2005年4月、ミュージカル『オペラ座の怪人』 劇団四季版及び映画版を見て……
当時のおしゃべりルームの日記から追加します。
4月15日(金)オペラ座の怪人!
昨日は、劇団四季(海)劇場に出かけました。新橋から歩いて数分、都会のど真中、実に便利な所にある劇場だぁと、まずはつくづく感心。(笑)一年ぶりに会うファントムさんなのですが、出演者全員の歌唱力がやはり素晴らしい!見応えがあります。クリスティーヌも可愛らしい人で、歌声も素晴らしかったです。帰り道、歌声がずっと耳に残っていました。
昨夏、宝塚宙組のミュージカル『ファントム』を4回も観劇し、偉く感動したので、フランスの小説家ガストン・ルルーによる原作本『オペラ座の怪人』を読んでみた所、その奥深さと面白さにますます興味が湧いた。
オペラ座の地下は、まるでミステリー!!壁から聞こえる不思議な歌声、鏡が回転すると、そこは暗闇の階段。未知に溢れた地下深くへと通じ、ともすると、落とし穴が仕掛けられていたり、えたいの知れないカンテラを下げた鼠男が通り過ぎたりする。不気味な地底には無数のろうそくで彩られたファントムの住居がある。少し行くと、訳の解らない湖?湿地帯?があり、湖の外れは地上に通づるようになっている。
オペラ座の客席、3階5番ボックス席を怪人専用に開けて置くようにと怪人自らの命令。怪人が怒り狂うと殺人が起き、シャンデリアが落下する。プリマドンナの美声が出なくなる等の災いが起きる。仮面を外すと怪人の醜い顔が現れる。怪人としては最も知られたくない秘密の素顔なのである。そんな醜い顔の怪人が美女クリステーヌに純粋な恋をしてしまったから大変!
怪人(ファントム)の哀れな生い立ちを知らなかったなら、私はこのオペラ座の怪人に対して同情はしなかっただろうし、このミュージカルに感動もしなかったかも知れない。
原作を読んだ後、アンドリュー・ロイドウェーバー版ミュージカルが観たくなった。宝塚で上演されたものはアーサー・コビットとモーリー・イエストン版であるが、原作はガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』である事には違いない。2種の台本、作曲者が全く違うため、私としては興味津々なのである。過去に1度、観てはいるが、さほど印象に残っていない。幸いなことに、今春、劇団四季が再演しているので、心新たに拝見した。
劇団四季の演出は、オペラ座側から怪人を見ているので、一見、悪者で卑しく恐ろしい怪人に仕上がっている。音楽はかの有名な曲が流れ、オペラ歌手や主役達の歌声も本格派で非常に音楽的であった。
ちょうどその頃、ジョエル・シュマッカー監督のミュージカル映画『オペラ座の怪人』も日本で上映されていたので、好評故にこれも拝見してみた。一応、アンドリュー・ロイド=ウェーバー版であり、もちろんガストン・ルルー原作である。
なるほど、映画ならではの細かな表現とダイナミックさがあり、原作に近く、かなり判りやすく表現してある。クリスティーヌ・ダーエ役の俳優(エミー・ロッサム)は綺麗で魅力的であるし、怪人ファントムも大柄で立派な俳優(ジェラルド・バトラー)だ。ラウル役もその雰囲気を持った俳優(パドリック・ウイルソン)であった。
こうした主要人物が吹き替えではなく、俳優自身の歌声だから凄い!実際に其々がミュージカル俳優やオペラ歌手であるらしい。
雄大な音楽が鳴り響き、すさまじい爆音でシャンデリアが落下し、オペラ座が燃え上がる。オペラ座の美術はまるで本物のように豪華で立派に見える!!ラウルがクリステーヌを探し出す為、地下に入り、怪人が仕掛けた落とし穴にはまってしまう。増水の為、死にそうになる所も映画だから出来るこの場面。
ダーエ家の墓地も雰囲気が出ていて良い。映画は何でも出来るなぁ〜と実感。2時間半たっぷりの上映は言うまでもなく迫力満点で大変良かった。
原作により近いのが映画版だったかも知れないし、美しく興味を誘ったのは宝塚版だったし、生演奏が素晴らしかったのは劇団四季版だった。演出法でこうも変わるものかと改めて感心したと同時に、今後、『オペラ座の怪人』は私のミュージカルお気に入りページに付け加えたい1品となった。ー終りー
2005年5月5日yuko記