COH 07/20




公演名:Kyosuke Himuro 15th Anniversary Special Live Case of HIMURO
・日程 : 7月20日(日)17:00開演(単独の記念ライブ)
・会場 : さいたまスーパーアリーナ
(収容数:エンドステージ2タイプでは約16,000だが新聞紙では約30,000)


◆15周年記念公演(7/20)セットリスト 
 ―第一部―
 1.VIRGIN BEAT
 2.ROXY
 3.TO THE HIGHWAY
 4.DRIVE
 5.LOVE & GAME
 6.COOL
 7.MEMORIES OF BLUE
 8.MOON
 9.JULIET
 10.炎の化石
 11.DEAR ALGERNON
 12.FOLLOW THE WIND
 13.CRIME OF LOVE
 14.LOVE SHAKER
 15.Claudia
 16.GONNA BE ROGUE?

 *休憩30分*

 ―第二部―
 17.CALLING
 18.STAY
 19.PLEASURE SKIN
 20.LOVER'S DAY
 21.WALTZ
 22.ALISON
 23.SQUALL
 24.Girls Be Glamorous
 25.NATIVE STRANGER
 26.NO MORE FICTION
 27.WILD AT NIGHT
 28.TASTE OF MONEY
 29.SEX&CLASH&ROCK'N' ROLL
 30.SHAKE THE FAKE
 31.ANGEL

 アンコール1
 32.CLOUDY HEART
 33.魂を抱いてくれ

 アンコール2
 34.KISS ME
 35.ジェラシーを眠らせて
 36.SUMMER GAME


◆ツアーメンバー
 Guitar  :本田毅
 Guitar  :DAITA
 Bass   :西山史晃
 Drums  :永井利光
 Keyboard:斎藤有太


◆記念ライブ(7/20)レポート

さて久しぶりのライブ行ってまいりました。感想を言うと「イマイチ」の出来でした。悪くはないコンサートではあったのですが、部分的・構成的に駄目な所がちらほらとあったからです。勿論良い所もあったのですが・・・それは後で述べましょう。今回のライブは、30分の休憩をはさんでの二部構成で、全36曲という長丁場でした。


音響的な面でいえば、長時間やってる割には比較的安定していたと思います。私の座席はアリーナ席の真ん中右斜め後ろのはしっこだったので、自然と本田さんのギターが大きかったような気がします。ゆえに、もう片方のDAITAさんのギターが聴きとりにくかったです。ただ、彼のギターソロの音量が小さかったのは問題だと思いますけどね。


今回からスティーヴに代わって彼がアシストすることになったのですが、彼のプレイはまずまずだと思います。テクニックは巧いです。しかし、ステージ上をあまり動かないので、「見栄え」がありませんでした。以前、スティーヴの動きを見ていた影響のせいかもしれませんが・・・。もしかすると彼は、松井常松さんのように動かないのをよしとするタイプなのかもしれません。ただ、ステージアクションが少なかったのが気になりました。


本命の氷室さんの声ですが、これは非常にすばらしかったです。音の強弱がうまく表現されており、力強さ・色っぽさ(?)がよく出ていたと思います。ビート系・バラード系の曲、どれをとっても聴けるものでした。やっぱり歌上手いなあ。ただ、氷室さん自身は、自分の声やバックの音が聴こえてないそぶりをしていたのが気になります。ずっと左耳のイヤホンで音を聴いていたポーズをとっていたからです。PA調節が全然できてなかったのでしょうか。私の席では音が偏ってたのでイマイチ不明です。


ちなみに、ステージにはでっかいTV(ビックパネル?)が三つあります。私の席から見たステージ上の氷室さんの姿は、ぼんやりと体の輪郭が見える程度でした。前もって100円ショップで買った双眼鏡(>安!)でみても多少大きくなる程度だったので、左目は生の氷室さんを、右目はTVを見るようにしてました(途中から疲れたのでTVだけになる)。しかし、TVの隣にある照明がやけにまぶしかったので、ほとんど氷室さんを見えなかったのが現状でした(泣)。見れたと思いきや、氷室さんの顔を思いっきり拡大しすぎるといった下手なカメラワークがあったので、TVの存在意義は微妙。


***


曲構成に行きます。長丁場のせいか二部に分かれてますが、まず前半戦。かなり懐かしい曲が入ってます。出だしの「VIRGIN BEAT」は燃え上がりました。やはり一発目は景気の良い奴じゃないといけませんよね。次いった「ROXY」もよろしいです。CDではポップな感じになってるのですが、ライブではギターを歪ませてやってるのでロック調に変わっててグーでした。そして「ハイウェイ」へとつながっていくのはファン泣かせ。ここら辺まではリズムにあわせて楽しめるものでした。


