伊織直加東京お茶会 【’03.5月25日(日)東京會舘にて】

『傭兵ピエール&満天星大夜總会』公演中

 

『男の生き方〜♪、2つあるぅ〜♪、〜』と歌いながら直ちゃんの御入場です。私達は手拍子で迎え、『シェフは俺だぁ〜!♪』で格好良く決まりました。白の上下服に白い靴、ちらっと見える黒い靴下がお洒落です。ー拍手ー

ご挨拶と乾杯

「皆様、お待たせ致しました。ついに、最後のお茶会だなぁ〜と思いながら、こうして皆様と身近かで喋れるのも最後なので、今日は、時間の押せるだけ押してゆっくりと、出来るだけ沢山、楽しくお喋りしたいなと思っています。どうぞ、最後までよろしくお願い致します。」−拍手ー

「それでは皆さん、グラスを持ってぇ〜!いつかあったよねぇ〜、こんなの。タブロイドだったかなぁ〜?(笑)
では、今日はよろしくお願い致します、乾杯!!」

【とても爽やかで元気な直ちゃんです。】

質問コーナー

司会 東京公演初日と直ちゃんのお誕生日が重なりましたが、それはどのような一日でしたか?

「こんなのって珍しいと思うんですけど、私の退団公演の初日が自分の誕生日で良かったというか、運命的なものを感じて、内容の濃い一日でした。まず、皆さんに1日前と初日の3時間前にお祝いしてもらい、初日になるとバタバタしてるんで、宙組の皆からお祝いしてもらえる時間はないと思ってたんですよ。ところが、ウエディングケーキみたいな2段のケーキで祝ってもらい、スッシーなんか手をプルプルさせながら…。こういう日は、退団のご挨拶があるので、スタッフとか、宙組廻りやお芝居で絡む人とかへのご挨拶が、一時間位あるんですけど、その挨拶をしに行くと、皆に逆に騙されて〜、お誕生日をして下さったんですよね。暖かさを感じて、忘れられないお誕生日になりました。」

司会 直ちゃん、その白いお洋服は……

「この真っ白な服は、ファンの皆様から誕生日にプレゼントして下さったお洋服です。本当に有難う御座いました!サイズもちょうど良かったです。」

司会 お芝居の方で、トマを演じるにあたって、何か参考にされた事はありますか?

「2週間遅れでお稽古に入って、覚えるだけで必死だったんですよね。『キス・ミー・ケイト』が始まって、だいたい中日位に台本が来て、その頃ご存知のように、ギックリ腰で、キャラクター位はとか、台本を覚える位はとか思っていたのが、結局、何も出来なくて…。ロイスやってる時に、トマをやるとこんがらがってくるんです。初めは何とかぁ〜と思って、間の休憩に台本読んでたけど、おかしくなって来るんです。パッと話し掛けられると『あぁ〜?』と男役で返事したりして。(笑)
私が宝塚のお稽古に行った時には、形が出来上がっていて、外部のお芝居だと、自分で自由にやってきて『どうですか?』って見てもらうんですけど、宝塚は人数が多いし、今回ならではの団体芝居で、演出家の先生に位置決めとかしてもらっていて、誰かが喋っていても、どこの位置とかに動いたりするので、そう言うのが凄く多くて、すぐには覚えられなかった。新人公演のえり子がやってくれていて、レポート用紙10数枚位も…。結構、私は決められるのが嫌いな人なので、『えっ、ここじゃ、ダメなのぉ?』とか。動きを覚えてそれに気持ちを乗せるのが、初日とかは必死だったし、石田先生に『やっぱり声が高くなってる。』と言われて、自分では目一杯低く、男役やってるつもりなんですけど、今とは全然違ってたみたい。
舞台に行ってから、こんなだったとか思い出したりして…。
キャラクター的には参考にしたものはないんです。ルードビッヒのデュルクハイムみたいな気持ちで、たか子さんを思っているとか、傭兵達の事を思ってるとか、暖かいトマでいたいなと、最後だし、余計にそう思いますね。」

司会 トマはロベールと同じくらいに女好きなんでしょうか?

