宙組大劇場公演ダンシング・スピリット!』グランド・レビュー
(2001年11月16日〜12月25日)

  

  

  

  

 作・演出  中村 一徳

 

 作曲・編曲   西村耕次、甲斐正人、鞍富真一
 振 付   名倉加代子、家城比呂志、藍エリナ、大谷盛雄、KAZUMI−BOY
 出演者   和央ようか、花總まり、水夏希、他宙組生全員  
 新専科〔 湖月わたる、伊織直加、成瀬こうき 〕
  プロローグ

全体的に白とゴールド使いの洗練された舞台配色です。プラネタリウムみたいな天井背景、無数の電飾が宇宙の星を、いいえ、宝塚の星をイメージいるのでしょう。宙組らしい感じですね!(^。^)
男役さんは白燕尾に蝶ネクタイ、メタリックなベスト、娘役さんはゴールドやメタリックなドレスを着ています。
トップの和央ようかさんの歌で始まり、水さん、専科さんが順に登場です。男役さんをバックに湖月、
伊織、成瀬、水さんら4人が踊ります。
花總まりさんが登場した後、和央さんの再登場で、主要メンバーが銀橋に出て、『ダンシング・スピリット』の華やかな幕開きです。

  ダンシング・スピリット!

舞台下手、銀橋前に、湖月わたるさんがライトアップされました。黒上下スーツに煌びやかな黒ベスト、黒のストライプシャツ、黒のネクタイです。強烈に歌い、踊り、客席に向かって、気の利いたアピールを送りながら、銀橋を渡ります。
舞台中央、高く上がったセリに、格好良くスタンバイしている
伊織直加さん(直ちゃん)にライトが当たりました。湖月さんを引き継いで、今度は直ちゃんが力強く歌います。衣装は同じで、ストライプシャツは赤です。下級生を引き連れて、ちょっと、ボスの続きのような気もしますね。セリが下がって、ジャズのリズムで激しく踊ります。
【躍動感があって、とてもいいです!】
娘役さんも扉の向うから直ちゃんの誘導で溢れ出て来ます。
メロディがスローテンポに変わると、成瀬こうきさんが登場して歌います。湖月さんが再び登場し、陵あきのさんとデュエットダンスします。やがて、何組かのデュエットダンスとなります。
直ちゃんは城華阿月さんとです。
【直ちゃんのお茶会に来て下さった方ですね!阿月さんの眼差しがとても優しく、直ちゃんもそれに答えて、雰囲気がとても良く、観ている方もうっとりするようです。なるほど、軽くて勝手に樹に登ってるようなんですね!(笑)】
この耳慣れたジャズのメロディが、再びアップテンポになると、専科3人(湖月、
伊織、成瀬)の切れの良いダンスに変わります。上着を脱いで、肩に掛け、キラキラした黒いベストに色違いのストライプシャツです。都会的で実に格好良い専科の場面です!!
【この辺の順序は合ってないかもしれません。あまりの素敵さに我を忘れて、ボケッ!と観ていたので、はっきりと覚えておりません……(^_^;)】

  ダンシング・ジェリー

下手の銀橋前のセリから、紫の素敵な衣装を身に着けた和央さんが上がってきます。毛先が跳ねた長髪です。
【大柄の和央さんに良く似合っています。】
盗賊の頭なんですね。銀橋を歌いながら渡ります。舞台では、盗賊の子分達がカラフルな衣装で踊りながら、頭を迎えます。さらに幕が開くと、そこは宝石の国、七色に輝く万華鏡のようです。様々に煌く石に扮した娘役達が歌い踊っています。上階から、ブランコに腰掛けた宝石の女王様が、まばゆいばかりに降りてきます。花總さんです!それはそれは美しい宝石のお姫様です。和央さんが、いとおしそうにその美しさを称えて、花總さんを取り囲むように踊ります。その眼差しに自然な色気があっていいですね!
【たか子さんも立派になったなぁ…。演技の上達に感心します。数年前に、一路真輝さん主役の『恋騒ぎ』で、惚けた丁稚役を上手く演じていたのを、思い出してしまいました。(笑)】
そこへ、水さん筆頭に兵士達が突入して来て、盗賊との戦いになります。戦いも、勿論、ダンス表現です。盗賊の勝利で、再び、宝石の煌びやかな世界が蘇ってきます。盗賊の頭と宝石の女王を中心に、華やかな万華鏡の如き世界を称えて、終わります。