珍しく演奏された「COOL」は、あまり好みじゃなかったせいか今ひとつ印象に残ってません。むしろその次から演奏された「MEMORIES OF BLUE」から「DEAR ALGERNON」までの曲が印象に残ってます。赤と青の照明がとても綺麗で、しかもバラード・ミディアムテンポの曲と調和されてたので、非常に良かったです。「MOON」での氷室さんの声がなんともいえない。実に丁寧に、綺麗に歌ってくれました。「炎の化石」では、ステージから炎がボッと湧き出ていてそれなりの雰囲気が出ていてグー・・といいたいのですが、なんでTVパネルでは生の氷室さんを映さずに、昔のプロモーションビデオを映すのか理解できません。お陰で氷室さんが見えないったらありゃしません。せっかくの雰囲気も台無しです。


***


問題は「JULIET」でした。いや、曲自体は問題ありません。魅力的でとてもよかったです。何が問題なのかというと、「手拍子する客」です。他のバラード曲では手拍子しなかったのに、何故がこの曲だけ多くの人がやってました。個人的にすごい不愉快で、「やめてくれ!」と叫びたかったです。氷室さんのバラードと手拍子は合わないのがわからないのでしょうか。


バラードは静かに聴くものではないのですか?手拍子して聴くものなのでしょうか?それとも「手拍子するな!」と言う私が間違っているのでしょうか?もし、氷室さんのバラード曲全てに手拍子するものなら文句はいいません。が、していたのはこの曲のみだったことから、私が文句をいいたくなる気持ちは、否定されるものではないと思います。


「手拍子した人はかつての暴威ファン」ではないかと推測してます。十何年もやってない曲であり、年配の方にとっては感慨深いものでしょう。ゆえに手拍子をしたのではないのでしょうか?事実、私の周囲には30歳以上の人が多くいまして、それら皆手拍子をしてました。また、会場に集まった人を軽く見ると、夫婦・家族連れ・妊婦さん・40歳前後の人がかなりいました。偏見になりますが、演歌と勘違いしてないか?と思うのです。勿論初めてライブに参加した若い人もその中にいるでしょうけど。。。


また「GONNA BE ROGUE?」はひどかったです。掛け合いの部分がまるでなってない。アリーナ席にいる人(少なくともファンではないのか?)はどうして「YEAH!」と叫ばないのでしょうか。まるで新曲を聴いているかのような態度です。無論、コーラスを叫ぶ叫ばないは個人の自由ですが、それにしても掛け合う人が少なすぎです。ちなみに私の周囲では誰も叫びませんでした。私が寒い奴ならそれはそれでいいですが、この曲皆知らないのでしょうか。私の周囲の方に限っての話でなんですけど、皆さんもうシングルは買ってないものなのでしょうか。他の曲では気合入れて掛け合いしてるのにどうしてこの曲だけが・・・。


この時点でこの会場に来た客層はよくないなと思いました。ビール飲んでる人もいるし(何でビール販売してるのだろう?)。酒を飲んで歌を理解できるのかと毒づきたくなります。我ながら「神経質すぎないか?」と思う節もないわけではありませんが、こうも曲によってノリに違いがありすぎるとそう思ってしまうのです。


***


さて、話は曲に戻って「DEAR ALGERNON」。やってくれました。氷室さん直々の弾き語りではありませんでしたが、これはこれでいいものです。ただ、氷室さんの歌う強弱の差が少し激しかったのではと思ってます。サビの部分を低く歌ったり、強く歌ったりしていたからです。おかげてPA担当の人達は音調整に苦労したのではないでしょうか。


新曲なんですが、12曲目は「爽やか」なイメージを感じました。本人は「やる予定なかったけど、やることにした」と言ってました。多分演奏する予定だったのじゃないかと思うのはファン失格でしょうか(笑)。14曲目は早口ラップ調でイマイチよくわかりません。とはいえ、悪い印象はなかったので、8月に出るアルバムは期待できるものではないでしょうか。「Claudia」はCDで聴くよりもよかったような気がします。キーボードそれほど強くなかったですから>自分はギター中心主義


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後半戦にいきます。「CALLING」から入ってくれたのが嬉しかったです。ライブビデオで見たことあったのですが、やはり生はいいものですね。結構好きな曲なのです。特にAメロの歌詞が。その後にあった「LOVER'S DAY」「WALTZ」「ALISON」の三連コンボには参りました。「LOVER'S DAY」では私は泣くので自分の世界に浸りきります。ただ、周囲が一緒に大声で歌っていたのは少し気になりましたけどね(静かに聴けないのだろうか?)。それにしても、本田さんのギーソロがいい。この曲をわかってらっしゃる。