「えぇ〜??ロベールは女好きですけど、誰でもかれでもいい位に細いのから普通位のから連れて来るからねぇ。トマは趣味がいいんです。(笑)トマも影ではいろいろセクハラしてますねぇ〜、たぶんね。トマというよりも私のキャラなのかも知れません。結局私が入ったことで、かなり崩れてるんじゃないかと…。石田先生が新公の時に見に来られて、『だんだん、アドリブも増えてきて〜、』『すいませぇーん、いいですかぁ〜?』『勝手にやってぇ〜、自由にどうぞ!』って言われたんで、台詞を変えないようにしながら、好きにやってます。

大劇の初日開いて10日位経って、台詞の1箇所を忘れて、言ってない所があったんです。新人公演で言ってて、気が付いたんです。『そんなのあったっけ?』『ありますよ。』と。荒通しも本通しもした位から、いつの間にか自分で忘れて無くした台詞なんです。『シェフ、諦めた方がいいですぜぇ、外には1個中隊の騎馬兵が〜』のあれ、忘れてて、その1言だけ言ってたんです。
この団体芝居は好きで、1対1の芝居より気楽に芝居が出来ると言うか、台詞のない位置だけもあるので楽しんでます。
何の話からこうなったんだっけ?ロベールの女好きには負けますが、ある程度…はい。」

お客様ご来場 ー拍手ー

ゆうかちゃん(椿火呂花)とあひちゃん(遼河はるひ)です。直「有難う、わざわざ〜」
ゆうか「お茶会おめでとう御座います。……」「…終わり?」(笑)
「喋るの苦手だもんねぇ〜。涛麗ちゃんやってくれてるんですけど、芝居の時に、すみません、涛麗ちゃんがねぇ〜と言ったら、顎が割れたままで…。」(爆笑)「退団同期でね…。」
あひ「遼河はるひです。タキさんからお手紙預かってきたんですけど、忘れてきちゃって、すみません。」(笑)
「あ〜あっ、明日、タキちゃんに言ってやろ、しかも組長さんなのにぃ。」(笑)あひ「後でお届けします〜。」
「家まで届けに来て下さい」あひ「今、取りに帰ってお預けします。」(笑)
「あひもこう見えて、ニヤァ〜としてんのね。『大海賊』のキッドで『出来なぁーい』なんてね。舞台はバリバリで、娼館で私が振り回されて…。」(笑)
あひ「今日、いつも見ない所で、2人で抱き合ってる所見たんですよね。それが凄い伊織さんが苦しそうに、悲しそうな顔してるんで、よけいやる気になっちゃって…」(爆笑)
「いつも、『あぁ、私悪い人ですよねぇ〜、ああ言う役って辛いですよねぇ』って言ってるよねぇ〜。」(笑)
「ゆうかちゃんの方が上なんですよね。」あひ「そうなんですぅ。ゆうかちゃん、喋って下さい。」(笑)
「大丈夫、ディナーショーの時も(あひみたいに)リキがこうだった。」

【上級生を差し置いて、喋ろうとするあひちゃんは、言われてゆうかちゃんにバトンを渡す。私としてはあひちゃんのもっと率直で面白い話を聞きたかったけどね。(笑)】

ゆうか「…」、「1、2、3、4、5、6、7、8……、30秒位掛るから」
ゆうか「えっ、えっ、……??」直「ほらぁ〜」(笑)ゆうか「すみませんでした」
「いいえぇ〜、ディナショーでもそれが良かったの。貴女というキャラが居てくれて、とても盛り上がりました。」

3人で記念撮影の後、
「あっ、私のチョーカーしてる」ゆうか「うふっ、、」
「うふっ、ってぇ〜、反応がないんです。大阪人としては突っ込みたくなるんです。名古屋ってもねぇ、落ちがない。」(笑)

【こんな感じのやり取りだったんですけど、間違っていたらごめんなさい。yuko】

「明日もよろしくお願いします、有難う!」 ー拍手ー

「愉快な2人でした」

質問コーナー

司会 ショーについて、黄色のスーツの場面の所で、ソフト帽が大変お似合いですが、被り方で意識されてる事はありますか?

