く、ゆう子ちゃんは女役だから問題は無いけど、私はどうしようかな?間を埋めるしかないと!
桜舞踊団が全部宝塚のOGだったら宝塚っぽくやってもいいかもしれないけど、普通の役者さんも混じっているので、黒燕尾着るのも初めてだったりするからねぇ。取りあえず私が目指そうとしているあずさ役は格好良い女の子がメンズパートやっていますっていうイメージかなぁ〜。例えば、女の子ばかりのバレー教室の発表会で、王子様役やったりするそんな感じかなと思ってやってます。
宝塚のバリバリの男役(わたる君を例に出して)でも楽屋では女の子だから、リカさんもそうだし、そんな女の子を見せればいいかなと思っているんですけど、宝塚しかご覧になっていないお客様にはそんな感じで黒燕尾を着たらどう思われるかなぁ〜?とかね。
と言うのは、舞台稽古日に、いつも宝塚を観に来て下さっている有名人の方が遊びにいらしてて、『直ちゃん女の子っぽくなってぇ〜、黒燕尾姿も可愛くなって、あのバリバリの男役はどこ行ったのぉ〜?』と言われたんですよね。そこで、リカちゃんファンの方は直ちゃんちょっと気持ち悪いと思うのかなと疑問が出てきたりして…。そう言う宝塚の美しさを崩したくない生理的なファン心理について、どうしようとかね。薄化粧してるのに近くで見ると余興っぽく見えるので、何かが足りないと思ったら、実はもみ上げが足りない。(笑)ここまで書いたらアントニオ位まで戻れると思うの。
『直ちゃん、男役に戻ったじゃん』とリカちゃんには言われてるから、時間の余裕が出てきたら少しずつ直していって、声のトーンを少し下げて、あずさなりの一番低いところで台詞を言うようにと徐々に徐々に変更していきます。調整しながらも難しい立場に立たされているなぁと感じてます。
踊りも黒燕尾のボレロが、胴着の下で以前よりも身体が動いちゃうので、自分でも気持ち悪いんですよね。どうしても女姓的に身体の上半身が動いてしまうのでね。踊り方も何もかもがバリバリに戻っていない事が自分の中で気持ち悪いんですよね。ところがいろいろと制約があって、地毛もそうだけど、今、男役に戻っちゃうと後の仕事が出来ないので、鬘にしてます。ボレロがあまりにも宝塚歌劇団で、千秋楽辺りには踊り方がかなり戻っているのではないでしょうか。
在団中に悩んだ逆の立場で、男に戻れなくて悩んでる。前半、テンションの低い方が多いので、つい上げたくなるし、自分の役は上がる役だからキャピキャピになって、ハイテンションになってますねぇ。感情女、ぶち切れ女って感じでやってます。

司会者 「香取あずささんを演じられるにあたって、お衣装は直ちゃんの希望とか、自前とかですか?」

直加 「自前は一切なく、希望を聞いてくれて全部用意してくれました。私の意向ではなく事務所の意向として、黒燕尾を含めて劇中劇はズボンで男役、日頃はスカートで女の子っぽく作ってという事で。パワフルな元気はつらつな感じの衣装で、ブランドも聞いてくれて、凄く良い物を用意して下さいました。髪型は前回の『shock』に出ていらしたミーさんみたいなファッショナブルな女の子のイメージで、劇中劇では光一君とタッキーを足して2で割ったような両方いける鬘のデザインに決めました。

ーテーブルごとに直ちゃんと記念撮影ー

ー質問コーナー

司会者 「6月22日にメルマガで、宝塚退団1周年記念によせてのメッセージが届きましたが、退団1週年にあたって、今のお気持ちをお伺いしたいのですが…」

直加 「ちょうど『喝采』のお稽古に入ったばかりで、バタバタしてましたけど、宙組の下級生から『直ちゃま、明日は宝塚退団1周年記念ですね!』と言うメールが送られてきて、そうだ、皆さんにメルマガだけでも流したいなと考えて、当日の朝、送ったんですけどね。
心境としては1年と言う気がしない位、あまりにも早かったですね。考えてみれば、『キス・ミー』をやってからは2年になるんですよねぇ〜。東宝や帝劇の人とも顔馴染みになっていますからねぇ。

