■ミラノ4日目 ヴェネツィア

 早朝6:00過ぎの電車でヴェネツィアへ。今回はロンドンでの経験を活かし前日にパンとジュースを購入済みです。約3時間かかってようやく到着。まずはヴァポレット(水上バス)に乗りサン・マルコ広場へ移動。(水上バス乗り場で偶然にもサンシーロで出会った日本人の男の子たちに遭遇)なんだかみょうに人が多いなぁ〜〜と思いつつサン・マルコ寺院へ向かいました。入り口は日本人の団体さんでいっぱい。 バルコニーから外を見ると広場にはいろんな仮装をした人たちが群れています。さすがはヴェネツィア!ふだんから仮装している人がたくさんいるのね〜。(実はこの日はあの有名なヴェネツィアのカーニバル!しかしそんなこととは夢にも思っていない私たちは、観光に力を入れている街だとしか考えていませんでした。ちょっと考えればわかりそうなもんですが)

それにしても人が多く、観光しようにもどこも人がいっぱい。しょうがないのでヴェネツィアン・グラスのお店をぶらぶらと冷やかすことにしました。どこも似たり寄ったりの品物だらけなのですが、突然yuka・Bさんが1軒の店のショーウィンドウにくぎ付けに!どうやらお気に召した品物があったようで、とりあえずその店の中に入ってみました。店内はちょっと高級感ただよう感じで、びっくりするような値段かも?と思い、とりあえず『ちょっと見せてくださらない?』と言ってみました。しかしこれがショーケースのやたら取り難い場所に飾られていたために周りの品物を全部どけなければならず、ちょっとした迷惑行為に・・・。なんとか目当ての商品にたどり着き、いざ値札をみてみますと、まぁ安いわけではないけど買えないこともないお値段であったため、この一目ぼれのピンクのグラスをご購入決定。(いまさら『いらない』なんて言えない雰囲気でもあった)

 その後もゴンドラに乗ろうにもあまりに人が多いので、とにかくひたすらぶらぶらと歩き回るのみです。 (途中、本物のプラダの店先でばったもんを売っているおっさんを発見!見上げた根性ですな) いい加減お腹も空いてきたので、ガイドブックに美味しいと紹介されていたレストランに行ってみたのですがすでに予約で満席状態。仕方なくてきとうな店ですませることにしたのですが、どこへいっても 人!人!人!ここへきてようやくもしかして今日なんかの祭り?と気づきはじめる私たちです。(遅ッ) それでもなんとか一軒の店にもぐりこみ昼食を食べることができました。 その後、ベネトンでバッグを買ってみたり、またぷらぷらしてみたりと特にこれといったこともしていないのにいつの間にやら夕方に。最後にサルティンバンコ風の帽子をお土産に買い、再び水上バスの乗り場へ向かったのですがそこはもう長蛇の列!!いつになったら乗れるのか見当もつきません。 これはマズイと(なんせ18:00発の列車の切符をすでに買ってあるし、これに乗り損じると果たしてミラノに戻れるかどうかといった緊迫した状態だった)焦りまくったのですが、その時目に飛び込んできたのが 水上タクシーの看板!これはもうその名のとおり、一艘の船をチャーターして乗ることができるのですがその分料金が高い!!しかしこの時の私たちに迷っている余裕はなく、係りの男性に言われるままに料金を支払い飛び乗りました。(このときはなんて高いんだ!!と思ったけど、よく考えると日本でタクシーに乗るのとかわらなかったです)さすがに水上は混み合うということもなく、ものの20分ほどで駅に到着。無事に電車に乗ることができました。

