宝塚歌劇90周年記念 華麗なる宝塚歌劇展(川口そごう)

伊織直加トークショー 2004年5月23日(日)

『すみれの花咲く丘〜♪』のメロディーと共に伊織直加さんの登場です。
クリーム色の段々フリル、肩出しミニドレス、髪はランダムに纏めたアップです。もう、すっかり女の子に戻った直ちゃん!そのスタイルを見るや、会場から一瞬、どよめきが起こりました。(笑)

司会者「宝塚を退団して11ヶ月、バリバリの男役、筋金入りの男役だった伊織さん、今や立派な女性で〜、いえ、もともと女性なんですけど、早くも世間の女性に馴染んだ伊織さんです。」
伊織「辞めてすぐは不自然じゃない?って良く言いますけど、漸く最近慣れてきましたね。」
司会者「伊織さんに男役ウォーキングをと思ったのですが、折角ですので、もう一度、歩いて来る所からお願いします。」
そこで、直ちゃんはロイス風女優ウオーキングをキュートに披露してくれました。(会場沸き拍手!)

司会者「では、伊織さん、ご挨拶をお願い致します。」

伊織「90周年記念に招かれて楽しみにして来ました。宝塚ファンの方を前にすると、今だに専科の〜って言いそうになるんですけど、今日はとても嬉しく、楽しく、マシンガントークで行きたいと思いますので、よろしくお願いします。」(拍手)

司会者「今日はトークショーの最終日ですが、昨日のゲストは華宮あいりさん、伊織さんにメッセージをお預かりしています。」

☆☆あいり 「伊織さんお元気ですか?一緒に退団出来て幸せに思います。今日はお客様を沢山楽しませてあげて下さいね。私も沢山笑わせました。7月の『喝采』、観に行きます。(笑)」☆☆

司会者「あいりさんに言わせると伊織さんは下からの人望が厚いとか〜?」
伊織「面倒見は良い方で、割と世話焼きなんですよ。」
司会者「『カステル・ミラージュ』の後の『ダンシング・スピリット』の時に、銀橋で男役何人かで怪しい絡みがあったとか〜、その時にあの手この手と手取り足取りご親切に教えて下さり、今も役立っているそうですけど〜?」(会場笑)
伊織「どうして役立っているのか〜?(会場笑)この間、『shock』でご一緒した堂本光一さんのソロコンサートを観にいかせていただいたんですけど、男同士もジェラスラヴァーのような絡みがあるんですよね。宝塚もジャニーズも共通点があるなと、ジェラスラヴァーを思い出した所です。」

司会者、「では、伊織さんにいくつかの質問に答えていただきたいと思います。」

1、退団されて、宝塚の舞台をご覧になりましたか?

伊織「観ました。同期の湖月わたるの星組大劇場公演を宙組退団者メンバーで観にいきました。1年しか経っていないのに2.3年経ったような気がして、久しぶりに宝塚を観たら、何処よりも夢夢しいですね。外部はリアルな表現が求められるけど、皆さんがよく『綺麗な夢の世界に来たな』と言うのが、今よく解りますね。」

2、今だに宝塚の夢を見る事がありますか?

伊織「あります。よく、舞台に間に合わないとか、歌詞を覚えてないのに出るとか、帝劇なのか以前の東宝劇場なのか判らないけど、エレベーターが来ないので上から階段で降りて来るんだけれども、降りても降りても階段で、遠回りをして、やっと扉を開けたらディナーショーみたいな会場でそこは客席だった。皆がなんでこんな所に伊織がいるの?みたいな顔して見ている。そんな冷や汗ものだったり、どうごまかそうかと考えているとか、衣装が無いとかね…。」

3、男役から女優さんへの性転換は上手く運んでいますか?

伊織「はい、自分としては一路さんや春風姉さんと言う先輩がいたりして、手取り足取り教えていただきましたし、その次のお芝居からは周りが男性ばかりで、何故か女1人と言う恥ずかしい立場になって。宝塚の男役で娘役さんにセクハラみたいな悪戯するのが面白かったのが、今、自分がやられたら、どんな気持ちかがよく判るので反省してます。(笑)
恥ずかしい思いをする事で女性になり易いと言うか、マネージャーも男なので、『スカートも膝丈位が僕は良い』とかね。(笑)『喝采』も髪を切るなと言われてるので、これも地髪なんですよ。そんな風に女性に戻り易い環境ですね。」

司会者「伊織さんその髪型はご自分でなさるのですか?」
伊織「お仕事でヘヤーメイクさんにやって頂いたのを覚えておいて、今日、自分でやってみて出来たんです。」
司会者「手先が器用なんですねぇ〜。」
伊織「お料理とか、縫い物など、家庭科は駄目ですよ。でも、髪の毛とか、メイクはいかにしてこうなるのかとか、興味があって、前後を写真に撮っておいたりして、研究します〜etc〜」

司会者「そんな自意識の高い伊織さんですが次の質問は、」
4、最後にバナナを食べたのはいつですか?