この1年、ここまで来れたのは皆さんのおかげです。特に、『浅間』の時に皆さんの結束の固さを感じて、本当に嬉しかったですね。宝塚時代からの結束の固いまま来て、凄く幸せだなぁ〜と思いました。でないとあの時の『浅間』は出来なかった。役者としてはハイ!いつでも出来ますよって感じだったのに、裏方やスタッフが間に合わなく、製作が駄目だったんですよね。えっ?大道具は?小道具は???と思っていたら、やっぱり間に合わないよね。更に転換が上手く出来ないんです。1日目を飛ばして、こわごわ開いた2日目からで、小道具があるかどうかが不安で、もしかしたら舞台が止まるかも知れない。上演中も暗闇の中に道具さんが立っていたりして、出来ないかと思いましたが、それを察知して、皆さんでそこから凄く盛り上げて下さったのが心強く思いました。
東京だけは何とかと思って、皆さんが沢山チケットを買って下さっていたし、サンシャイン劇場だからホロが出来たと思うんですけど、これが嬬恋村の体育館だったら?と思うとねぇ〜。旅行を兼ねてツアーを組んでいらした方々にはご迷惑をお掛けしましたけど、やらない方がいい事もあるんですよねぇ。皆さんが居て下さってこの作品は出来たと思うし、一緒に舞台を作っていく気がしたので、これからもいろいろとあると思うので是非助けていただきたいと思います。

宝塚に居る時は、チヤホヤされてあたりまえで、劇場前の皆さんが埋め尽くす沿道を何も話さないで通っていたけど、今は逆にアットホームな関係に慣れたのも嬉しいし、こうやって、応援して下さる有難味が解ったし、役者的にはかなり努力もし、必要とするものは勉強もしていますし、12時公演でも朝の6時半に起床して、1時間の発声練習してます。何が厳しいかと言うと、歌劇団の専科やそこのポジションにいたら必ず役も歌も来るでしょ。宝塚はこの人が居て、役を考えてくれるでしょ。
ところが、ミュージカルだったらこう言うキィーでこう言う声色のキャラクターが欲しいと言うと、それに当てはまらないとなれないでしょ。出来ないと駄目で、役は来ないから、そう言う役をどんどん取っていけるように、歌も踊りも幅広く柔軟性を持って勉強していかないとね。それで、歌劇団の時よりもずっとダンスのお稽古にも行っているし、歌は見てもらえないので自分でやってますけどね。
そう言う意味で、1年位は宝塚を引きずってもいいけど、これからはバックグラウンドを引きずっちゃいけない、それを売りにしちゃいけないなと思いますね。
他の女優さんはそれは無いので、元宝塚だからって甘えちゃいけないから、1年目の新進女優ですと言うつもりでやってます。つまり、事務所からそう言う風に頑張れって言われてます。取りあえずは1年目を迎えて、そんな風に思っています。皆さんもそのおつもりでついて来て下さい。

プレゼントコーナー

歌のプレゼント
(『浅間』でやるはずだったショーの中から、「生まれ変わり花」「悲しみの河」を2曲)
☆☆『浅間』公演に対して、不完全燃焼の気持ちを歌に込めて、ご披露して下さった直ちゃんです。

最後のご挨拶と今後の予定

直加 「皆様と喋る機会がなかなか無く、お稽古期間中は会えないし、久しぶりって感じで、会えたらメチャメチャ喋りますね。元々爆弾トークなのにね。楽しい時間が過ぎるのは早いもので、あっと言う間でした。、
今後のスケジュールは、10月15日〜19日まで、東京厚生年金会館にて、『My MirageU』をさせていただきます。『SHOCK』の時にご一緒したアッキー抜きのMAのメンバー(屋良君、米花君、町田君)3人と、宝塚とジャニーズのコラボレーションって感じのもので、
宝塚側は初めてご一緒する瀬戸内美八さん、真織由希さん、私の3人で、アンサンブルにもOGの方が沢山出て下さるそうです。宝塚色の濃い中にジャニーズがゲストという感じでしょうか〜?
今回の『喝采』もまだ始まったばかりで、お稽古やりながら試行錯誤していくと思いますが、沢山観に来て下さい。凄く宝塚的で、ピーターさんも楽しいし、アドリブもやりたいけど、ベテランの方が多いので、あまりやり過ぎると失礼かもしれないので、お任せしながら、浜さんや左トン平さん、ピーターさんのアドリブっぽい芝居を勉強して帰りたいなと思っています。
喋りすぎましたけど、沢山観に来て下さい。今日は楽しい時間を有難う御座いました。

ー拍手ー


 2004年7月20日yuko記

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