オーボエ

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オーボエ

オーケストラの高・中音域を担当する楽器です。
 草を重ねて音を出す『草笛』を作ったことはありますでしょうか。音を出す基本的な原理はそれと同じです。 ただ、その草の部分が硬いか柔らかいかだけの違いです(オーボエは葦を使用しています)。 この「草笛式」の楽器のことを“ダブルリード”と呼びます。

オーボエは、管楽器の中で1・2を争うほど早くオーケストラの定席を確保した楽器です。 その音色には特徴があるのですが、何故か弦楽器の音色ともよく溶け合い、また管楽器のハーモニーの中にもよく溶け込みます。 さらには、その特徴のある音色を活かして、重要なソロの部分を演奏したりもします。まさに「楽器の万能選手」ですね。

それだけに、逆説を言えば、どういう風にも扱えますので、作曲家・編曲家の個性が最もよく出る楽器の一つでもあります。 柔らかい唄を演奏させれば、牧歌的な情緒のある音楽になりますし、華麗な旋律を演奏させれば、特徴のある音色が心地よく耳に残ります。 オーボエほど柔軟性に富んだ楽器は、他にあまりないのではないでしょうか。

オーボエの仲間には、少し低い音を出すことができる『イングリッシュホルン』と、最近(と言っても100年以上前ですが)開発された、1オクターブ低い音が出る『バスオーボエ』、 それから、バロック時代には盛んに使用されていたのですが、 最近ではあまり聞かない『オーボエ・ダ・モーレ』という楽器などがあります。
 中でも『イングリッシュホルン』は、多くの作曲家が使用しておりまして、特に、ドボルザークという作曲家の交響曲「新世界より」の第2楽章で、 皆さんも必ず一回は耳にしたことのある、あまりにも有名なソロパートを受け持っています。

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