物語に沿って 1

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凝縮された青木淳子の生い立ちと、示唆[1704]

 オープニングの、少女時代の青木淳子のエピソードから、ナレーションが入り、タイトルが出るまでの部分、とても気に入っています。
 淳子が、特別な力を持って生まれたために友達を作ることすら出来ない、寂しい少女時代を過ごしたこと、時にはうっかり「事件」を起こしてしまい、母親に連れられ逃げるように転居を繰り返していたであろうこと、淳子が持って生まれた力がどんなものであるか、等々、短い時間に凝縮されていて、映画館で最初に見た時、あの数分間だけでもう短い映画を1本見終えたような錯覚を覚えたものです。
 ナレーションも良いのです。前半は先祖代々(?)受け継いできた力について。そして後半は淳子の母の戒め。この、淳子の母の戒めは、その後の淳子の運命をはからずも予知していたかのようで、2回目以降、見る度、感慨深いものがあります。
 「人の心の怒りを火と例えるなら、その火はひとたび激しく燃え出すと止めることは出来ず、やがて自らをも燃やし尽くしてしまうのだ、と。」・・・・映画ではパイロキネシスの能力を持つ者の戒めですが、怒りにまかせて行動してはいけない、と理解すると、誰にでもあてはまる戒めであるとも思えます。


凝縮された青木淳子の生活[1754]

 タイトルが出た後の数分間は、青木淳子の生活がこれまた凝縮されて描かれていて、これまた気に入っています。
 ヘッドホンで音楽を聴きながら電車で通勤して、会社では黙々と勤めをし(そして親しい人もいない)、帰りにはスーパーで買い物をして、狭いアパートで一人御飯を食べる・・・・短い時間に、現実離れした能力者・淳子の、至極現実的な日常生活が、生活感に満ちて現されていて(鶏肉を、値段を確かめて買ってるあたり、特に)、その後の物語を浮世離れしたものにしない効果を感じました。
 調理方法だけ、特別のようですけどね。




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