伊織「最近は食べてないです。キツイ舞台とか男役の時は毎朝食べてました。約4キロ太ったので、バナナ止めてヨーグルトにしてます。宝塚の男役ほどしんどいショーは無いですよ。今辞めて5作目ですけど、あんなにしんどくは無かったですね。食べなきゃ持たないし、男役の時は体重があった方が良かったけど、女優は痩せ過ぎても駄目で付く所は付く方が良いので、筋肉はなかなか取れないんですけど、ヨーグルトとバナナを食べ分けています。」(腕の筋肉を向き出しにして見せる)
司会者「このトークショーにおいて、惜しげも無く生筋肉披露は伊織さんが初めてです。有難うございます。」(会場爆笑)

5、ストレス解消法は何ですか?

伊織「運動していないと駄目なんですよね。歌と踊りが無いと駄目で、エアロビクスのヒートをやるとやった気がするけど、それでも男役のショーの方がしんどかったから、汗をかく運動しないとストレスがたまるので、ジム、サウナに行ったり、サンディ(愛犬)の髪をサマーカットにする事、思いっきりカットする事ですね。」

6、ずばり、生まれ変わるとしたら男性か女性かどちらがいいですか?

伊織「男性に生まれ変わりたいと男役の時は思ってたけど、今はファッションとか楽しいから、女性の方が生まれ変わりたいかな。男性で歌舞伎の女形をやるのも面白いかも〜etc〜。」

司会者「かなりマシンガントークで進んでいますけど、」(会場笑)
伊織「そうですかぁ〜?普通なんですけどねぇ〜。」(笑)

司会者「では次の電光パネルならぬ単なるホワイトボードによる1番から9番までの数字の中から、伊織さんのお好みの数字を3つ選んでいただいて、数字に関するご質問にお答え下さい。」

伊織「9番と7番と1番ですね」

1番、次なる1が付く有名人男性のうち、1番気になる男性はどなたですか?
 A、野球選手の一郎君
 B、美川謙一さん
 C、石田純一さん

伊織「Aの一郎君です。笑い顔が可愛い人が好きだからで特に理由はありません。」
司会者「イチロと言えば、一路真輝さんの方が気になるでしょうか?」
伊織「もう、絶対にそうですね。女性としての演技を教わって、頼りになる先輩で、あれほど努力して追及している人はいない位です。声の事も的確に教えて下さり、メールをすぐ返して下さるし、人間的にも共通したものを感じるし、1番尊敬する先輩ですね。
博多座で私が腰をやられた時に、『ミュージカル界では宝塚のように裏声は通用しません。地声で何処まで出るかが問われます。』と、ロンドンで教わって来たことを惜しげもなく凄く教えて下さったんですよ。
教訓として今でも楽屋に飾ってますけど、『歌を怖がっては駄目で、精神的なことが1番影響します。腰とは関係なくお風呂で出る声は舞台でも必ず出ます。』ってね。」
司会者「いつも心の拠りどころとする人がいる、心に掛けて下さる方がいらっしゃる事は幸せですね。」
伊織「はい、ある意味でそれが転機ともなってるんですけど、良い作品にめぐり合えて幸せです。逆にジャニーズのプロ意識も凄いので教訓になってますけどね…。」

7番、昔から無くて七癖っていいますけど、どんなに癖の無い人でも7つ位は癖があると言うことです。ついついやってしまう癖とか、今だに抜けない癖、習慣などありましたら教えて下さい。

伊織「無くて七草?(爆笑)和物の世界で草履がすぐ出て来ないで怒られるんです。(笑)
今だに抜けない癖は仁王立ち!(笑)先日、WOWOWの収録に行った時も、スカートを履いていて『エンドレス・ラヴ』の曲がかかった途端、仁王立ちになったんですよ。あと、肩が抜けなかったり、風を切って歩いてしまうとかね。ウインクとか、ライトがあたると男役になってしまうんですね。お客さんが乗って下さったら、ハッ!とやっちゃうんです。女の子のスタイルしてて『ハッ!』と掛け声かけたくなるので、共演者の男の子に『ここで掛けや!掛けや!』と言ったりしてるんです。」(爆笑)

9番、やはり、宝塚90周年の歴史があるなぁ〜と感じる瞬間は?