「やっぱり、この辺は花組育ちですから、自然に身に着いたものでしょうか。其々違うけど、なつめさん、ヤンさん、タモさんも、みんな格好良いんで…。自然に斜めにって言うか、帽子の形が悪いのは絶対に許せないんですよ。実は自前なんですけどね。劇団から借りてたのは非常につばが長くて、ダンディズムの女役さんが被っていたものらしく、長さとかその辺がおかしいので、どうしようもないんです。本当はいけないんですが、最後と言う事もあって、お衣装部さんも気にして、ワイヤー入れてくれたりして、工夫してくれたんですけど、どうしようにも形が嫌で、自分で作りました。ビデオ撮りまでに間に合わせようと、大阪の中日前位に変えられたと思うんですが…。
時々、お手紙で『あれ?なんか、変わりましたね』と何回か気付いていただいたんですけど、その通りなんですよ。格好悪いのは許せないんで、斜めのはこだわりがあります。ほとんど、顔が見えない位で良い。下級生なんかは顔が見えないと嫌な人もいますが、あれは顔が見えなくていいんです。ちょっと、マスクみたいでしょ。赤、青、黄で信号機みたいで…、どんな暗闇でも見えるみたいな。」

司会 異邦悲恋について、短い間に椿さんとの悲恋を語っておられますが、表現するにあたって、注意された点をお聞かせ下さい。

「やっぱり、難しいですね。今回のショーはいろんな事沢山あって、場面が次から次に変わっていますが、1場面が短いんですよね。4つ大きな場面がありますけど、1曲1曲短いと思うんですよ。ショー全体として、1ハコ多いと思います。
離さないぃ〜♪、パッと会って、すぐ巻き込まれるという〜。戦争に行ってた人の恋人が娼館に売られていた。その人をなんとか助け出そうと思うが、あひると言う(笑)厳つい門番というか、頭みたいなのが居て、火に炎上されていくんですけど…。たか子さんが魂の詩人みたいにして、歌ってくれていて、次の場面まで続いていって、私が蘇っていくんです。転回があまりにも早過ぎて難しいです。ショーなので、そこはあまり深く考えないでおこうかなという感じです。『ジャズ・マニア』でやり合うかと思ったら、続きみたいな〜。それと一緒かな…。」

再び、お客様です。ー拍手ー

織花なるみさん、七帆ひかる(新トマ)さん、夢大輝(タケ)さんです。

「さっき、送り出してくれたばかりなのにぃ〜」
織花「テーブルをぬって来るの大変でした。」「ディナーショーに引き続き、いろいろ作ってくれるし、化粧前とか製作してくれて、いろいろやってくれているんですよね。早替りの所とか、凄くお手伝いしてくれていて有難う」
自己紹介、「夢大輝でーす」、「親公のアントニオです」「織花なるみでーす」「七帆ひかるでーす」
七帆「カードをみなさんからお預かりしてきました。水夏希さん、風輝さん、速水りき、咲花杏、早霧さいな、十輝いりす、音乃いずみ、綾花ちか、和音美桜、鮎瀬美都、草凪萌、天羽珠紀(?)さんからです。化粧前に並んで置いてありました」「ほんと、有難う」

「ディナショーメンバーですね。いつも2人組でやってもらって。この人のトマはどうでしたか?私がプードルトマで、この人は柴犬って言われてるのね。水の役の人は馬と呼ばれてるのね。ズボン下りた後、うしろでおちょくると、必死で笑うの堪えてる。私は『泣いてみな、ヒヒーン!』と言ったりして。最近、笑ってるね。」
七帆「『笑っちゃった〜』と言って反省してました。」「本当?頑張ってね、新公も。」
七帆「凄く緊張したらしい」直「めちゃくちゃ緊張してるように日頃見えないんだよね。いつも着替えとか手伝ってもらってるんですよ。」
七帆「足で纏いで…」直「いいえぇ〜、千秋楽までよろしくお願いします。どうも有難う」

 記念写真の後、拍手でお見送り

質問コーナー再開

司会 ショーの最後で、黒燕尾の場面、逆三角形の頂点に立たれて、どんなご気分でいらっしゃいますか?

