べにや長谷川商店であつかっている地豆たちの紹介です。

 ■在来種のお豆たち
  青大豆
大豆属。在来種の「石狩緑」は、甘みや風味が良く、むかしからきなこや豆腐、味噌にしています。「味噌には青大豆」という農家も多く、大豆のなかでは人気が高い。一般の大豆と同じように昆布の含め煮ほか、酢大豆やひたし豆にしてもおいしい豆です。煮汁も透明に近くそのまま食べると割合あっさりしていますが、つぶすと濃厚な甘みと旨みが特徴。
  紅しぼり
いんげん属。別名「おいらん豆」ともいわれ、赤と白の 模様が めでたい イメージなので、むかしからお祝いごとのとき、煮豆にして食べられていました。あっさりした味なのでほかの食材とも合わせやすい。ゆでてそのままでも、サラダ、スープピクルスなどにするとおいしい。
  パンダ豆
いんげん属。黒い斑紋があることからパンダ豆とよばれています。ゆで上がりは、ホクホクしているので塩を振るだけでもおいしい。若いうちは、さやも食べられます。地方の田舎で長寿の女性が常食にしている食べ物としてテレビで取り上げられてから知られるようになりました。黒い斑紋が残るので、模様をアクセントにした粒のまま使う料理におすすめ。あっさり味。
  本金時
いんげん属。自家採取で100年近くつくり続けられている北海道ではいちばん古い金時。前川金時よりもサラッとしていて、煮豆にするとおいしい豆で知られています。また天候や土壌によって豆の出来が違ってくる気難しい農家泣かせの豆ともいわれています。むかし小豆が不作だった年、小豆とブレンドして餡の材料に使われたといわれています。赤い色が煮るときれいに発色するのでご飯やお赤飯に合います。少しコクあり。
  前川金時
いんげん属。むかしはもっぱら煮豆にして食べていました。風味豊かでコクのある味わいが特徴。煮崩れしにくいうえ、ホクホクした食感で煮豆のほか、パン、ご飯、ケーキやゼリーに合います。「玄米には必ず前川金時」という方もいるくらい、特に玄米などお米との相性は抜群です。北海道の郷土食ばたばた焼きにはこの濃厚な味の前川金時とその煮汁は欠かせません。
  鞍掛豆
大豆属。馬の鞍に似ていることからこの名前がつきました。かためにゆでたのを酢とめんつゆで一晩くらいつけるとおいしいひたし豆ができます。山形出身の家では数の子を入れたひたし豆はお正月、ハレの日のごちそうでした。濃い味が特徴。
  貝豆
いんげん属。貝殻の斑紋に似ているので「貝殻豆」ともよばれています。農家では若さやのとき、さやごとゆでてお煮しめ、酢味噌和えなどにして食べていました。餡にするとあっさりしてクリーミーなのが特徴です。ペーストにしてオリーブオイルとにんにく、塩、コショーで味付けしディップとして野菜やパンの付け合せにもなります。
  栗いんげん
いんげん属。薄いココア色のナッツのようなかたちをした豆で、来歴は不明。おもに若さやで食べ、残ったのを乾燥させてご飯に入れて炊くとおいしいといわれています。非常に皮がやわらかく地元でも人気の豆です。あっさりしてクリーミーな味。
  茶色貝豆
いんげん属。貝豆よりもひとまわり小さいが貝殻の斑紋があることから貝豆の仲間か、ビルマ豆と同じくらいの大きさであることから、貝豆とビルマ豆の交雑とも考えられます。若さやでおもに食べられています。
  おかず豆
いんげん属。さやが若いうちは、さやごとゆでて、酢味噌和えなどご飯のおかずとして食べられていたことから、「おかず豆」といわれています。乾燥したのをゆでても、煮上がりも早くホクホクしています。あっさりしてクリーミーな味。
  緑貝豆
いんげん属。貝豆の一種で斑紋があざやか
な黄緑色。北海道の留萌地方の道の駅で売られていたのでその地方の在来種であろう。貝豆と同じくいんげん類なので、若さやで食べられます。あっさりしてクリーミーな味。
  マンズナル
いんげん属。東北地方の 在来種「マンズナル」 は 秋田弁で「とてもたくさんとれる」という意味から、この名前がついたように収量のある豆。さやでも食べられスープ、ディップに向いています。あっさり味。
  黒マンズ
いんげん属。マンズナルと同形ですが色が真っ黒。マンズナル同様、皮がやわらかく煮ておいしいことから遠軽近郊の農家が自家用でつくっていたものらしい。もともと秋田など東北地方の豆と思われます。煮汁の色が黒く出て豆、煮汁ともに濃厚な味が特徴なのでお肉との煮込み料理に合います。さやで食べても甘煮にしてもおいしい。
  さくら豆
いんげん属。北海道の南、厚沢部(あっさべ)町の農家が代々つくっていた在来種。入植のとき東北地方からもってきたものだろうといわれていますが 詳細は不明。大豆の形状をしていますがいんげんの仲間。早く煮えておいしいといわれています。ゆでてそのまま、煮豆のほか、スウィーツのトッピングや餡にしてもおいしい。割合あっさり味。
  中生白花豆
いんげん属べにばないんげん種。在来種の中生白花豆は現在 一般に 出回っている「大白花豆」よりもやや小振りですが、皮がやわらかく豆の風味がしっかりしているのが特徴で栗のようにホクホクしています。 肉料理との相性もよく、つぶしてコロッケ、かために 茹でてサラダに。白花豆のコロッケは地元では人気商品です。あっさり味。
  おかめ豆
いんげん属。「ドジョウインゲン」と呼ぶ地域もあります。おもに夏、若さやのときに野菜としてゆでて食べ、残った豆を乾燥させて保存食としていました。貝豆や栗いんげんと同じような斑紋がありますが平たい形状が特徴です。
ややコクあり。
  ビルマ豆
いんげん属。むかし小豆が不作だった年、小豆のかわりに餡の材料に使われたといわれています。比較的収量もあり、ご飯といっしょに炊くビルマ豆ご飯は北海道の郷土食です。煮ても色が落ちないうえ、煮汁もあまりにごらないので、ご飯のほか煮込み料理、スープ、スパゲッティなどいろいろな料理に広く使えます。あっさり味。
  黒小豆
小豆とはまた違う風味と濃い味が特徴です。地元の農家では、餡や羊羹にして食べる習慣があったようです。むかしはもやしにしていたともいわれています。形状がとても似ていますが、花が紫色の沖縄産「黒小豆」はささげに分類されます。
白小豆
ささげ属あずき種。北海道の「きたほたる」は岡山県の「備中白小豆」とともに希少品種となっています。独特のあっさりした深みのある味で白餡の材料として和菓子に使われています。白小豆100%の餡は最高級品です。。
 


