ブロードウェイミュージカル『レ・ミゼラブル』

ヴィクトル・ユゴー・原作

★日本盤「レ・ミゼ」を観る為のyukoお勧めポイントとあらすじ★

ジャン・バルジャンと言う1人の男が、妹の子供が飢え死にしそうなので、パンを1つ盗んだ。その為、19年も牢獄に捕らえられていた。

『1815年、ツーロン』

やっと仮出獄の許可証を手に、外へ出たが何処へ行っても人々はまともに相手にしない…。再び盗みをするが、出会った司教様の偉大な情けで神に誓って生まれ変わるジャン・バルジャン。しかし、仮出獄のまま逃げ伸びたので、逮捕せんと刑事ジャベールが、ずっと追い掛け回す。

『1823年、モントルイユ・シュール・メール

8年後、ジャン・バルジャンは工場を経営するほど、金持ちになって現れ、力が強くて弱いものを助け、市民に賛美されるほど立派になっており、市長の位置にある。
だが、そこで刑事ジャベールに再会し、自分と良く似たジャン・バルジャンという男が処刑される事を知り、自分が本当のジャン・バルジャンである事を名乗り出て、罪の無い男を助け、自分も姿を晦ます。

その頃、工場ではいざこざがあり、1人の罪も無いご婦人が工場を辞めさせられた。その婦人がコゼットの母親フォンティーヌだ。待ち続けた夫は帰らず、夢は破れ、生活は貧しく、掛替えのない一人娘を人に預け、自分は身を切るほど働き、仕送りをしていたのに、他の女工の誤解や妬みから仕事を失ってしまったのだ。仕方なく、大切な首飾りを売り、長い髪を切って売り、最後は身を売ってしまった…。名曲「夢やぶれて〜♪」フォンティーヌの歌
ある時、嫌な男と喧嘩をして警察に突き出された彼女を救ったのがバルジャンだった。自分が経営する工場の小さなトラブルを下心のある工場長に任せていた為、フォンティーヌが解雇されたのを知った。だが、フォンティーヌは発病していた。責任を感じたバルジャンは警察から彼女を譲り受け、看病したが幼いコゼットを案じながら彼女の命は力尽きた。フォンティーヌの死に際に、「コゼットは私が面倒を見る」とバルジャンは約束した。
またまた、肝心の時に刑事ジャベールが現れて、バルジャンの前にはだかるのだが、力ずくでもその場を逃げ、コゼットを救いに行く。自分に託された指名を貫き通すバルジャンだった。

『1823年 モンフェルメイユ 』

さて、ここはコゼットが預けられているインチキ古宿を営むティナルディエ夫婦の館。名曲「宿屋の主人の歌〜♪」デナルディェ
幼いコゼットは厄介者扱いにされながら、こき使われている。
名曲「幼いコゼット♪」リトルコゼット
夫婦には
一人娘エポニーヌがいる。コゼットと同じ年頃で綺麗な服を着て猫可愛がりされているお嬢、お姫様だ。
暗く怖い道を1人で水汲みに行かされたコゼットは、水の入った重いバケツを運ぶ帰り道、探しに来たバルジャンにバッタリ会う。
声を掛けられ、驚いたコゼットは彼が良い人だと判るとすぐ素直に彼に懐いた。欲張りのテナルディエ夫婦はコゼットと引き換えに、バルジャンに対して「ああだ、こうだ」と大金をせびるが、ある程度満足できる金を叩き付けられ、コゼットを返す。

『1832年、パリ』

そして9年後、パリでは市民達の暴動があちこちで起こり、戦争の匂いがしていた。
パリの下町、ブリュメ街では飢えに苦しむ人や、生きる為にうさん臭い商売をしたりする人が蠢いていた。
金持ちが通るのを狙って、染み付いた悪知恵の塊、けちな商売人がやって来た。あのテナルディエ一家とその仲間だった。(例の宿屋は潰れたのだろうか?)その中には年頃になった
エポニーヌも汚い格好をしてやってきた。

街の一角に学生が集まるカフェがあった。リーダーはアンジョルラス美男のマリウス。少年だがしっかりしているガブロッシュは学生達に重宝がられ、仲間に加わっていた。その他個性豊かな学生達が戦う為の集会を毎日開いていた。名曲「民衆の歌〜♪」アンジョルラスと学生達

エポニーヌはその中のマリウスが好きで夢中だ。マリウスはそれに気付かず友達だと思っている。
そんなある日、バルジャンと美しい娘に成長した
コゼットが通りかかった。偶然、マリウスとコゼットが鉢合せをして、お互いに一目ぼれ!
そこへ刑事のジャベールもテナルディエらの悪事を裁きにやってきた。まさかそこでジャベールに会うとは〜。だが、上手い具合にその場をさっと逃げる事が出来たバルジャンとコゼット。

マリウスはぶつかった娘が忘れられず、エポニーヌにコゼットの居場所を探してくれるよう頼む。
今のエポニーヌは子供の頃のお姫様みたいな洋服姿とは違い、顔も汚れ、服はボロボロだ。それに比べ、今のコゼットは綺麗な洋服を着て、お金持ちのお嬢様になっていた。あの時とまるで逆転、更に自分の好きなマリウスがコゼットに一目ぼれとは〜。
しかし、愛する人の為、エポニーヌは親を裏切ってまで、コゼットの住む家をマリウスに教え、マリウスとコゼットを危うい所から助ける。
名曲「ブリュメ街〜♪」コゼット

