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ASTRONOTUS IMAGE

焦げ'るような日射しも、息苦しいほどの蒸し暑さも、ここが熱帯だという事実に他ならないのか。遠くの森からは、時折ホエザルの啼き声がきこえてくる。BGMとしては最高だ。体を包みこんだ熱気も、これほど微かな移動では、水面をゆらすことは出来ないのだろうか。静まり返つた水面には、オオオニバスがトゲだらけの大きな葉を拡げ、中心に、これもトゲのついた大きな蕾をつけている。『パシャッ』という、小さな水音にふりむくと、さっきから背の高い草のかげで、ジッとしていたヨシゴイが、小魚を呑込んだ。枯葉が沈んだ水底には、アピストたちが縄張りに入ってくる魚を追い出している。

ゆっくりと、こっちに向かってくる大きな影は、たぶんアストロだろう。喰いが立っていないのか、まわりで小さな魚が煙のように動いている。水面からでは、光の反射で見づらいが、良く見たけれぱ水中に潜れぱいい。・・・・・どうせここは、ぼくだけの世界・・・・・頭の中の映像なら、3DCGのように一瞬のうちに水のなか。カポンバが林立する、枯葉の絨毯。その上をゆっくり向かってくる黒い影は、今、光の力一テンをくぐるところ。姿を現した分厚い巨体は、水槽の魚と違い、鮮やかな体色。透きとおった粘膜の中を流れる墨、目玉模様の紅い縁どり。突然ぼくに気づいたのか、ゆっくり反転した。小さなシルバーダラも銀鱗を輝かせて身をひるがえし編隊を組む。後ろにつけているパイクカラシンに気づいているのだろうか・・・・・

ふと、耳元にサンバのリズム。次第に濃度を増す意識・・・CDのALL REPEAT・・・真昼の夢

                                   崎山 幸