HOME  
2004年3月27日藤村龍至さん とベラ・ジュンさん と建築あそび記録
1サテライト・シティ(1) 2 .サテライト・シティ(2)  3ペット建築 4 海外ペット建築(1) 
5 海外ペット建築(2) 6 書をつくりに 街に出よう 7 小学校のリサーチ 
8 小学校のプロジェクト 9 Dual Space    10 1500mm 11 アパート 
12 .sync         13 voxel house 

  ★★ Dual Space ★★

f こういう小学校の計画をやっていっているうちに、こういう「空間の二重性」というような問題に興味を持ちました。それは本当に フトしたきっかけで 気づいたことなんですけど。

図1 日本のある電化製品売り場
 
これは典型的な郊外の電化製品の店で、視界が連続した上半分とモノがズラーット並んでいる下半分。そういう空間の分節見られるのではないか・・

図2 オランダのあるレコード売り場
 


というのを思い始めて、それが・・ヨーロッパへ行った後もこういう空間を見付けては写真を撮っていたんですども、これはロッテルダムにある、あるレコード屋でここはモットはっきり打ち出したようなデザインになっていて、上半分にジャンル名。ここに色んな情報があって、これが全部同じ方向を向いているので、ある地点に立つと全部見えるというような事が起こるんですけども・・

図3 駅
 

これは商業空間だけじゃなくて、駅とかにも、こういうのがあったり・・

図4 スロベニアのスーパーマーケット
 
これはスロベニヤのスーパだったかな。ここでもこういう感じで、床面からの高さがだいたい1500mm前後にこういう境界面があって・・空間の性質でいうと明瞭・不明瞭というか・・目的的に何かをサーチするような上半分と・・例えばパンを探そうと思って、急に牛乳の前を通かかって牛乳を買うと、目的的な行動非目的的な行動 のための空間

それを「検索空間」と「流動空間」と呼んでみたりしたんですけど、上は検索をするような場所で、下はこうしてモノが流動している空間


上はぺらんと紙ばっかりで 同じ方向を向いていて、下は物がドンドン常に動いているような場所になっている。これは浩也さんともよく議論したことですけ ど、上がドンドン「見る空間」になっていって、2次元化していって、かわりに下が「使う空間」として4次元化していく・・・ドンドン流動して行くような 空間へ特化しているものだと読めるのではないか

i だいたい1500

f だいたいコンぐらいの高さで目線の高というか・・

i 1500って低いですね

t 僕は高いと思うんですけどね

f もうチョイ低いかもしれません、ちょっと象徴的に、とりあえず名付けたっていう感じですかね・でも思い返してみると・商業空間というのは本来そういう検索可能なことと 遭遇可能なことが凄く先鋭的に目指されて来た空間なんではないかな、と思います。ここは商品の売買っていうような活動内容に制限があるとはいえ多様な人々を収容して多様な関係を構築スル場いう意味では非常に公共的な空間になっているのかなーと思うんです。

図5 アトリウム
 

こういう商業空間なんかでは求められてきていて、このアトリゥムとかエレベーターとかエスカレーターなんかはそういうことの機能が最も現れている空間で、こういう風にバーット見渡せたり、「ああ・・あそこにこの人が居るな」と目的意識をそらす仕掛けがあったり。

 エスカレーターとエレベーターの組み合わせなんかはデパートなんかを計画するときは、必修なわけですけれども、エレベーター・・シャワー効果という・・エレベーターでまず人々を最上階に上げて、最上階に人々が集まるようなプログラム・・本屋とかレストランを配置して、そこに一旦人を集めてそこからエスカレーターで流すと建物全体に人が行き渡って効果が上がるというものですが、

目的的な行動と非目的的な行動・・検索することが可能なこと と 遭遇することが可能な事を それぞれ的確に配置するようなことがズーット行われて来た空間なんじゃないか。

図6 「二重性」をテーマにした空間構成モデル
 

そういうことを使った空間構成 というのは・・ないだろうかと いうのを一つの研究テーマにしてきていて、それで模型を作っているんですけど、

図7 複雑な関係性
 
これは上半分だけじゃなくて下半分が開いていたりとか・・そうすると座った時に広がる空間と立ったときに広がる空間の違い・・いろいろ出て来ると・音が聞こえたり、見えないけ ど壁越しに聞こえて来る何か・・。そういうものがあるものはないかなー と。

i カタチにしてみようとしてそういう姿が・・・建築家の人って偉いね

図8 「二重性」のコンセプトを応用した例:ペット建築展の会場構成
 

それを一寸使ったのはペットアーキテクチャーの会場構成で・・これはこっち側から見ると、写真だけで、こっち側から見ると番号だけと・・

t 論理的には明解だよね

会場 笑い

f 非常に分かりやすいかと思うんですが、こういう検索と遭遇というのが、。元々本・・本というのがそいう構造を持っているので、本の構造を空間に訳したというコンセプトからすと当然といえば当然なんですが。そいういやり方もあるかなと・・・

図9 dual spaceの家
 
でこれはそのコンセプトを発展させた模型なんですけども・・・同じようなカタチでさっきのタダの二重の空間というのは、単に壁が上下という話だったんですけど、それをもう少し複雑にして、それぞれ3000mmの階高があって、その間を下端が1200mmで上端が1800mmで1500mmを中心に上下に振動するサインカーブを描いている。

例えばサインカーブが上まで来ているとき、サインカーブの下が抜いてあると・・・1800mmなんで人が通れると。動線的なコネクションがあります、と。

佐藤 微笑む・・

こう行くと向こうが見えなくなるので、視覚的に不透明な場所とうカタチになるんですけども、そういう視覚的透明不透明動線的透明不透明の重ね合わせで作った住宅ですね・・

s 笑う

t それは住宅なですか

f 笑う まあこれは論理モデルみたいなものですがこれはナインスクエアーの部屋割りになっているんですけど、部屋と部屋が斜めに繋がったりするんで、そういう面白さはあるかなーと思って


 次へ