「これはやっぱり、15年男役をやって来て、初め組配属の花組で、『ベル薔薇』の三角形も黒燕尾で落ちそうな端っこで踊ってました。研1なのに入れてもらえて、その頃、なつめさんとか厳しかったんです。黒燕尾が出来ない人は花組じゃないって言われていた位、毎日残されてました。花組は、昔、凄く厳しかったんです。ずんこさんにも『コントラクション!』とか、足で蹴られたりして、豹の場面とか〜。一番下で入ってるんで、『ベルバラ』できっちり90度にカッ!と格好付かなかったりして、みつよさんとか瀬川かよさんとか、ピアノの上にまで乗って、『そこら辺ダメ!』とか言われて、出来るまで帰れない位厳しい時代があったんですよ。
だから、それがあって、15年経って、何回か『すみれのボレロ』とかやって来て、あぁ〜辞める時に私は三角形の頂点に立てたんだなぁ〜と毎日嬉しく、あの場所に立たせて頂いてます。」

【いやぁ〜、泣けてきますねぇ〜。でも、ほんと、最後にその頂点に立てて良かった!!あの黒燕尾は本当に素晴らしいもん、そんじょそこいらの即席黒燕尾とは違いますよね!長い間ご苦労様、直ちゃん。】

司会 デュエットソングについての心境もお聞かせ下さい。

「デュエットソングは齋藤先生が凄く考えて下さったのでしょうね。本当に有難いと思ってるんですけど、私の心情そのままなんで、私が書いたんじゃないけど、すんなり入れる歌詞なんで、一回一回本当に大切に、仲間達にも、支えてくれた人達にも、毎日観に来て下さる皆様にも、気持ちを込めて毎回毎回歌いたいと、凄く大事に歌ってます。
今回のショーは齋藤先生が、男役ならではの場面を与えて下さったなと思っています。足とか上げてないし、ガンガン踊ってないから、体力的には全然しんどくないんです。振りをやれと言われてるわけではないので、振りはやらないけど、黙って立っていて、どの位持つか〜の、スーツや燕尾、白い軍服などの場面を貰ってるなぁ〜と。男を格好良く演じないと出来ない場面を頂いてる感じで、中でもそのデュエットソングは、ほんとに伊織直加そのものでいきたいなと、思ってるんですけど。ただ、オケの先生と合うのが難しくて、ゆっくりになっちゃうんですけど、なかなかぁ〜。その分、私も上手く使ってですねぇ〜…。
お気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、今、楽屋では風邪が大流行していて、私も、水も、マルクも全滅なんです。音量的に申し訳ないんですけど、それも、ここのデュエットだけは、ちゃんと歌おうと思っているので、ちょっと抑えさせてもらってます。風邪なんか引いてられるかぁ〜!と言う位、最後まで、どんな状況にあっても代役を立てずに自分で歌いたいなと思ってます。」−拍手ー

【おぉ、さすがぁ〜、我らが直ちゃん、男らしいぞぉ〜!】

ー各テーブル事に記念写真と握手会ー

「赤ちゃんが面白かった。凄い凝視されたの、可笑しかったのかなぁ〜、不思議なものを見るように…」(笑)

【お客様が抱っこして連れてらした赤ちゃんが直ちゃんのすぐお隣に座られていて、そのお客様のお膝の上で真横の直ちゃんのお顔をずっと見っぱなしだったのが私達にも印象的で、とても可愛かったです。】

再び質問コーナー

司会 退団を発表されて、博多座で1ヶ月『キス・ミー・ケイト』、2月〜3月は大劇場公演、4月ディナーショー、5月〜6月東京公演と、それも残り1ヶ月弱となり、お気持ちの上で、何か変化の方は御座いますか?