十六ささげ
ささげ属。一莢に十六粒の実が入ることからこの名前がつきました。小豆との違いは芽に一部黒いところがあることです。夏、さやごとゆでておひたしにしたり、お煮しめにして、そして残ったのを乾燥させて保存食として食べられていました。十六ささげのお赤飯は豆のおいしさのみならず上品な色に仕上がるので地元では人気です。深みのある味。

  手亡
いんげん属。ヨーロッパでは白いんげん豆といわれ、フランスの家庭料理「カスレ」の材料です。日本ではおもに白餡の材料ですが、お肉や野菜といっしょに煮てスープ、つぶしてコロッケにしてもおいしい豆です。あっさり味。
  真珠豆
いんげん属。北海道幕別の農家(80代のおばあちゃん)が自家用に毎年つくっている豆。さやも食べていることから、さや豆の在来種であろう。真珠のように透明感があるのが特徴。皮もやわらかく煮汁も透明なので、野菜や肉との煮込み料理ほか、つぶしてポタージュにしてもおいしい。あっさり味。
  間作大豆
大豆属。むかし田んぼの畦に蒔いていたのでこの名前がつきました。大豆を植えることで根粒菌の窒素が田んぼにゆきわたるので肥料にもなりました。また小振りなので納豆大豆とも呼ばれ、納豆の材料としても使われています。
たいへん味が濃く肉、魚など動物性たんぱく質にも引けをとらない存在感があります。天ぷら、ディップ、豆ご飯、豆腐など豆の味を際立たせる料理に向いています。
 

黒千石大豆
大豆属。古くは緑肥作物として栽培されていましたが、時の経過とともに栽培されなくなった品種です。田圃で麦の輪作作物として作付けしており、小粒で病気に強く、皮は黒く中身は緑色の珍しい豆です。抗癌作用や抗アレルギー症状に関与する成分が見つかってからまた注目されるようになりました。煮豆や豆餅の材料のほか、濃厚な味ゆえ煎った黒千石大豆の豆ご飯は人気で、スコーンやクッキーに入れてもおいしい。

