『しあわせのつぼ』お茶会レポート 2006年8月6日

『しあわせのつぼ』公演中に、伊央里直加さんを囲んでのお茶会が銀座のレストランで開かれました。
私達は久々に集う仲間達と美味しいご飯を食べ、散々おしゃべりをして、場もほどよく盛り上がった頃、直ちゃん到来です。
歓声と拍手で迎えられた直ちゃんは薄緑の軽やかな夏物ワンピースをお召しで、長く伸びた髪はゆるいウエーブがかかり、美しさに加え、とても爽やかな感じがしました。

まずは、いつものようにご挨拶をなさり、

「ーー…、隆平さんに振られる役なので、毎回、心がしんどくて、どよよん〜とへこむ感じです。泣き過ぎて鼻声になって、テンション低いかも知れませんので、皆さん盛り上げて下さい。(笑)」
と今の心境を語る直ちゃん。乾杯の後は司会者による質問コーナーに入ります

司会者ー安藤恵美さんとしての役作りはどのようにされましたか?

「今回、役を作ったイメージがあまりないんです。間もいいし、早いし、会話風の流れで、ふぅーと持って行った感じですね。いつもなら怒られたり、悩んだりとするんだけど、今回は何となく乗っけてもらった感じです。
最初、気の強い女性役と聞いていたので、本読み段階では『最悪の人生』で演じたミチル的に、ガァー!ときつく言ったら、福島さん(演出家)に自分から悪い女創らなくていいです。例えば、峯富士子(みねふじこ)さんとか、さとう珠緒ちゃん風にやって下さいと言われたんですよ。
つまり、セクシーだけど、男性が愛人にし易い、騙し易い女を作って欲しいと言う事らしく、峯さんと珠緒ちゃんが入り混じってるのね。(筆者はこのお2人を存じ上げませんので、誤字の場合、お許しのほどを…謝)
誰も悪い人を作りたくないのが作者の意図するところなんですよね。自分が始めに思っていたのとはちょっと違っていて、ハートを大事に、気持ちを重視した作品になる様にして下さったので、逆に凄くやり易かったですね。

稽古場の雰囲気も凄く良くて、開演前には必ず、ラジオ体操を全員でやり、ジップザップゲームと言うのを凄い速さでやるんですが、そのおかげで、舞台に入って行き易いですね。(ゲーム感覚の役者同士のキャッチボール、お口のトレーニングみたいなものでしょうか?)
舞台は毎回違うので、凄く面白く刺激にもなり楽しいです。」

司会者ー恵美が動揺する気持ちを抑えて、「実は気づいていたの!知ってました」とか言うのはどのような心境なのでしょうか?

「隆平をめぐる奥さんの順子さんと愛人の恵美は、立場が全然違うけれど、心情は同じかも知れない…。認めたくない女の勘で、奥さんでなくても他に彼女がいるんじゃないかとか…。私は気づいていたの、知ってるのに、知らない振りするのは辛いし、問い質すと破滅に向かうんじゃないかとか…。
息子の考ちゃんが『僕も我慢していたんです』と言う事で、息子さんに悪かった!と罪悪感を持ったんですね。恵美は恵美なりに考ちゃんの家庭が円満になるように何とかホロウしていこうと思い、実は知ってました!となるんですね。
作品が、かなりリアルで普通なんですね…。ミチル『最悪の人生』の方が極端に創った芝居だから面白いです。今回で、実際に愛人はやりたくないと思いました。(爆)現実にはよくある話なのかぁ〜と思ったりしましたね。皆さんやった事あります?(爆)経験は皆さんより少ないですよね。」(笑)

司会者ー最後に切れる寸前のキーワードとなっている言葉『恋愛は目を開け、結婚は目を瞑れ!』について、恵美さんの意見と、直ちゃんの意見を教えて下さい

「恵美は立ち直ろうとしているのだけれど、夢の中で隆平が叫んだ人の名は純子だった…。自分が長い間歌ってきたはずの歌が、実は大切なものだったんだ…。と思い知らされたと同時に息子さん側の事を思って、奥さんに対しても罪悪感が沸いてきたんだと思います。