電車は6人がけのコンパートメントで私たち以外は男2人、女1人のグループと、もう1人男の人が乗っていました(いずれもイタリア人)。ミラノまではまた3時間かけて帰らねばならないので退屈しのぎに日記を書きかけていたところ、私の隣に座っていた女の子が『ねぇねぇ、私の名前を日本語で書いて!』と話し掛けてきました。彼女の名前はステファーニャ。外国人の彼女が言う日本語とは、ようするに漢字のことだろうなと思ったのですが、これまた漢字にするにはかなりやっかいな名前です。ステまではいいとして、ファーニャをどう表現するべきか・・・?かなり迷ったもののとりあえず、ひらがなとカタカナで書いた後に思い切って書いてみたのが素手府亜ー二矢・・・。自分でもこれはないだろうと思ったのですが、本人はいたく気に入ってくれたご様子。ついでに彼女のBFのマッシモの分も書いて!と頼まれ、またしても私が書いたのが真津霜・・・。すいませんホント。これでも懸命に考えた結果なんです。 これで一気に車内がにわか伊・日友好の場と化したのですが、いかんせん私たちは日本語以外さっぱり彼女たちもイタリア語以外はさっぱりの、お互いさっぱり同士。これでは埒があかんと、隣のコンパートメントに乗っていたマッシモグループの友人のアンドレアを通訳として呼び(といっても英語なんだけど。)再び、漢字の時間です。 (このアンドレア君、迷彩服を着ていたのですが、『僕は今日カーニバルだからってこんな格好をしているんじゃなくて軍で働いているんだ』と私たちに説明。やっぱり・・・)

 もうこうなったらどうとでもなれ!といった勢いで次々と漢字に変換してみました。 アンドレア=安度礼亜、ファヴィオ=府亜美男、ナターレ=太ー礼・・・めちゃくちゃです。がどうしようもなかったのはご理解いただけるかと・・・。(それにしても、マッシモ、ファヴィオ、アンドレアといずれもどこかで聞いたことのある名前ですね。あんまりバリエーションないんでしょうか?) ひとしきり漢字で盛り上がったあとは、折り紙の時間です。yuka・Bさんが折った鶴をみて驚く彼ら。 『日本人はみんなこんなことができるのか?』と聞いてくるので(まぁ鶴くらいは誰でも折れるだろうと思い)『できるよ』と答えると『じゃあ、キミも折ってみてよ』と言われ私も一羽折りました。しかし折鶴は大の苦手の私は次に奴さんを折って、なにげなくアンドレアに渡しました。ところがそれを見たファヴィオが突然『どうして他のみんなは鳥(鶴だって)なのにアンドレアだけ人形(奴さんだって)なんだ!』と突っ込んできました。しかもその目は何かを期待する輝きで光っており、そんな目でみつめられたら大阪人としてはやはりボケずにはいられないところです。そこで『だって彼は特別だから』と言ってみたのですがこのファヴィオくん、まるで英語がわからないらしく『え?なになに?』と隣のナターレに通訳を求める始末。(間が悪い)しかし、ナターレがイタリア語に訳したとたん、ステファーニャと2人で結婚しろ結婚!!と絶叫です。(話が早いなイタリア人・・・)。完全に困っているアンドレアにはお構いなしに『彼の家は金持ちだよ!』とちょっと聞きずてならない情報まで漏洩していました(笑)。

 実は列車に乗った時から密かに気になっていたのが彼らが持っていた雑誌。これの表紙がACミランのシェフチェンコだったんです。彼のファンでもある私はその雑誌が気になってみせてもらうことにしました。私が熱心にみていると『シェヴァのファンなの?』と聞いてきたので『うん。そう。』と答えると驚いたことにアンドレアが『僕の友達はミラネッロで働いていて、シェヴァの友達だよ』と言うんです!!マジで!!と突然食いついてきた私に少々びびりつつも『ホントだよ』とのお返事。まわりもみな頷いています。もっと早く言ってくれないと!そんな大事なことはさ!と心の中で絶叫したのはいうまでもありません・・・。 そんなこんなでにぎやかに(イタリア語と英語に日本語が入り混じったすごい会話でした。 意外と通じ合うもんですね)過ごしているうちにミラノに到着。お互い『チャオ!!』と明るく別れました。(最後の最後までステファーニャは『アンドレアの連絡先聞いとかなくていいの?』と言ってましたが(笑)。聞いてどうするなんて考えないんでしょうかイタリアの人は。) この日の夕食はマクドナルドで簡単に済ませ、爆睡。