★★コゼットとマリウスのデュエット、エポニーヌの孤独、ジャンバルジャンの使命、刑事ジャベールの職務、戦いに挑む学生達と、この辺りからストーリーは盛り上がっていき、音楽も大変素晴らしい★★

〜第2幕〜

学生達がバリケードを築き、僅かな民衆と共に戦いに挑む。マリウスは、エポニーヌを通じてコゼットに「戦いで死ぬかも知れない」と恋文を送る。マリウスの為に健気なエポニーヌは、身の危険も顧みず託された恋文をコゼットの住むバルジャン宅に届ける。
バルジャンは受け取った手紙をコゼットに渡す前に読み、恋人マリウスを自分の代わりに助けなければ!コゼットを彼に託さなければ!とバリケードに向かった。

手紙を届けたエポニーヌは帰る所も無く、ただ自分の運命の無さを泣き叫ぶように雨降る夜の街角を彷徨い歩く。名曲「♪オン・マイ・オウン」(観客全ての人が耳を一つにする瞬間です。)

砦では学生達が意気盛んに赤い旗を振り、名曲「♪民衆の歌」アンジョルラスと学生達が高らかに歌う。
最初に、学生達が構える砦に上ってきたのはジャベールだが、少年ガブロッシュに刑事だと見抜かれてしまい、縄を掛けられてしまう。
次は、やっと辿り着いた血だらけのエポニーヌだが、マリウスに抱かれて息を引き取る。そこで初めてエポニーヌの気持ちを知り、悲しみにくれるマリウス…。
続いてやって来たバルジャンは戦いが始まった時、1人の敵を討ち、その働きにリーダーから感謝され、捕虜のジャベールを託される。そこで、バルジャンは皆に気づかれぬように、ジャベールに向かい「私を捕らえるのは貴方の職務だ。貴方自身が悪いのではない」と小声で言うと縄を解き、ジャベールを逃がす。

その後、バルジャンは戦いを前にして一眠りしているマリウスに、願いを込めて静かに祈る。名曲「彼を帰して〜♪」ジャン・バルジャン
やがて、戦いは本戦となり、残りの市民は加勢に来ない……。打ち合いが始まり、赤旗を振りつつも次々に味方が撃たれていく。マリウスにも一発の銃弾が当たり、地べたに転がり落ちた!戦いは凄まじくなるばかりで、次々に学生達が銃で撃たれていく。ガブロッシュも打たれて死んだ。あのアンジョルラスも……。皆、逆さまにぶら下がって死んで行く。
観る方も居たたまれないほどに衝撃が走りますよ

砦が落ちて全滅した時、ピクッ!と動き出したのはバルジャンだった!腕の傷だけで済んだのか、痛む腕を堪えて、マリウスの生死を確かめる。気絶をしているが死んではいないことに安堵し、下水道の蓋を力ずくで開け、逃げ道を見つけると、そこからマリウスを助け出す。

異様な臭気が漂うであろう地下の下水道、汚水の流れる音がワンワンと響く。こんな時、人の死骸を担ぎ金になる物を盗む、泥棒が発生するものらしい〜。誰かが人を背負って来た。よく見ると、どこまでも抜け目が無いあのテナルディエである。
そこへ、バルジャンがマリウスを担いで通りかかったが、疲れて一眠りし始めた。その間にテナルデェはマリウスの時計や指輪を拝借。傍らにジャンバルジャンが寝ているのに気づき、足早に逃げ去った。

とは知らず、再びマリウスを抱えて下水道を進むバルジャン。またしても刑事ジャベールがバルジャンの前に立ちはだかった。バルジャンは「マリウスを救う為に、今すぐ医者に連れて行きたいから逃してくれ!」と頼む。職務としてはすぐにでも捕まえなくてはならないジャベールだが、一度、命を助けてもらっているので、結局は見逃してやる。
さぁ〜、そこから、ジャベールは職務としての自分の行いを悔やみ、バルジャンの尊い正義に負けたのか??渦巻く大河(セーヌ川)に身を投げる。
名曲「♪スター☆」(ジャベールの絶唱!感動の場面)

マリウスの命は助かり、コゼットの看病で快復に向かう。しかし、多くの友を失い自分1人が助かった悲しみは深く、友の歌声が今も耳に響いてくるのだ……。名曲「♪カフェ・ソング…あぁ〜友よぉ〜♪」マリウス
コゼットは悲しみにくれるマリウスを慰め、バルジャンはマリウスに自分の過去を打ち明け、コゼットを託す。
いよいよ2人の目出度い結婚式です。その会場に、華美で野暮ったい正装姿のテナルディエ夫妻が参加して来た。テーブルのごちそうは厚かましく食べまくるし、金銀の食器は衣服の中に隠し込む。
下品な、こそ泥根性があらわで観客から笑いの対象となっている。夫婦のテーマソングが流れると手拍子も出ている位だ

テナルディエはマリウスに、砦が落ちた日、下水道で見た出来事を金と引き換えに話した。マリウスはそこで始めて自分がバルジャンに助けられた事を知り、その場で結婚式を投げ出し、コゼットを連れてバルジャンの元へ駆けて帰る。
大任を果たし、力尽きたバルジャンは生死の境を彷徨っており、コゼットの声に目覚めるが蝋燭の灯りも乏しい〜。そしてまもなく、神の使いが来て、天に召されて行く…。フォンティーヌ、エポニーヌ、学生達の歌声が遠くから聞こえて来る……。終わり

★★ポイントは上記した名曲の数々であり、各登場人物の生き様であり、無駄のない演出です。人の明と暗、醜さと尊さ、富と貧、対称的な語り口が物語を深く、面白くしています★★

2007年8月、総まとめyuko記

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