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2004年3月27日藤村龍至さん とベラ・ジュンさん と建築あそび記録
1サテライト・シティ(1) 2 .サテライト・シティ(2)  3ペット建築 4 海外ペット建築(1) 
5 海外ペット建築(2) 6 書をつくりに 街に出よう 7 小学校のリサーチ 
8 小学校のプロジェクト 9 Dual Space    10 1500mm 11 アパート 
12 .sync         13 voxel house 

  
★★ 小学校のリサーチ ★★

f いま教育の話がでたんですが・・このまま学校の話を・・
 
s いいんじゃないですか・・ドンドン脱線してっていいよ

f 学校の話をしたいんですけど、修士制作で僕は学校の計画をやったんです。
図1 八潮北小学校
 
s あれ 森本さんじゃないの〜 スライド内の森本を発見する

森本 はい

f 手伝ってもらったんで・・なぜ学校に興味がでたかというと、ちょうどペットアーキテクチャーとかのリサーチとかいろいろやったあとで 都市の問題 を自分なりに考えようと思っていた矢先に池田小の事件があって、「小学校」っていうのが社会的にクローズアップされたのが切っ掛けです。 2000年前後は品川区で学校選択制が導入されたとか、2002年の学習指導要領の改訂とかいろんなことがあって、わりと教育論とか学校論がわりと、あちこちで聞かれていました。

それで取材を始めて、学校を設計した建築家にインタビューに行ったり、いろいろな人に話を聞きに行ったんです。いろいろ調べていくうちに、「品川区がどうも熱いらしい」ということがわかってきて、品川区の中でも特に八潮というところがどうも面白いらしい、と。

これは品川区の「八潮北小学校」っていうところです。品川区では2000年に学校選択制が導入されたのですが・・2000年の新入学児童より品川区内を4つに分けて、そのエリアの中で学校を選択できるという制度なんですけど、

これによって品川区の八潮北小学校っていうところが、クローズアップされたんです。よって品川区の八潮北小学校が、クローズアップされたんです。なぜ かっていうと、学校選択制が導入された結果、「小さな学校はいつか廃校になるんじゃないか」という噂が広まって、「子供を入学させたら廃校になってし まったんではしょうがない」ということでより大きな学校で人気がより高まって、小さな学校ではより人気が低くなる現象が起きた

そしたら八潮北小学校っていうのが「このままでは子供達の学校が無くなってしまう」という問題意識が共有されて、この地域のコミュニテーが急に活性化し始めたというのです。
オヤジの会っていう、おやじPTAとは別に保護者のお父さんのグループが出来たて頻繁にイベントをやったり、学校のプールの塗装をしたり、そういう活動を始めたと・・・。その八潮北小学校に取材の申し込みをしたら、「丁度餅つき大会をやるのでいらしてはどうですか」っていうので、森本君に来てもらって、餅つきにいったんです

I 普通のオヤジかと思っ
森本 ・ふぉっとてください

会場 大爆笑 

f これが、僕としては新鮮で・・・八潮の小学校っていうのが、いろんなコミュニテーのたまり場になっているというか。おやじの会」というのはムーブメントとして大きくて、品川区だけじゃなくて、色んな小学校で「おやじの会」が結成されている。なんかこー・・地域のお父さん達が会を作ってボランティア活動をするといのが、秘かなブームになっているらしくて・・

m それはここが切っ掛け・・同時多発的に・・

f いえいえ、同時多発的に 90年代後半ぐらいから出来たらしくて、ネットで検索すると、カナリヒットするんです。「おやじの会ネットワーク」みたいなね・・・

I おやじの会のネットワーク

f 一関(岩手県)だったと思うんですよね・・

i すげー

f あったりとか、ムーブメントとして、

t NPOの登場と大体 同時ぐらい

f そうだと思います。各地域によって、PTAとの関係なんかは多様なんですけど、完全独立している所もあれば、PTAの付属組織みたいなところもある

ただ、八潮でユニークなのは、さわかやネツトという・・・あの・・若者の組織があるというのが変わっている。

「おやじの会」なんかも子供が卒業してからもズート残って残って活動していたり。あるいは子供がいなくても参加したりとか、子供が直接その学校に通って無くても、所属しているとか この若者達もたしか・・かならずしもこの小学校卒業生じゃないし・・この地域に直接関わりもないという人もいて

そういうようなかたちで・・問題の関心を共有する人達の集まりの場になっているというかたちで・・都市の中で小学校がそういうアクティブな場所になっていることが分 かってきました。

 (その後の八潮 調査記録 校長先生のお話 教頭先生とPTA会長さんのお話 )

図2 包含関係モデル(a)と重複重合関係モデル(b)
 

学校に興味があるもう一つの理由は アイデンティティの問題と空間構成の問題を接続できそうなところにあるんです。少し抽象的になりますが・・・まず、学校についてのいろんなシステムをみていくと、例えば昔は学校の所属のモデルが、aの図式だった。

例えば何々小学校の何年何組、それが4月に固定されて、1年間を続けるというかたちだったんですけど、最近は小学校でも、学年でチーム ティーチングとうやり方で、国語の集まりとか、算数の集まりとか、子供の理解に合わせて、毎回・・大学や高校みたいに 単位制まではいかないですけど、毎回違うコミュニティーのなかで勉強してい

私は何年何組」といような、所属意識を強化していくような、以前はそういうシステムだったのに対して、今はあるこのコミュニテーで勉強していく、このコミュニティーでサークル活動する、このコミュニティーで生活・・フィールドワークする・・複数の所属意識を複数のまま維持するような、新たなアイデンティティの在り方が起こっている(b)の変化みたいなことが起こっている。

図3 本籍地/住所/居所
 

このことに建築的な観点で興味を持つきっかけになったのは、西川祐子さんの「私の居場所/ 私の居方」、そこで住所論があったんですけど、住所本籍居所、居所というのは実際に住んでいる所。で・・例えば大学生なんかで、本籍地はどっかに在って、住所は親と一緒になっているんだけど、学校のそばにアパートを借りているとか。住所本籍居所というのは全部異なっている。

図4 住所をめぐる制度の歴史
 

その組み合わせっていうのは現在非常に多様化しているという、それについての記述だったんですけど、その組み合わせというのは、単純にいってこれだけの数があると、5通りあって住所の歴史をみていくと、明治時代は本籍と住所が一致しているという前提があったんだけども、近代化が進んでいくと人々が自由意志で移動するようになって必ずしも生まれた場所や本籍のある場所と住んでいる場所が違ってくると。そうするとドンドン住所が増えていって・・

今はさらにこの下にメールアドレスが入ってくるわけですけども、友達相手に使うメールアドレスと、仕事で使うメールアドレスを分けたりして、対するコミュニテーに対して違うアドレスを使ったり するようなる。

これは先ほどのモデルでいうところのb モデル・・・複数の所属意識を複数のまま維持する個 人像が出現しつつあるという指摘があって、それは常に集団の編成を前提とする小学校の建築のあり方を考える上で、非常にリンクするんじゃないかなーと。

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