「WALTZ」に入る時、氷室さんは衣装を変えました。ラメ入り青色のブレザーに。観客も少しざわついたので、氷室さんは「派手か?」とニヤリとしたのが笑えました。それはいいのですが、ここで悲しい出来事が起きました。「WALTZの歌詞ミス」です。氷室さんはしょっちゅう歌詞間違えはやってるのですけど、ここは間違えないで欲しかった。最後の「求め合う心だけ重ねて」を「凍えさせる・・・」に間違えてしまったのです。私はこの部分がすごい好きなので、間違えて欲しくなかったのですが(泣)。


これまでのMCで氷室さんは「(JULIETをさして)俺の歴史で起点となるもの」と言ってたのですが、この曲が終わると「間違えの歴史も俺の歴史だよ」と苦笑いして言ってくれました。そういうと私も言い返せません。気を取り直して最後の「ALISON」。本人は難しい曲だとコメント。確かにカラオケじゃ歌いにくいですけどね。それだけに聴き応えがあります。ベースの音とボーカルが重ねあうのがなんともいえません。


「SQUALL」は微妙なリズムでこなした後、一気に八曲連続盛りあがる曲にいきました。「元気な奴いくか?」と言って始まったこれにはたまりません。私も途中で声がかすれてしまいました。懸案の「Girls Be Glamorous 」は、私の周囲に関しては、掛け合いは七割できていたと思います。「SAY」のところで反応しないでほしい。それでも掛け合いはできてたと思いますが、何故「GONNA BE ROGUE?」ではやらなかったのか理解に苦しみます。同じシングルに入っているのに。


細かいとこはさておき、この八曲は氷室さんの王道パターンなので否応なく会場は盛りあがります。私もはしゃぎます。とはいえ、このパターンが続くとマンネリ化が始まるので、そろそろ盛りあがれる新曲が欲しいこの頃ですな。そういや、「WILD AT NIGHT」での「奴隷じゃねえよなー!」という科白や、「ANGEL」のマイク突きがありませんでしたネ。「もう一曲いっても良いですか」もなかったですね。さすがにあれだけの曲やればそれ言う力もないでしょうが。


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アンコール一発目はベストアルバムにあった「CLOUDY HEART」でした。ピアノ+オーケストラだけのタイプなので、氷室さんの声をしみじみと聴き入っておりました。やっぱりこういう曲を歌わせたら最高ですね。その次は期待していた「魂を抱いてくれ」を演奏してくれました。しかし、ここでも悲劇が起こりました。出だしからミスってます(泣)。この曲はピアノと一緒に「雨粒の中・・・」と入っていくのですが、両者のタイミングがあわず、ピアノだけが演奏してしまい、氷室さんは「街翳が回る」から入ってしまったのです。


HPのタイトルを見ればわかるように、私はこの曲にとても愛着をもっています。それだけにこのミスは残念でした。「WALTZ」に続き、この曲までも失敗したのでなおさらでした。4時間に及ぶライブなので氷室さんの疲労も極限だったでしょうけど・・・そうわかっていても気持ちは納得できません。これだけはきちんと歌ってもらいたかったのが本音です。


アンコール二発目に行く時のMCの様子をみると、氷室さん自身もそれを悔しかったような感じを受けました。「調子が良い時と悪い時があって・・・今日は悪いのかな?」と発言してた通り、誰の目から見てもこの日の氷室さんの調子はイマイチでした。しかし、声はしっかりでていたので、身体的なものよりも精神的なものの調子がよくなかった風に見えました。「ゴチャゴチャ考えるより曲いくわ!」と発言していたことから、気持ちだけが空回りしていたように思えるからです。また、MCは全般的に弱気な発言が多かったような気がします。あまりそう発言はして欲しくないのですが・・・。


ラストの「KISS ME」「ジェラシーを眠らせて」「SUMMER GAME」はもうお決まりですね。「SUMMER GAME」をきちんと聴いたので、今年の夏はこれで乗り切れる事でしょう。「ジェラシー」をラストに持ってくるのは珍しいです。普通は中盤戦で曲調を変える時にもってくるのが多いものですから。


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ここでこの記念ライブの全体像について考えてみます。このライブのテーマは「氷室京介の総集編」でしょう。前半部分では懐かしい曲や今までやらなかった曲を、後半部分では人気のある曲やライブならではの曲を演奏しました。シングルを初めとする有名な曲が多かった感もありますが、デビューから満遍なく選曲されておりますね。


演奏するといっていた「ダイヤモンド・ダスト」を結局やりませんでした。やると言ってても、予定通りにはやらない氷室さんですから仕方ありませんか(笑)。期待していた「Still The One」もしなかったしなあ。というか、アルバム「MELLOW」からは一曲も出してないのは何故でしょう。暴威時代の曲をやる事に重点を置きたかったのでしょうか。


