TCAスペシャル2002「LOVE」宝塚大劇場

2002年6月6日、7日  演出 石田昌也


出演者花組 大鳥れい 月組 紫吹淳 映美くらら 雪組 絵馬緒ゆう 紺野まひる 星組 香寿たつき  渚あき 宙組 和央ようか 花總まり 専科 初風緑 湖月わたる 伊織直加 彩輝直 成瀬こうき 雪組下級生19名】 


毎年行われるTCAスペシャル!今年は宝塚歌劇創立88周年であり、TAKARAZUKA SKY STAGE開局を記念して、東は東京宝塚劇場で、西は宝塚大劇場で、2日間、同時開催されました。
出演者も2手に分かれ、東京は轟悠と若手スター達、宝塚は各組のトップスターと専科5人で構成されました。テーマも「LOVE」と「DREAM」です。
私は、専科伊織直加さん(直ちゃん)が出演される大劇場に出掛けましたので、若干独断偏見気味ではありますが、ご報告をさせていただきたいと思います。

ちょっと久しぶりな宝塚ホテル(いつもは反対側のワシントン)に宿泊です。武庫川の橋を渡る夕方の風が心地良く、初めて1人で訪れた時の事を思い出しました。あれからどの位の年月が流れ、どの位のスター達が入れ代わったことでしょうか…、なぁーんてね。そんな思いにふけりながら大劇場に向かいました。開演近くになると、顔見知りの東京人もチラホラとやって来ましたよ。私の席は2階で、舞台の比較的良く見える位置でした。

さて、前置きはこの位にして、いよいよ開演です。

オープニング
各組のトップカップルが、組ソングに乗って登場です。トップカップルとバックを勤める雪組の最下級生が華やかに出揃うと、銀橋でのトップ男役のご挨拶です。

MC
紫吹淳(りかちゃん)、絵馬緒ゆう(ぶんちゃん)、香寿たつき(タータン)、和央ようか(たか子さん)の4人です。
其々が自分を含め、組紹介をし、今年のTCAの成り立ちを話します。また、今回は花組の匠ひびき(チャーリー)さんがご病気でお休みの為、皆で力を合わせて頑張りますとのお断りがありました。

続いては専科コーナーです。
聞き覚えのある「L・O・V・E」のメロディで初風緑(ガイチさん)、湖月わたる(わたるちゃん)、伊織直加(直ちゃん)、彩輝直(さえちゃん)、成瀬こうき(おっちょん)と5人の登場です。紫のお揃いの燕尾服、弾けるように飛び出して来て、「LOVE」を元気に歌いました。
気が付くと2人が消えて、MCはガイチさん、わたるちゃん、直ちゃんの3人です。其々が活躍の場を語り、やがて出演する作品を宣伝紹介しました。わたるちゃんは日向薫さんと、直ちゃんは一路真輝さんと、大先輩の宝塚OGとの共演について、3人意気投合した感じで、雰囲気の良さが伝わってきました。そうしてるうちに次なる準備も整ったようです。

ヒート・ウェーブより「海をみつめて」、成瀬さんのステージです。
いつの間にか、いなくなったと思ったら、水色の素敵なお衣装に着替えていたのですね。
続いては彩輝さんのステージです。真白なとても素敵な衣装に身を包んで、上手から登場し、銀橋に向います。歌はディナーショーより「キッシュ」でした。

渚あき(あきちゃん)、花總まり(花ちゃん)のMCです。ふりふりと水玉模様の思いっきり派手な衣装で、少しずつ色違いです。88周年なので、ハチにちなんだ次なる歌を紹介します。娘役さんの歌うステージです。

「八十日間世界一周」を大鳥れい(みどりちゃん)と映美くらら(エミクラちゃん)、紺野まひる(まひるちゃん)で歌います。同じく派手で可愛い衣装です。
「茶摘み」は渚あき、花總まりさん。「マンボbW」を娘役5人揃い、跳ねて飛んで歌ってと〜。

彩輝直、成瀬こうきさんのMCです。自己紹介の後、次なるワールドメドレーに繋げます。

ワールドメドレー
【中国】 虞美人草より「赤いけしの花」、紫禁城の落日より「大いなる落日」を和央ようかさんの歌です。真っ赤なチャイナ風衣装です。落ち着いた雰囲気と、なかなかの貫禄です。つくづく立派になられたなと思います。映美くららさんが最初の歌で登場し、さり気なくデュエットを組み、歌って去ります。次に渚あきさんが現れてたか子さんと共に歌い、次に繋げて残ります。