「今年に入ってからドタバタですね。スケジュール的には気持ちの変化と言うか、さっき、女の子がね『1つ聞きたいことがあるんです。どうして辞めようと思ったんですか?』『うぅーん…』と困っちゃったんですけど。
退団を発表したのは去年ですよね。1月頃からが退団の波に入っていった感じです。スイッチの終る頃から私の頭の中で考えてはいたんですけど、実際的にはスイッチ終わってからかな。それまでも一杯やって来て、もう、やり残した仕事は無いなと。いろんな取材が立て込んでいて、答えてますけど、『どうして退団されるんですか?』とかね。自分の流れ的には、たぶん、大体同じような事を喋ってると思うんですよね。

初めはアントニオをやった時位に、ここまで男っぽい役をやったら……。
いろんな役に出会って、いろんな役をこなしてきたように、引出しが出来て、壁にも突き当たって、アントニオ役が、男っぽい役に感じて、自分が目指していたような役を長く真面目にサラッとやってきて、だからバシームが難しく感じたのかも知れない。結構、花組で濃い男役を創ろうとしていく傾向もあったし、真矢みきさんの親公役をやって来たりして。役を自分に近付ける人もいるけど、役に成りきるのが好きだったし、新しい役が出来る度に、そう言う引き出しを貯めていって、増えていったんですよね。

アントニオやった後で、ここまで男臭い男っぽい役が出来て、次に女役が来て、究極の所まで試せた気がするんですよ。劇団からも誉めて頂いたので、私は男役として完成したかなぁ〜と。専科のお兄様方に言われるかも知れませんが、受験してる時も、男役にも宝塚にも興味が無かったんですよ。それがこれだけ居ると思ってなかったし、宝塚には運命的なものがあったんですね。
ブロードウエイミュージカルがやりたくて、アニーとか映画のミュージカルをやりたくて夢を持ったのが、中一、中ニ位なんで、うるさい位に親から医者になりなさいと言われて、14歳か15歳位にそっちの方に行きたいなと、『フラッシュダンス』のオーディション風景に憧れたんですよ。15歳で言ったら、『ダメ、ダメ!』と。だた単に『オーディションを受けてみたい!』が、15歳だったんで、結局受けたのが16歳で、高1終了なんですけど、東京に1人出る事も許されず、『宝塚なら、家から通えるぅ〜』と言う事で受けたんですよね。

宝塚に入ると、こんなはずじゃなかったって感じで。私は髪の毛も長かったし、女っぽかったんですよ。やってることは陸上やってたんですけど。髪の毛を切るのが嫌で、しぶしぶ男役になったんですよ。授業が楽しくてやって来たので、宝塚の生徒としては変わってたんですよね。なんて化粧が濃いのだろう、なんて男ぶってるんだろう、しかなかったんで…。
文化祭とか、自分が舞台に立ちだして面白くなって、上級生の方が面白くて格好良いし。入りだすとのめり込んで、研究するタイプなんで、どうしたらあの上級生みたいになるんだろうと思って、そこから長い道のりで、路は長かった…。左足は内足だし、腰も弱い方だし、自分の身体を変えていって、それこそ、チャーリー、りかさんを見てマコ先生のダンスレッスンの真後ろで踊って、どこか盗んでやろうとか、香寿さんの役をやらしていただいたて、どうやったら、あの目線とか誰々のしぐさが出来るんだろうと研究してるうちに、あっと言う間に年月が経っていました。
だから、アントニオが出来たのかなと…。アントニオはかなり運命的なものを感じてて、自分にとっても凄く研究してきた男役の集大成っぽい役だったんです。その次にきたのが女役で、やれるとは思っていなかったし、もともと憧れていた15年前を思い出し、そこで運命的なものを感じたんですね。

