おちゃらけ3


 木戸の部屋で、ベッドから飛び出した青木淳子は、何のために窓の外を見たのか?
 この時点で、淳子は木戸のことを信用しきってなどいない。<目覚めたら着ていた物が変わっていて、「見たかったところは全然見てない、目つぶってたし」と言われても、疑わしい。第一、身体に触らずに着替えさすことなど、出来る訳がない。多田さんにも見られてないのに、多田さんにも触られてないのに、この男は、この男は・・・・・・>淳子の感情は、怒りと悔しさに高ぶったことだろう。
 ということは・・・

 木戸がベッドルームから出ると、青木淳子は窓辺に立った。窓の外に、河が見える。
 <よし、大丈夫。>
 淳子は、胸にたまった感情を、河に向けて解き放った。河面がぼこぼこと泡立ち、蒸気が立ち上り始めた。蒸気の勢いは、徐々に激しくなり、白い柱と化す。通行人が一人、また一人と異変に気が付いて、河辺は騒がしくなっていった。
 牛乳を手に、木戸が戻って来た。淳子は、Tシャツ一枚という格好であることに気付き、慌ててベッドに飛び込んだ。
 異変は止み、集まった人々は元の歩みに戻った。
 平穏を取り戻した河面を、煮魚が流れて行った。

 という未公開シーンがきっとある・・・筈ないですよね。
 失礼しました!
 (でも、本当、何を見てたんでしょうね。)



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