また、全曲で36曲もやったのは素晴らしかったですね。ミスや疲れも垣間見られましたが、これだけ聴くことができたのはよかったです。ビート・バラード系の曲がまとめられており、十分に堪能することができました。新曲も入れてくれたので単なる「まとめ」的なライブにはなっていません。さらに言えば、盛りあがるところは盛りあがり、しっとりするところはしっとりと聴かせるといったメリハリがはっきりした構成でした。


暴威時代の曲もなかなかよかったのではないかと思ってます。演奏された3曲はハイウェイ以外はアレンジされており、記念ライブならではの「お楽しみ」がありました。以上のことを見てみると、今回のライブは記念ライブにふさわしいものであったと思います。


ただし、一部の観客の対応が悪かった事、TV画面の問題、そして氷室さんの歌詞ミス・不調はいただけません。問題あったのが私の好きな曲だった事もありまして、その分このライブに対する個人的な評価が下がってしまいました。やはり、こういう万単位のお客が集まるライブというのは色々と問題があるものなのでしょうか。そういうのをきりぬけて欲しいものなんですが・・・難しいのでしょうね。


以上の事を総合して評価すると、一言で「イマイチ」という形になってしまいます。良い所は良い、悪い所は悪いといったそれぞれの面が極端に浮き彫りになっています。「楽しめる事は楽しめるけど・・・締まりが悪い」という印象がありました。個人的な感情もありますが、客観的に見てもその傾向はあるのではないでしょうか。


ということから、私はいささか不燃焼気味です。楽しめる事は楽しめましたけど・・・「WALTZ」と「魂」がなあ〜(泣)。あそこさえ問題なければ満足だったのに。まあ、それもライブっちゅーことなんでしょうかね。次のツアー(石川県)に期待しよう。


<追記>
7/22、公式HPにて以下の発言があり、記念ライブがベストではなかったことを氷室さん本人が認めました。


7月20日、Case of HIMUROは、残念ながらベストコンディションで
終わる事が出来なかったけれど、あの日にもらったパワーは
8月末からスタートするツアー"HIGHER THAN HEAVEN"で
きっちりかえすつもりです。集まってくれた皆と
それから関わってくれたスタッフ達に改めて感謝しています。
Thanks a lot!!  HIMURO


隠さず堂々とHPで発表するとは潔いですね。別に言わなくてもいいことだとは思うのですが、本人にしてみれば申し訳ない気持ちだったのでしょうか。残念な点もありましたが、それを自覚する発言をしてくれるのは嬉しいですね。素直・真面目な態度がとても格好いいです。これで次のツアーはかなり期待できるのではないでしょうか。


***


〈こぼれ話1〉
隣の人は40歳前後のマダム。あらこんな年配の方がくるとは気合入ってますなと思いきや、ライブ始まって3曲目ぐらいの時に「・・・暑い」とぶつぶついいながらフラフラになっていました。酸欠不足で死にそうな印象を受けたので、いつ死ぬかと潰れるかと心配してたのですが、フラフラになりつつも最後まで頑張っていました。おばちゃん、よくやったね。


〈こぼれ話2〉
前の人は身長150センチ以下と思わせる小さな女性。その前に背の高い人がいたので、彼女はライブの大半ぴょんぴょん飛んでおりました。しかしジャンプしてもたかがしれていたので、見ててとても気の毒に思えました。アリーナ席より、上の席の方が彼女にとっては幸せだった事でしょう。ちなみに、ジャンプしても私の身長より高く飛べてなかったので邪魔にはなりませんでした。


〈こぼれ話3〉
グッズ販売のところに行くと、開演一時間前なのに、長蛇の列が出来ておりました。私はすでに購入していたので問題はありませんでしたが、この列の最後の人が購入する頃にはライブ始まってるなと思ったので、哀れな視線を彼らに送っておきました。いや、ライブ始まっても購入できないかもしれません。あとクロムハ―ツのテディベアが八万円もするのは何かおかしいと思います。


〈こぼれ話4〉
このライブのチケットが約15分で完売したことについて、氷室さんは「ここにいるのは濃い連中ばっかりか」といってました。確かにそうなんでしょうけど、逆にいえば氷室さん自身かなり濃い人でもあることを証明されたネっと、心の片隅でこっそりと思いました。


〈こぼれ話5〉
すみません、懺悔します。「STAY」の歌詞忘れていました。ごめんなさい。サビで皆と一緒に歌った所は適当にやっちゃいました。いくらなんでもファンがこれを忘れてはいけませんよね。今後、こういう事がないよう精進したいと思います。


ライブレポートは以上です。長い駄文、お疲れ様でした。