私の意見としては、結婚しても目は瞑りたくないし、許せないですね!演出家の福島さんに芝居やりながら怒ってました。(笑)
隆平が『安藤恵美と別れた』と言う所が疑問で、本当は寝てるときに立ち去ったのだから、隆平は知らないはず!息子の手前だからそう言った〜?次の日に電話が掛かって来るかも知れないけど、恵美自身が切ったから、それは終わりになると言うことでしょうね…。

結婚したら目を潰れと言う人とは結婚したくないですね。でないと私だったらイジイジするかも知れない。(笑)
作者の家は結構お父上も浮気性だったとか??そういう感覚もあるみたいですけど、私の家は両親仲が良いので、私の場合、うちの親のような家庭を築きたいですね。もてる人とか、危ない人ではなく、自分の意見が通る人が良い!(爆)相手が主婦みたいな人で、老夫婦になっても手をつないで、のほほんとしてる家庭がいいですね。ある意味、自分が引っ張って、専業主婦のような人が良いと思ったりします。でないと離婚しますね。

宝塚時代か名鉄の時だったか?ニューヨークから占いの方がいらしてて、私は3回結婚するとか言われてるんです。でも、そうはいかない〜、自分の運命は自分で開くと思ってるんですが…。

もの凄く格好良い俳優さんだったら、ある程度折れなければしょうがないだろうから、役者さんを相手にするのは大変なんじゃないかと思いますね…。仕事場で格好良い人はいっぱいるし、組ませても頂いてますけど、危険な気がして、興味ないですね。宝塚歌劇のようにピュア・ラヴ思考なので〜。(笑)何の話??」(爆)

司会者ー台詞無し、暗転待機時の役者さんについて、話して下さい。

「暗転を取り入れ、4場面同時進行は面白い試みですが、1日の出来事なので自分の事を整理しておかないで他の芝居を見ちゃうと、凄くややこしくなっちゃうんです。自分の流れを整理しておかないとタッチの差で芝居が流れているから。リアルタイムでやってる芝居が見えちゃうんです。
宝塚だと怒られそうなのに…。ある意味、お客さんが観たい所選べるのね。お客さんの目が分散してるんです。舞台上で待機してる時、逆に私からお客さんがどう反応してるかが見えて、面白いです。客席で笑いが起こるのも、聞こえちゃうから、笑っちゃうと大変だけど!!」

司会者ー場面の転換、タイミングとかの支持はあるんですか?

「はい、1人裏方さんがキューを出しているんです。屋上の演技からすぐ病室に変わって、間を空けずに台詞が入る。それが面白いんですよね。集中力が必要で、判らなくなった時にある意味怖いですね。誰かが台詞を噛んだ時に結構アドリブ言ってるんです。稽古場の通し稽古では笑いっぱなし!
里子さんは最高に面白く、出場所を間違えてパニックになったこともあります。隆平さんも本当に寝ちゃったりして。でも、何でもありで芝居つけられるのね。私も初日やってしまったし、逆にリアルな芝居だからごまかし易く、達者な人が多いから上手くやってくれます。
宝塚やミュージカルは8小節の間に台詞をこれだけ言わなければいけないとか、決まっているから照明が当たったら来たな!と思うけど、こんなに決まっていない芝居は面白いけど、怖いなとも思いますね。」

司会者ーOFFのLOVE・BEATについてお願いします

「徐々に落ち着いてきまして、この中でも何人かいらして下さってますけど、来られて断念された方も〜〜。(爆)
私もインストラクター暦が浅く、いろんな人に合わせなくてはならないのですが〜。
宝塚などでは踊れて当たり前、筋肉があって当たり前から始まっているので、長年身についたものが離れないんです。パワーヨガでもシークエンス事態がきついんです。ヨガも瞑想協会とか色々あって、ストレッチ重視でやってきた方にはきつく感じるんですよね。
アメリカのヨガスタジオは日本よりも凄くて、逆立ちとか出て来る出て来る。日本のはきついと言ってもそんなにきつくは無いんです。アハーフィットネスも真ん中の所に合わせて、皆さんに合わせてと思ってやってます。
ダウンドックとかのマットサイエンスは日本で教える分には自分がやらないと判んないんじゃないかと思い、やってますが、全米アライアンスヨガの高いものは口で言ったら皆動いていくんです。
ただ、あまり、緩い所に合わせていくと、ダレてしまうと思いますし、宝塚感覚だとちょっと自分をきつい所に置くと、自分も向上していくんです。
皆さんに対しても、つい、そう言う所に持っていく癖があるんで、好きな時に出て頂けたらと考えていますので…。私も、ある意味勉強させてもらってます。