■ミラノ5日目 ミラノ・ダービー

 本日はこの旅の最後の大イベント、ミラノダービーが20:30からKICK OFFです。
それまでなんとか時間を潰すために、朝からドゥオモへ行ってきました。教会内はミサが行われていて荘厳な雰囲気。みなさん真面目に祈りを捧げていらっしゃいます。(教会に来るたび思う。キリスト教徒になろうかと。ただ様式美に憧れてるだけなんだけど…。いいかげん罰があたりますな) エレベーターで教会の最上階まで移動し天気がよかったのでのんびりと過ごしました。 それにしてもびっくりするくらいの彫刻の数々・・・。彫りすぎでは・・・。ひとしきりドゥオモ内を見学したあとは、もうこれといってやることもなく、ホテルでTVを観たりひたすらゴロゴロしてました。 昼食はまたしてもアーケードの方に行ってみたのですが、今回は1本脇の道に入ったところに店をみつけて入ってみることにしました。ところがここがけっこうなヒットでパスタもリゾットもかなり美味しかったです。 (その割には店の名前とか全然記憶にないんだけど)

 本当にやることがないので、少し早い目にスタジアムへ向かうことにしました。(英国での経験を活かしています)試合開始が20:30なのでお腹がすくだろうと(食べ物の心配はきっちり)トラムから見えた屋台でパニーニを買うことにし、ついでにその側の露店でミランのばったもんのニットキャップを購入しました。

 約2時間前にスタジアムへ到着です。しかし両チームのクルヴァは早くも大変な人だかり!気の早い人はすでに脱いでいる模様です。まずは席に着こうとしたのですが、あまりに広くてなにがなんだかわかりゃしません。こういうときは聞いた方が早いので(英国での〜以下略)警備のおじさんにチケットをみせるも何言ってんだかわかりません。困ったなぁ〜と思っていたら、『付いて来なさい』とすぐ近くまで案内してくれました(笑)。 席は確かにロッソ側の二階席に間違いはなかったのですが、ロッソとはいってももはや激しくインテルのクルヴァ寄り・・・。手を伸ばせば届きそうなそこには青い人たちの群!そのせいか周りもどうやらインテリスタの方が多いらしく、ミラニスタらしい人は私たち2人以外に、yuka・Bさんの隣の隣に座っていたボバンのユニを着ている少年二人組と、私の隣のなぜかスーツ姿のお兄さん方のみ。非常に先行き不安な状態です。試合が始まる前にきょろきょろとスタジアム内を見渡していると、私たちにチケット情報を教えてくれた例の3人組に三度遭遇!そういえば帰りの足を全然考えていなかった私たちは(帰りもトラムが走ってるのかわからなかったので)これ幸いと一緒に帰って!とお願い。気のいい人達でこころよくOKしてくれました。

夢にまでみたミラノダービーをついにこの目で観られる喜びですっかり失念していましたが、よくよく考えると肝心のボバンが出場する保証なんかどこにもないのでした。 これはマルディーニやシェヴァのファンなら全く無用の心配なんですが、相手はあのボバン!しかも当時の監督は『どういい繕ったところで結局のとこお互い嫌いなんでしょ?』としか思えないザッケローニですよ!ようやくここまでこぎつけてボバンが出なかったら、死んでも死にきれません。 もはや祈るような気持ちでスタメンの発表を待っていた私。そして試合開始直前、次々と発表されていく選手たちの中に待ち焦がれていたZvonimir Boban!!のアナウンスが!(ファーストネームがコールされたあと場内いっせいにBOBAN!!と叫ぶんですよねー) 『よかった・・・。スタメンに入ってる・・・。』もうここまできたらこっちのもんです(なにが)