伊織「袴ですね。夢を描いて華やかに〜♪と、全員が袴を履いて大階段にズラッ!と並んだ時に凄いなぁと思います。10年に1度しかやらないので、めったに見れないことだと思うんで、あれは凄いなと思います。80年の時は自分も居たんですけどね。」

司会者「緑の袴は劇団に返すものなんですか?」
伊織「緑の袴は自分たちの物で、入学と同時に買うんです。今も大事にとってありますけど。」

司会者「有難う御座いました。伊織さんにはもう1つ答えていただきたかった6番の質問なんですが、6月の花嫁と言えば、ジュンブライトですが、ずばり、結婚願望について、お伺いしたいと思います。」

☆結婚したいと言う気持ちが
 A、相当ある
 B、無い
 C、実はもう、している

伊織「……、C?実は子供もいるんですよ。(笑)嘘です。」
司会者「話を上手く反らされてしまいましたけど、本当のところは?」
伊織「あるか、無いかと言うと、全く無いと言うと、親が泣きそうだから〜。あると言っても仕事を辞めてまでもしたいと言う気は無いし、そんな都合の良い人がいるかなぁ〜、仕事を続けてもいいと言う人がいればいいかなぁ〜。会う機会がないので…、役者同士しか会う機会がないし〜、それはなかなか出来ないしねぇ〜etc…。」

司会者「はい、そう言う都合の良い人がいたならば、あると言うことですね。では、ここで会場の方からのご質問に答えていただきます。」

Aさん「私は4歳ですが、宝塚が大好きです。伊織さんはいつから宝塚を好きになりましたか?」

伊織「私はふざけてるんですよね。全然好きじゃなくて、1次が受かって、2次を受ける時に観て好きになった変り種ですね。映画を見て、ダンスオーディション会場シーンのように宝塚で経験してみたかったんですね。(笑)でも、入ってから宝塚を好きになって、宝塚にはまったんだなぁ〜と思います。」

Bさん「男役になるには身長が何センチあったらいいのですか?」

伊織「身長は何センチでもいいんですよ。自分で選べますが、今の所は164センチ以上かその前後で男役、娘役が決まってるんですね。私は164センチだったのが、本科、初舞台で167〜8センチに伸びたので、本当は娘役志望なのに、先生に『お前と組む相手は湖月わたるしかおらん』と言われて〜(会場笑)、『そんな風に厳選されてくるから損だ』と言われて、男役に決めたんです。ただ、どちらでも最低ラインは157センチ以上ないと駄目なんですけどね。」

Cさん「次の舞台は男役のようですね、ファンとしては嬉しいのですが、直ちゃんとしてはいかがですか?」

伊織「追求を重ねて、凄く男っぽくなってきたのが、また、一生懸命追求して、折角女性に戻ったのに、また、男役に戻るのが心配と言うことはありますね。ただ、15年間やってきたので、声は難しいかもしれないけど、宝塚のバリバリの男役じゃなくてよいと思うのでね。
安寿さんが辞めてから男役やってらっしゃるのを見て、そんな感じを目指して、タッキーや光一君位の髪型にして、女性が演じてる男で良いと思うんです。まるっきりガァーと戻ると怖いなぁ〜とか、10月にやる公演で『男っぽくなった!』と言われたら嫌だなと思ったりもしますけど、逆に、男も女もコロコロ変われる役者を目指していきたいと思います。」

司会者「7月1日から7月29日まで、帝国劇場で『喝采』に出演されます。ここSOGO9階にポスターが置いてありますので、お持ち下さいませ。」
伊織「アントニオっぽくないダクトさん(?)みたいなナルシスト、コメディ路線で霞食べてるの?みたいな、どっちでもない路線で〜、そんな風に自分の中では想像を膨らましてます。6月22日退団1周年記念に男役をさしていただこうかなと思っています。」(拍手)

司会者「それでは、最後にメッセージをお願い致します。」

伊織「宝塚を辞めて1年弱ですけど、お久しぶりに宝塚ファンの皆様にお会いでき、今日は有難うございました。その後、色々な舞台を続けてますけど、いつも観にきて下さる方には感謝しております。『キス・ミー・ケイト』『砂の戦士』『ラヴレターズ』『SHOCK!』『浅間』『喝采』で6作目になるんですね。
今の方が踊りや歌が厳しいので、レッスンも頑張っていますので、7月の『喝采』は是非観にきて下さい。OGの方は、浜木綿子さん、紫吹淳さん、風花舞さんが出られます。そして、秋は10月15日〜19日まで東京厚生年金会館で『My MirageU』に出ます。OGの方は瀬戸内美八さん、真織由季さんとは初めて共演します。
まだまだ、舞台は続けて行きますのでこれからも応援して下さい。観に来て下さい。今日は有難う御座いました。」

(拍手)カーテンコール(拍手)

報告が大変遅くなりました。もう、忘れてしまったような頃ですね。トークショーに行かれた方も行かれなかった方も、もう一度、『喝采』を前に、その時の直ちゃんを振り返って下されば嬉しいです。

2004年6月22日(退団1周年、トークショー1ヶ月後)yuko記

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