物語に沿って 10

※[ ]内の数字は、「クロスファイア」公式BBSの投稿番号
孤独な特殊能力者([1916]より抜粋、補筆)

 木戸のマンションのベランダで語らう、二人の特殊能力者。
 淳子は、幼い頃から友達も作れない、孤独な日々を過ごし、好意を抱いた男にも、遠くからみつめ、心の中で話しかけるだけ。 赤ん坊の頃から施設で育った倉田かおりの場合、同じ能力の持ち主「青木淳子」の存在を知って、淳子を捜し歩いています。
 「普通」の人と「普通」に接することが出来ない特殊能力者の孤独が、そこにあったように思います。


淳子を読んだかおりは・・・・[2368]

 “身の回りで頻発する不審火が理由で”施設に収容されたままの倉田かおりは、自らの持つ能力をもてあましていた状態だったろうと思います。
 石津刑事に触れた時、かおりは「青木淳子」という名前の、同じ能力を持つ人物の存在を知ります。そして、一連の焼死事件と火傷事件を(新聞で?)知った時、同じ能力(パイロキネシス)の持ち主が関わっていることを直感したのでしょう。パイロキネシス以外に持つ能力・サイコメトリーを駆使して、ついに青木淳子にたどり着きます。
 木戸の家のベランダで淳子に触れたかおりは、即座に一連の事件がやはり淳子の仕業であることを知った・・・・。施設の中で自らの能力をもてあましていたかおりは、同じくパイロキネシスを持つ淳子がその力を社会で使っていたことに、ある種の感動を覚えたのではないかと思います。それが、「だからいいんだよ、殺しても」という台詞に表れ、もちろん本気で、同じ能力者・淳子と一緒に、自分も能力を使いたいと考えたでしょう。
 しかし、かおりは、偶発事故(幼少時の淳子のプロローグのエピソードが正にそう)を含めても、まだ人間を焼き殺したことは無かったのだろうと思います。人間を焼き殺したことがないから、殺すことの恐ろしさも、人が死ぬことの恐ろしさも、まだ知らない。
 この後、かおりの考えを変えさせようと淳子は必死に説得。その際に引き合いに出した三田奈津子のデジカメに触れたことで、かおりは、奈津子の最期(死)の模様を知り、恐怖しました。・・・・かおりにとって、ショッキングなものが「見えた」訳ですが、この場合、これで良かったのでしょう。淳子の言葉でその場は留まっても、後にまた、やはりパイロキネシスを人に向けたいと思うかもしれません。でも、サイコメトリーの方で、人が人を殺し、人が人に殺される情景を「見た」ことで、その恐ろしさを、誰かに聞かされるだけよりもよく思い知ったでしょう。“さっきまで”の考えは、もう持たないと思います。




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