アントニオで完成されて、一回女に戻ってみればぁ〜?と上から(劇団じゃない)、ご先祖様じゃないけど、(笑)天から聞こえてくるような気がしたんですよね。自分の中では、ロイスも演じれるとは思ってなくて、凄く、研究を重ね、地方公演なんか出てられるかぁ〜って感じで、遅れて入るようになるので、とても出来ないと思ってたのが、東宝の方達にも言っていただいたし、ディナーショーも、また、やらしてもらえる事がわかったし、じゃぁ〜、わたると兼ねてから、『ヘイス・オフ』をやりたかったので、出来るかなと思ったら、それも通ったんですよね。
全部させてもらえて、そこでよけい『今よ!』と、私に天の声が聞こえてきたんです。女役もやってみて、男役はもう後一作でいいかなぁ〜と。同期共演を果たし、ディナーショーも聞こえてきたんで、これで全部自分の中で、出来上がった。あぁ、今しかないんじゃないかな、このまま行くと、一生男役をやり続けるか、外部専門とか、男、女と交互にやってるとか…。(笑)

皆様には細かく説明しておきたいなと。取材とかにも聞かれ、劇団の人との話し合いは時間も掛かりましたけど、自分の中ではもう…。
よく、『すっきりした顔してぇ〜』とか言われるんですけどね。やりたい事やらして貰えたんで、ほんとに幸せだと思います。

何の話からだっけ??

心境の変化ね、今はこの男役を残り1ヶ月、もう2度と出来ない思いが強いので、宙組さんも凄く暖かく迎えてくれるし、よく考えたら2度しか出てないんですよね。凄く溶け込めた形で、初めて出た組で、『あぁ、宙組で辞めよう!』と『もう後1作で最後にしようかな』とか、全部が重なったんで…。
ディナーショーの時に大介先生とかに1人トランクに詰めて…と言うと、ファンの方からのお手紙で、よく、ブーイングが来るんですけど、是非、トランクに乗ってって下さい。とりあえず男役はこれで…。ずっと研究して来たんですけど、もう、自分の中では達成感というか、まだ1ヶ月、残ってるんですけど、随分やり終えた気がしてるので、男役は燃え尽きたいなと思います。でもまだ、舞台は辞める訳ではないので、引き続きロイスも観に来て頂きたいと思っています。」

ー拍手ー

【有難う御座います。こんなに長く丁寧にご説明頂いて、直ちゃんのお気持ちや、ご決心がとても良く解りますね。それでも、私達にとっては、宝塚の直ちゃんでなくなる事、近くにあった宝物が、うんと遠くに飛んで行く感じがするし、掴み所がなくなるような気がして、寂しさがドドドッ!と押し寄せることには変わりませんけどね。】

プレゼントコーナー

幸運にも当たりくじを引いた人に直ちゃんから、サインを入れた会のウェア ポーズ付き2ショット写真
会場の皆様からは直ちゃんに、ハンドバック

ー華宮あいり様からお手紙が届きました。「あっ、女っぽい〜、有難う」と直ちゃんー

歌のプレゼント(デュエット曲)

『あぁ〜、時は過ぎぃ〜♪、あの日の星今、あぁ〜、流れゆく、思い出は〜♪、君との日、スマイル、忘れてたぁ〜♪
優しい、微笑みさえ、そぉ〜キラキラと春を待つ〜♪、恋人へ♪
果てなき空〜、ブルースカイ君は踊るぅ〜♪、鳥のように、朝日浴び、羽ばたくよぉ〜♪
あぁ〜、旅立ちはグッパイ〜♪、言葉も無く、たぁ〜、歩きだす、いつかまたぁ〜♪、忘れなぁ〜いぃ〜〜』

ー拍手ー

「オーケストラのお稽古用のテープは随分早いんですよ。本番は、それだけたっぷりと歌ってると言うことですよね。」

直ちゃんから会場の皆様全員にプレゼントです。

「大阪のお茶会でもお話させて頂いたんですけど、東京でも同じようにさせて頂きたいと思います。私の男役は最後のつもりでいます。なので、男役しか着れない物、スーツとか、ネクタイとか、カウスとかいろいろ、メチャクチャ男っぽい物など、そう言うのを私としては皆様が1番大事に取っておいて下さると思ったので、皆様全員に持って帰っていただきたいなと思います。下級生にあげる分もあるので、ご心配しないで下さい。それだけ、沢山あるんですよ。ネクタイだけでもざっと数えても百本位あるので…。退団してからはたぶん、着けないと思いますので、皆様、是非、受け取って下さい。」