【フランス】「シャンソン・ド・パリ」あきちゃんが1人で歌いました。「パルファン・ド・パリ」は花ちゃんが歌い残って、次に繋げます。

【スペイン】グラナダより「歌を翼に」、バレンシアの赤い花より「瞳の中の宝石」は絵馬緒ゆうさんのステージです。花ちゃんが共に歌い、大鳥れいさんにバトンタッチして、次に繋げます。

【アメリカ】メイフラワーより「希望の帆」、オクラハマより「オクラハマ」、紫吹淳さんのステージです。大鳥れいさんと組んで歌い、次にまひるちゃんが入れ替わって残ります。

【日本】「望郷の琵琶歌」「花夢幻」は香寿たつきさん。まひるちゃんと歌って、映見くらさんの再登場です。その後はタータンが去り、「夢の日本」を再び娘役5人が揃って歌い結びます。お揃いの大人っぽいピンクのロングドレスに髪飾りが其々個性的でした。

暗転になると、舞台後部中央にお待ちかねの人影が〜、そうです!
伊織直加、直ちゃんのステージですね!ディナーショーから「ジュピエール」です。黒地に花模様のシックで、エレガントなお衣装です。たっぷりと思いを込めて、銀橋に向かいます。心を込めた熱唱は、聞く身に染み入るようでした。

次なる、湖月わたるさんは「月夜の歌聲」です。藤色の衣装だったような記憶が〜?(ゴメンナサイ!直チャンの後は少しの間、ボゥ〜として、2度見ても記憶が薄れてる私ですぅ〜。わたるちゃんゴメン!)
専科のラストは、哀しみのコルドバより
「コルドバの光と影」
初風緑さんです。ラテン的と言うか、スペイン風な衣装です。さすが、安定した歌いっぷりで、聞かせてくれました。

残るMCは、大鳥れい、映美くらら、紺野まひるさんです。みどりちゃんはチャーリーさんの分まで頑張りますと挨拶すると、会場から大拍手が起こりました。

第一部の最後は「テンプテーション」全員のダンスです。
男役トップと専科はお揃いの黒燕尾(少しキラキラが入っています)で、直ちゃんはぶんちゃんと、ちょっとだけ怪しげな男役の絡みがありました。(笑)みどりちゃんとも一瞬組んで、懐かしげなお顔をなさってるように見えました。

第二部 各組にちなんだメドレーからです。
【雪組】「白い恋人たち」「ブリザード」ぶんちゃんとまひるちゃんです。
【花組】「花」チャーリーさんの分まで、みどりちゃんが1人で一生懸命歌いました。
【星組】「星に願いを」「スター・ダスト」タータンとあきちゃんのコンビです。
【月組】「ムーライト・セレナーデ」「ムーン・リバー」リカちゃんとエミクラちゃんです。
【宙組】「アクアエリアス」「銀河鉄道999」たか子さんと花ちゃんです。右サイドに薄く長く流した花ちゃんの髪型がちょっと変わっていました。薄紫のドレスも大人っぽさを感じました。しっくりとした雰囲気のあるカップルです。
いづれも雪組の最下級生がバックステージを交代で勤めました。

さて、次なるは、面白喉自慢コーナーです。
【TAKARAZUKA・SKY・STAGE開局記念喉自慢】
司会は大鳥れいさんです。赤いブレザーに白のプリーツスカート、お顔には大きな鼻ボクロが一つ、これが2日目は2つになっていて(楽は3つ??嘘でしょう〜。私は3回目は見てませんから分かりません…。)
鐘を鳴らす乙女はミスすみれ!紺野ヒルコと映見クラコさん、2人共短めのカーリーヘヤーに真白なお洋服、とてもチャーミングで姉妹のようですよ。ちょっと、田舎臭さが入っている所が笑えます。

トップバッターは農協の研究員3人組です。ガイチさんに直ちゃん、わたるちゃんです。農協命と書いた黄色のヘルメットを被り、白い上っ張り、何故かリックを背負い、リュックの中から菜っ葉がはみ出し、キュウリも頭を出しています。直ちゃんのヘルメットは農、ガイチさんは命、わたるちゃんが協です。
3人並ぶと農協命ではなくて、
農命協だから変〜。(笑)ガイチさんの手にはブロッコリーが〜。「荒城の月」を歌いだすと、「昔のひかり〜♪を、昔のしかり〜♪」と、東北弁が少し入ってるから可笑しいぃ〜。キンコンカンと合格の鐘です。
次はユニホーム姿の草野球3人組、チーム名はブレーブスとか〜。成瀬さんと彩輝さん、キャップテンのたか子もいます。何故かバットにボールも持っている(でも、一応まともかぁ〜)。歌は「ソーラン節」。