  ダンシング・リズム

舞台は一転して、男っぽく引き締った和の世界になります。太鼓の音が鳴り響き、水さんを中心に気合の入った若人がダンスを披露します。お揃いの白い和装は、金に黒く縁取った桜のマークが両胸に付いています。太くて黒っぽい腰紐を巻き、髪はダイナミックに逆立て、白鉢巻をキュッと結んでいます。長刀のような棒を振り回しての力強い踊りでした。
代わって、湖月さんが中心になったグループが登場し、さらに唸りを聞かせた歌になります。衣装は同じです。太鼓の音が更に鳴り響き、笛の音も入り、テンポがドンドンと増していきます。
バックステージが開きました。そこは炎の世界です。メラメラと燃え盛る炎の男と女が踊っています。銀橋に和央さんが突然現れ、それらをリードして歌います。和央さんは黒と赤の衣装で、確か長い金髪です。軽快なダンシングリズムで炎がドンドンと燃え盛ります。湖月さん、
直ちゃん、成瀬さんも参加して、全員のダンスです。一端引っ込んだ和央さんが、ゴールドに衣装換えして、再び出て来ました。銀橋に主なメンバーが並びます。直ちゃんもいます。客席は手拍子(裏打ち)です。
【最高の盛り上がりで、ここは観客と一体になって、とても楽しいです!】
やがて、炎は下火になり、全員が舞台から去ると、残り火が、まるで火の粉のように飛んで来て、銀橋に向かいながら歌います。はい!
それが直ちゃん(伊織)です。6人の火の粉達も着いて来ましたよ。曲は代わって、直ちゃんが、ネットリ?と『ジェラス・ラヴァー』を歌います。ここが評判の、直ちゃんが振付を任されていると言う炎の男、赤い人の場面ですね!(笑)皆、お揃いの赤いタイツに、短めのヒラヒラとした真っ赤な衣装と赤い鉢巻です。髪も大胆に逆立て、赤いパウダースプレーが掛かっています。上手客席の間近で、残り火がメラメラと、怪しく燃えていますよぉ!
【ちょっと、ドキドキですねぇ……。とっても美しい選り抜きの火の粉達ですよぉー。(笑)】

  ダンシング・キャッツ

舞台は一転して、薄ねずみ色の世界です。都会の下水道、マンホールの中でしょうか…。しっかり鼠の花總さんを中心に、沢山の鼠達があちこち走り回っています。花總さんの髪は両耳のところでクルクルと丸めて、鼠の耳のようにお茶目さを出しています。軽快なブギウギのリズムです。どうやら、鼠達は猫の住処に迷い込んでしまったようです。
親玉猫は和央さんです。猫軍団も沢山いますよ。鼠達がオールグレイの衣装に対して、猫達はカラフルで、原色のブレザーを着ています。直ちゃんや他の専科さんも猫です。
直ちゃんは赤いブレザーに緑のズボン、ドイツ国旗みたいなTシャツです。髪を逆立てて、迷い込んだ鼠達を懲らしめ始めますが、どっちもどっちの猫と鼠のダンス合戦でした。
【演じる側の人達も楽しんでいらっしゃるようです。直ちゃんもわたるちゃん(湖月)と、何度も目配せをして、楽しそうに笑っていらっしゃいました。観ているよりも、仲間に入りたい感じでしたね!(笑)】

  フィナーレ

フィナーレナンバーです。いつの間にか、鼠の衣装から爽やかな水色衣装に着替えた水さんが、銀橋を渡り、歌いながらロケットを誘導します。元気な掛け声がして、久遠麻耶さんを中心に、颯爽とラインダンスが始まりました。
代わって、青いコスチュームの成瀬さんが歌い、娘役さん達が華やかに踊ります。
直ちゃんがピンクの燕尾姿で、大階段にスタンバイしました。男役さんを数人引き連れて、歌いながら降りてきます。
【とても素敵な場面で、本当に綺麗な直ちゃん!!】
次に、湖月さんが黒上下に、真っ赤なふりふりシャツを覗かせて、数人の男役さんを引き連れて、歌いながら大階段から降りてきます。
【力強くて強烈な印象がします。】
そして、和央さんですね。ブルーの素敵な衣装です。和央さんが舞台に降り立つと、その周りを、湖月さん、直ちゃん、成瀬さん、水さんが色違いのシャツ姿で踊ります。直ちゃんは濃いピンクシャツに黒のパンツです。
その後は、トップさんのデュエットダンスになります。花總さんのドレスは和央さんと同色のブルーです。
【宙組さんを象徴するかのように、ロマンチックなデュエットダンスでした。】
パレードです。
直ちゃんは青燕尾、青い羽根です。和央さんは黒の衣装に立派な黒い羽根でした。白とゴールド使いはプロローグと同じで、いつもながら、ゴージャスなフィナーレで幕を閉じました。

【場面場面への流れが良く、どれも見所があり、観る者を飽きさせない転回で、あっという間に55分が過ぎて行きました。】

【記憶が薄れつつある中、何とか書かせて頂きましたが、進行や衣装等、不明瞭な点は、どうかお許し下さいますように……。その辺は東京公演で、また、じっくりと観てみたいと思います。お読み下さった方、本当に有難う御座いました。m(__)m 】 2002年1月10日 筆者

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