【50位ある各テーブルを一つ一つ直ちゃんが廻って、大きな袋を置いていきます。その中に各自の番号札と一致したものを頂くという仕組みです。直ちゃん、本当に大切なものを有難う御座います。それにしても、あまりにもキッパリとしていて、一抹の寂しさが過ぎり、複雑な気持ちでもある私です。】

「凄いバリバリの研2の時からのもあり、舞台で使おうと思って持っていたのに、使えなかった物もあるし、それは当たった物次第ですね。シャツにゴムやマジックが付いているものは、男役で使う股ゴムと言って、ずり上がらないようにするんです。舞台で使った愛用品です。」

【みんなワイワイと、いつまでも興奮覚めやらずと言った感じで、楽しそうな笑い声が会場全体を包んでいました。】

最後のご挨拶

「この公演も残り約一ヶ月ですね。普通よりは少し長いのも運が良かったと思ってます。ほんとにやりたい事は全部やったんですけど、でも、やり残す事なく退団したいなと思っています。結構外部と行き来してるから、宝塚って凄く暖かい所だなと、よけい感じます。宝塚のお客様もそうだし、宝塚の舞台って、転んでも間違えてもお客様は拍手してくれるでしょ、有難いと思います。外部ではあり得なかったりするんで、私が忘れたくないものは東京宝塚劇場の大階段からの眺めと言うものは一生忘れられないだろうと。最後の挨拶もまだ、何にも考えてませんけど、みんなを見渡して考えたいなと思ったりしてます。
このお茶会もアッと言う間に終わりで、楽しい時間は過ぎるのも早いもの、毎回癖みたいに言ってるね。(笑)女優になってもディナーショーとか言ってたりしてね。残り1ヶ月を男役として、満喫して燃焼したいなと思ってます。皆様、是非、最後まで、大階段を降りる一瞬まで、その日1日が終わるまで、その後のパーティーが終わるまで、12時まで、お付き合い頂きたいと思います。宝塚の男役として、最後までよろしくお願い致します。」

今後のご予定

「引き続き『キス・ミー・ケイト』で、8月3日〜29日まで梅田コマ劇場でロイスになって、ビアンカになって、男に戻る事無く女性役を頑張りたいなと思ってます。その後の事は追々話していこうと思ってます。退団するまでに、もう1作発表出来るかもしれません。それはまた、追々お話させていただきます。
宝塚にいる間は、どちらかと言うと、キリキリとした中で、かなりきついスケジュールが多かったんですけど、その分、沢山舞台にも出られたんですけど、卒業したら、もう少し、その辺を気楽に行きたいなと思っています。
予定はその都度、お知らせしたいですし、男役じゃないと嫌だと言う人もいるかも知れませんが、伊織直加と言う名は変わりませんので…。
これから男っぽい女になるのか、ロイスはキャラとして創ってるんですけど、今後どう言う女の子になるのかなぁ?と案外判らなかったりするんで…。15年間履いてなかったスカートも履いてみるのかなぁ〜?チャーリーさんは今だに蟹股だそうなんですけど、『直加も履いてみぃ〜、たぶん蟹股やでぇ〜』(笑)。たぶん、そうなると思うんです。蟹股もねぇ〜。先の事は考えられないですけど……。
退団しても、梅コマで皆様にお会いして、入りや出はどうなるのか判りませんけど、12月まで、ファンクラブも運営していきますので、その都度、逐一、御知らせ致します。女性役の私でも一緒にトランクに乗って付いて来て下さい。よろしくお願い致します。
どうも、楽しい時間を有難う御座いました。」

【丁寧に、何度も何度も「有難う!」を繰り返しながら、退場されました。】

「直ちゃん、明日の入りの時間は?」直「明日はお稽古があるので、開演2時間前、頑張って午前11時半に入ります。」

以上、そんな言葉を残して、宝塚最後の楽しかったお茶会が終わりました。yuko記

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