今、2足の草鞋を履く女と言われてます。ライセンスを取ったから私も色々とやりたくて、新人だと絶対休めないんで、ちょうど舞台の入っていない10月からフットネススキルの方をやりたいです。ゴールド事務からも、スポーツウエア関係の某社がスタジオオープンするので、新人としてお話頂いてます。そこは代行も立てて良い事になっているし、宝塚出身と劇団四季で固めるらしいので、是非やってみたいと思ってます。
そんなで、1日48時間欲しい位で、凄く楽しいです。ゴールド事務は9月から募集して、10月オープンなので、舞台が入っても行けます。舞台の方も力抜きたくないし、ゴールド事務は3月お休みなので、2月お稽古、3月舞台で、ダンスパート(芸者)をやらせてもらいます。結構踊ります。
そうすると上手い具合にフットネスが間に入り、2月はちょっと被るかも知れないけれど、朝7時枠とか夜遅くとかの枠を取れれば取って…。
フィットネスの方は始めたばかりでスキルさえ取ってしまえば良いんだけど…。2つやるとどうしてもそうなるんですね。そんなこんなで恋愛してる暇はありません。」(笑)

テーブル毎の撮影が行われた後、直ちゃんはふと、こんな事を〜。

「昨日ね、ぽっぽさんの結婚式だったのぉ。舞台中だったので、2次会の終わり頃駆け付けたんだけど、とてもお幸せそうだった!最近、こんな時しかスカート履けなくて〜。今日も迷ったんだけど、久々にスカート履いて来ました。腕に筋肉が付いてきて、筋肉質になって、髪の毛も切りたくなってきた位です。
普段はジーンズ履いてます。退団当初は女性になろうとして、必死だったのに、あまり、お洒落しなくなったんです。だから、こういう時にだけ履いています。結局は元に戻るのね。
今回の恵美役の歌う場面もキャラ的にはセクシーじゃない方が良いと思い、ダンスの振りは自分で付けました。東山さんとの絡みの部分は東山さんが振りを付けましたけど、『ロミオとジュリエット』でもやった例の首回し?の振りが入ってました。(笑)布施さんの素晴らしいバラードの前には歌だけを聞かせたくないので、踊りながら歌い、少し女に見えるようにすれば良いじゃんと言う事でこんな風になりました。」

ープレゼントコーナー

直ちゃんからの愛用品、オレゴンのチョコレート土産、私達からのプレゼント(体組成計なんですが、筋肉量、内臓脂肪度、骨密度、ホルモンバランスなど、詳細にチェックできる機能付きです)、歌のプレゼント『しあわせの形』と続きました。歌声がよく通り、無理なくとても綺麗に歌えていました。(拍手)

司会者ー最後に今後の予定とご挨拶をお願いします。

「2足の草鞋を履く女と言われてますが、やはり両方やりたいんです。今はフットネスの方に力を入れたいし、英語もやって、うんと先には向こうでも仕事をやりたいんです。こんな私に付いてきて下さって、有難うございますなのですが、舞台も勿論やりたいし、楽しいし、舞台の時もラブビートを休みたくないなと言った具合です。
来年3月〜4月『出雲の阿国』やります。前田清美先生が振り付けで踊りが多いです。芝居とか台詞はほとんど無いと思います。それまではフィットネス重要視していきたいと思います。両方楽しいので、両方やっていきたいなと、自分が2人欲しい位です。
1年に1回でも2回でもこう言うお茶会をやりたいと思ってます。皆さんに会うとホッとします。毎公演、違うファンの方もいらっしゃるし、こう言う関係を続けていけたらいいなと思います。今日は楽しい時間を有難うございました。」(拍手)

yukoの報告としては以上ですが、いつも率直に本音を話して下さる直ちゃん!めいっぱい前向きで、順調に自分の目標に向かって進んでいらっしゃいますね。少々欲張りかな?とも思ったりしますが、若い時だからこそチャレンジ出来る特権、頑張って欲しいものです!
筆者による聞き取り不十分な所や独断的な解釈、割愛させていただいた部分も多々あるかと思いますが、ここを訪れて下さる方に少しでも直ちゃんのお考えが伝われば幸いです。

2006.8/29yuko記

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