青木淳子が行く! 電車編


 青木淳子は、込み合う電車の吊革につかまっていた。シルバーシートに、若者が足を広げて座っている。老人が、その若者に声をかけた。
老人:「もし、お若いの、この年寄りに、席を譲ってく下さらんかな。」
若者:「あん?うっせえなあ!」
老人:「わしは見ての通りの老いぼれじゃ。腰掛けさせて下され。」
若者:「うるせえ!あっち行け!」
老人:「頼む。」
 なおも毒づこうとする若者が、突然がくんと顎を上げ、今度はがくんと顎を下げた。
 淳子が若者を睨み付けている。淳子が首を上に少し振る。若者は、ぴょんと飛び上がった。
老人:「おお、譲って下さるか。」
若者:「い、いや、俺は・・・・」
 淳子が首を横に、少し振った。若者は、空気に殴られたかのように、脇へ崩れた。若者は、何が起きたのか分からないまま、腰が抜けたようにへたり込んで、立てない。空いた席に、老人が座る。
老人:「ありがたや、ありがたや。」
 電車が、駅のホームに停車し、ドアが開いた。淳子は降りて行った。



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