ようやく気を落ち着けて試合開始です。(詳しい内容はまるでおぼえてません。なんせBOBANしか観てないし)はじめて生で観たズボはTVと一緒(あたりまえか)でシャツの着方が本気でだらしなかった・・・。しかしプレーはやはり美しいですよ!一番上手いし!(欲目) だけどなんか変です、このひと。とりあえずボールが外に出れば手を挙げてますし(どんなに離れてても)常になにやら独り言をいっているご様子。(『なにやってんだよもう』とか言ってんでしょうけど)おまけにこれといった用もないのにウロウロしてるし。はっきりいって一人独特のたたずまいでありました。でもそんなとこがなおさらたまりません!(←マニア)ボバンフェイントも生で拝むことができ感動ものだったのですが、そうはさせじのコウエに倒されたあげく背中を踏まれてカエル状態のズボ・・・。試合の方もちょっとインテルの方がチャンスが多い感じです。 が!ミラン反撃です!セルジのクロスがちょいと流れたのをボバンが華麗に踵でトラップし、折り返そうとしたもののコルドバに邪魔され無念。しかしこのズボの小洒落たプレーに沸き返るサンシーロ!!!(これはホントの話ですよー。) その後ズボを倒したディ・ビアージョに黄紙が出されたり、CKを蹴るズボにみかんの皮がぶつけられたりとなんだかんだですでに25分。なんかサーラがUpしてるなぁと思ってたら突然ビリーと交代です。ビリーはそのままロッカーへと消えていきました(泣)。その後とうとうサモラーノにゴールを許し、インテル1点リードで前半終了です。ハーフタイムの間、盛り上がりまくるインテル・クルヴァに対し、沈黙のミランサイド・・・。

 後半開始、インテル側にあいかわらず勢いがあります。マークが厳しくなってきたズボはかなりイライラしているご様子。そしてついに爆発です。マルさまの進路を確保しようとコウエに肘うちを食らわせるズボ!それを見ていたサモラーノに叱られ逆ギレです。しかしさすがに悪いと思ったのかコウエに握手を求めに行きどうやら許してもらえた模様。ミランもとにかくなんとかしようと必死なのはよくわかるのですが、どうしてもうまく繋がらずもたついている間に、ディ・ビアージョにゴールされ0−2・・・。インテリスタが狂喜乱舞する中、切り取られたように沈黙の我々。流れをかえるべくデ・アシェンティスに代わりデミを投入したり(嬉)ビアホフに代えマリを入れたり(さらに嬉)したものの、結局のとこボールが枠に飛ぶのはインテル。対しふわっと浮かせた上手いシュートも惜しくも枠を外れ思わず顔を覆って泣くズボニミールさん。(泣きたいのはこっちです)

 いい加減時間も無くなってきたころ、サモラーノに代わりロビーの登場です!またもどよめくサンシーロ。ふたりに暖かい拍手を送るインテリスタに対し時間稼ぎしやがって・・・と毒づくしかない私たち。しかしもう負けがすぐそこに見えてきた時、アンブロがペナルティ・エリア内で倒されPK 獲得です!これをシェヴァがきっちり決めて1−2!素早くボールを拾いに行ったガットゥーゾの姿に感動です(えらい!)しかし、時すでに遅くこのまま試合終了・・・。ミラン負けました・・・(泣)。でも気がつけばボバン、90分フル出場でした!Grazie! ザック!!

雄たけびを上げ続けるインテリスタから逃げるように立ち去るミラニスタ・・・。ダービーだけは負けたくない!という意味が嫌というほど分かりました。しかしこんな試合でしたがやはりやってくれますズボ。怪我の治療かなにかでいったんピッチの外に出たのに、いつの間にやら勝手に戻ってたところをパヌッチにめざとくみつけられ審判にチクられていました・・・。まさにルール無用のズボに審判も困惑状態。きっちり追い出されて嫌味のようにラインぎりぎりに立つズボはまるっきり子供でした・・・。

 帰り道、『試合面白かったー!ロビーもみれたし』とご満悦の大学生トリオに対し、どうしても言葉すくなの我々・・・。私たちとしてもミランが勝ってさえいれば語り倒すところですが。でもよくよく考えると私とyuka・Bさんが観に行った試合で応援しているチームが勝ったことなんか一度もなかったのでした。なるべくしてなった結果だったのかもしれませんな。



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