2000年5月27日第一回植田実さんと建築あそび記録 HOME 

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北山恒さんの設計  F3HOUSE 神奈川県大和市

これは建築家で最近一番売れてる、売れてると言うのは変だな。 スゴク元気な北山さん、1950年だからほとんど佐藤さんと変わらない。 これはね、確かコンピューターに勤めている、独身男性の住宅なんですけれども。

東京の郊外にあります。ガラスは全部農業用の温室をアレンジしている。この構造体は農業用の温室で、こういう所は小さなガラスを下見張りにして雨仕舞いを良くしてアレンジしてる。調整してるわけです。

それで彼のね、住まいというか、全面がガラスの箱でしかも、後から出てきますが床も全部グレイチングだとかエキスパンドメタルつまりスケスケの床なんです。ここだけがね 食堂と寝室で、ここだけが一寸マス。マスの部屋がここに貫入してる形ですね。


 こういうふうにかろうじて いまのボックスの上にテラスがあったり、 ここがスケスケだから、何かこんなモノをちょんちょんと置いて。

これは要するに 北山さんという建築家の言葉を借りるとね、

屋上庭園の建築化であるというふうに彼は言ってるわけですね。もう一つは、北山さんによれば、「建築家である我々よりよっぽど施主の方の方が、こうしたいとビジョンをはっきり持ってた」我々はそれに従って行くぐらい、彼の方が先へ先へと…。

要するに「食堂とダイニングとトイレがあれば後は何にもいらない」というような注文はむしろ御施主さんから付いてくる。
 

 これが普通の床であり、これが普通のある程度ソリッドな壁だったら、こういうふうに置くと普通のシッケグルーブになるわけですけれど。

それが床スケ。ガラスもこういう風に透明ガラスになると、やっぱり意味が違ってしまう

だからここで行われる行為はおそらくそう変わらないかもしれないんだよね。

基本的には住宅じゃなくて、建築家の言葉を再度使えば「庭である」と。そういうわけです。つまりそういうふうに材料、素材そのものを変えることで意味が変わってしまう

 (右の絵は)これはたまたまコチラに手前にあるトイレなんですけど。これも御施主さんの注文でね、「けして綺麗なトイレを作ってくれては困ると」。要するに公園の隅っこか、駅の所にある「公衆便所にしてほしい」と。だからともかくあそこで、「はんなり綺麗な、なにかレースや花を飾ったり、そういうトイレは僕は使いたくないので、出来るだけ こういうドライなものにしてほしい」。ということで「はいそのとおり」ということで建築家はやったわけです。

 彼は自動車がすごく好きだったらしくて、「自動車をいつも生活の近くに感じていたい」。ガレージを居室から見るという住宅はいくつかあります。例えば安藤忠雄さんなんかも大阪の小さな町屋の中で車とほとんど一緒に生活している様な男性の住宅を作っていたりしますが、彼の場合は全体がスケスケのなんで、とにかく何処にいても 、これは一種の犬が下で「ワンワン」と言ってる感じなんですけど、それに近いところで自動車があると。 そういう注文を全部クリアして出来てる家なんです。これが独身男性です。

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