和歌と俳句

雪解

一 二 三 四 五 六

人声の谺もなくて飛騨雪解 普羅

簗かけし岩もかくるる雪解かな 普羅

山吹にしぶきたかぶる雪解滝 普羅

汽車たつや四方の雪解に谺して 普羅

雪解の音をききつつ籠り居り 虚子

雪解の俄に人のゆききかな 虚子

月日経ぬ雪解の雫百方に 鷹女

大いなる雪解の中に生きて逢ひぬ 楸邨

首縮め雪解雫を仰ぎつつ 虚子

解けかけし雪そのままに氷りたる 虚子

あかあかと白樺を透く雪解川 蛇笏

避くるな押せと雪解の瀬鳴り昂り来 楸邨

岩にやさしく朴にはきびし雪解の風 楸邨

雪解風といふ風吹きし小諸はも 虚子

雪解する無�閧フ谷に駒嶽の壁 蛇笏

墓の上に嘴太鴉雪解急 蛇笏

雪解山奥めく雲のたたづまひ 蛇笏

雪解川濁る勢ひを合しけり 多佳子

雪解犀川千曲の静にたぎち入る 多佳子

よろこびに合へり雪解の犀千曲 多佳子

こゑ出さばたちまち寂し雪解砂洲 多佳子

ひざついて雪解千曲をひきよせる 多佳子

犀千曲雪解を合はす底ひまで 多佳子

庭雪解無言を守れる療養に 爽雨

風いつもかの樹に起り森雪解 爽雨