ふと、控席を見ると、すでに歌い終わった直ちゃんはじっとしていませんよぉ〜。野球チームが歌い終わった所で、鐘を鳴らそうとする乙女のエミクラちゃんを捕まえて、鳴る鐘の妨害をします。農協のお兄さんが綺麗なネェちゃんに、ちょっぴしイタヅラ気分も大ですねぇ〜。(笑)
さて、いつの間に現れたのか、
暗めのサラリーマンがちょこんと着席してます。ぶんちゃんです。地味な背広に片一方だけズボンが短くて、赤い靴下が丸見えです。おまけにズボンの糸が一箇所ひきつれて、つっぱっています。順番が来て、前に出ると、相棒が急に来れなくなったので、歌う自信がないから帰ると言う。そこで、みどり司会者が代わりに歌うからと手助けをします。歌は「真っ赤な太陽」です。歌いだすと結構大胆な振りが入るから可笑しい〜。相棒とはチャーリー(匠ひびき)さんの事だったんですね!ブンちゃんもアドリブが上手いですよね!(笑)

こんな最中も控席の直ちゃんは悪さをしてますよ。司会者みどりちゃんのスカートの後ろを、バット(野球チームが持ってきたプラスチックの)で叩いてます。みどりちゃんが気が付くまでやってます。1日目は2、3回叩いて、2日目も同じく叩いて、スカートの端がちょっと、めくれたままになりました。しばらくたってから、おっちょんが直してあげていました。(会場笑)
ガイチさんは本物のりんごを何処から持ってきたのか、かぶり付いて、
ほんとに食べてます。2日目はさえちゃんも一緒になって、たった一つのりんごをひとかぶりしてました。また、野球部のおっちょんは席に座らないで、地べたで前屈開脚をしてます。それを見つけた直ちゃんが更にその上から手で圧力を掛けます。2日目は同じく開脚をしていると、席に座ったままで直ちゃんが圧力を掛けていると、さえちゃんが直ちゃんの背にまたがって、更なる圧力を〜、真下のおっちょんは、2つ折れ状態のぺッチャンコでした。(笑)

最後は「りんご追分」を歌う、ドン百姓姿のリカちゃんとタータンです。ほおかむりに竹籠背負って、モンペ姿(みたい?)、大きな黒長靴履いてます。1日目は歌いながら足を上げたら、長靴がオケの指揮者の方に飛んで行って、会場を沸かせたし、2日目は籠に入っっていた沢山のりんご(おもちゃ)がコロコロと舞台に転がってしまい、直ちゃん達、皆で拾って、籠の中に入れてました。もう、爆笑ものでした。
そんなこんなで、喉自慢大会も皆合格の鐘!みどりちゃんの「青い山脈」の歌で終了です。ほんと!皆芸達者揃いで、
アドリブが上手過ぎるぅ〜!大いに笑わせてくれた楽しいコーナーでした。

さぁ、終盤です。「愛の面影」を和央ようか、「スマイル」を絵馬緒ゆうさんが歌います。
フランス革命前後と称して、ベルバラの音楽が流れ、雪組最下級生達がバラの少年少女に扮しています。アンドレ姿の渚あきさん、オスカル姿の花總まりさんが、銀橋の下手と上手に現れます。ちょっと珍しい、娘役さん同士のアンドレ、オスカル編ですね。銀橋で「愛〜それは〜♪」をデュエットし、舞台に戻ると、白い燕尾姿の専科5人が、ご両人をエスコートするようにバックコーラスを勤めました。
「ステイ」を紫吹淳、「愛!」を香寿たつきさんが歌います。

フィナーレ
「清く正しく美しく」は娘役トップの5人で、「ああ宝塚我が宝塚」を白燕尾の専科5人が歌い、「フォーエバー・タカラヅカ」「すみれの花咲く頃」を全員登場して歌い、幕です。

第一部50分、第二部50分、休憩20分でした。以前よりは短時間の試みで、アッと言う間に終わった気がします。60分、60分の30分休憩でも良かったのに〜と思います。そうしたら、第二部でも専科さんの独唱が聞けたかもしれないしぃ〜、と思ったりもしましたが……。

1日目の出待ちの直ちゃんは黒のTシャツみたいなお洋服でした。夜だったけど、それはそれは美しかったですよ!!
2日目の朝は、東京メンバーも更に増えて、にぎやかに直ちゃんをお出迎えです。直ちゃんもにこやかに沢山のお手紙を受け取って、
楽屋入りなさいました。11時公演が終わると、東京へ戻ってしまった私ですが、楽は更に盛り上がったのではないでしょうか?


以上です。長々とお読み下さった方、本当に有難う御座いました。2002年6月15日記 (yuko)  

Yukohomeへ   ナオカギャラリーへ   宝塚へ