  茶色いんげん
いんげん属。栗いんげん同様、実が若いうちは さやごとゆでて 食べられます。さやも食べられる豆は乾燥したのもおいしいといわれています。小振りでコクのある使いやすい豆なので、煮崩して豆のコクを利用したミネストローネスープやポタージュスープ、ディップ、コロッケなどペーストやマッシュにして利用するとよい豆です。
  黒いんげん
いんげん属。深みのある真っ黒な色が特徴。豆の芽の付近にえくぼのような点が2つある。大豆の点形裂破と似ていることから、作況によってえくぼができるのではないかと考えられます。煮るとおいしい豆として自家用でつくられています。豆、煮汁ともに濃い味が特徴です。
  天ぷら豆
いんげん属。若さやを天ぷらにするととてもおいしいことからこの名前がつきました。このようにいんげん類は若さやのとき、湯がくとおいしい豆、天ぷらにするとおいしい豆など、それぞれおいしさを引き出す調理法があるようです。

 

 ■北海道のお豆たち
 

虎豆
いんげん属。北海道産の「虎豆」は、豆の王様といわれています。皮がたいへんやわらかく煮豆にして食べるととろけるような食感が特徴。ゆでてそのまま塩をふって食べたりマッシュやペーストにしてポタージュスープ、パスタソースディップの材料にしてもおいしい。

  黒豆
大豆属。北海道産の品種ではおもに「イワイクロ」と「ヒカリクロ」があります。この北海道産「イワイクロ」は、しっかりとした食感と甘みが特徴。煮汁はそのまま飲んだり、ホットケーキに入れたり黒豆ゼリーなどスウィーツの甘み、またドレッシングの材料に有効活用できます。煎ってご飯と一緒に炊く黒豆ご飯はポピュラーな食べ方です。
  小豆
ささげ属あずき種。北海道産の品種には「エリモショウズ」「きたのおとめ」「しゅまり」などがあります。炭水化物と一緒にとると必須アミノ酸がバランスよく吸収できるので、むかしからあるおはぎや小豆粥、お赤飯などは合理的な食べ方なのです。腎臓の働きを助けむくみが気になるときは、塩少々で味付けしたゆで小豆を食べるとよいといわれています。ほかの豆では代用できない小豆の風味とコクは絶品です。
  大豆
大豆属。北海道を代表する大豆の品種銘柄「トヨマサリ」は、甘味の強い大豆です。ゆでた大豆をフードプロセッサーで攪拌し、丸めて大豆ハンバーグ、大豆クッキー、お菓子の材料にもなります。煮汁は淡色なのでカレーやスープの材料にも使えます。
  紫花豆
いんげん属べにばないんげん種。北見地方は全国一の花豆の産地として知られ、きれいな赤い花が咲くので「赤花」ともいわれています。関東の紫花豆に比べ小振りですが、ホックリして皮が柔らかく煮崩れしにくいのが特徴です。紫花豆の甘煮はむかしから人気です。粒の大きさやホクホクした食感をいかしてケーキやタルト、蒸しパン、ご飯やパン、煮込み料理などバリエーション豊富に使える豆です。
  金時豆
いんげん属。いんげんまめの代表選手。北海道産では大正金時、さらに品種改良で大粒の「福勝(ふくまさり)」「福良金時(ふくらきんとき)」などがあります。煮豆のほか煮崩れしにくいので、チリコンカン、サラダ、パンに入れてもおいしい。北海道ではお赤飯の豆として金時の甘納豆を使う家庭もあります。金時のコクをいかした甘煮、甘煮と煮汁を利用したホットケーキや蒸しパン、揚げ物や煮込みなど利用範囲は広い。
  うずら豆
いんげん属。うずらの卵の模様に似ていることからこの名前がつきました。「福粒中長(ふくりゅうちゅうなが)」「福うずら」などがあります。むかしから煮豆や甘納豆の豆として知られています。でんぷん質が豊富なのでホクホクしており、ピラフなどご飯に入れたり、炒め物、サラダ、和え物、スウィーツの材料に利用できます。

 

 

 ■もったいない豆
 

お店に並ばない「くず豆」「2番豆」といった、いわば規格外のお豆たち。見た目は悪いのですが、味にほとんど違いはありません。

 

お豆の収穫後、機械で脱穀したあと、こうして農家では「手選り」といって、色の悪いの、しわのよったの、脱穀の際に割れたの、虫食いなどなど、一粒一粒、丁寧に選別をし、一般に売られる豆と区別します。けっこう根気のいる細かい仕事です。農閑期の冬場に行うのです。

  写真は中生白花豆ですが、このように茶色になっているのでも、我が家では、煮豆にして食べていますが、味はほとんど一般に店頭で売られている豆と変わりません。 つぶして餡やスープ、コロッケ、お菓子などに使えるので、捨てるのはとてももったいない話。
有効に使いましょう

 

 

在来種の豆   べにや長谷川商店