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Message From Tokuda


  恒例マリーンズ展望2006 Date: 2006-03-29 (Wed) 
(この記事は3月27日に書かれました)


出遅れました!

WBCもあり、開幕後になりましたが、恒例の06年のマリーンズ展望!!いきたいと思います。




オレ竜をあざ笑うかのように、怒涛の「9人」をWBCに送り込んだ漢気。
(ひそかにイタリア代表パスクチ含む)

得るものは大きかった。
しかし選手は疲労し、調整も難しかっただろう。
まー開幕連敗といってもまだ2試合なので、じりじりいくぜ。


さて、05年はやるだけやってしまったマリーンズ。
シーズンオフ直後、久保が冗談交じりに、

「来年は何を目標にしていいのか分からない」

と言ったのも、さもありなん。

久保にイタっては、ローテ入りし10勝、新人賞までとったのだからなおさら。
彼の場合もはや宿題は「1年を通してローテに入ること」しか思いつかず、
実際本人もオフシーズンのインタビューで仕方なくそれを「目標」に掲げていた。
(順番が逆だっつの)


さてそのオフ。

マリーンズを襲った激震「小坂金銭トレード」!!

小坂といえば、ミスターロッテ初芝に対するいわば「裏看板」で、生え抜きの大スター。
その守備のすごさは当ページでも紙幅を費やしたが、まだ足りぬ。といった選手。

ライオンズのコーチ陣が小坂を手本にして中島を育成した話も紹介した。
再度記すが、ライオンズコーチをして、
「1塁コーチをして初めて小坂の本当のうまさが分かった」
(1塁コーチの位置からだと、小坂の補給してからの速さ、捕りやすい位置への正確なスローイングを思い知ったそう)
という珠玉のキャッチ&リリースなのだ。



しかし眼鏡化してからその守備力が低下(ホントの原因は腰痛)し、
04年シーズンは決定的なエラーもいくつも積み重ねてしまった。
(この頃からトレードの申し込みが相次ぎだしたらしい)



ところが昨季は一転、復活のプレーを続け、
誰もが期待してない打撃もシーズン通して好調、途絶えていた盗塁も再開、
そして見事久々のゴールデングラブもゲトー!!

しかしこれは規定打席不足ということもあり、「消去法」の当選だったことは否めず、
本人も喜びをあらわにすることはなかった。
ファンにしてみればそんなストイックさ加減も「06年への意気」と頼もしく感じてた…矢先の出来事。
アジアNo.1の余韻も醒めやらぬうちの一撃だった。



生え抜きの裏看板を、よりによって金銭でというこの展開。

小坂へも事前通達がまったくなかったそうで、入団記者会見に流れる微妙な雰囲気。
質問にこたえる小坂の返事も「トレードを喜んでない」匂いがたっぷり。
ファンとしては、なかなか辛いものがあった。


しかし…こと「チーム編成」という観点で言えば、仕方なし、というところなのだ。

決定的だったのが、プレーオフ〜日本シリーズ。
ここで予備軍が「使える」メドが思い切り立ってしまったのである。


そもそも二遊間の軸は開幕から「西岡と堀」。
で、昨季は小坂を加え、堀を休ませつつの併用という形でスタート。

以前も書いたように、堀は引退直前までイッたが、
03年にDHメインで入ったところ、生涯ベストといえる好成績を土壇場で発揮した。
つまり、休ませながら使うと、まだまだ技術は発揮できる…ということ。
投手に球数を使わせ、エンドランと右打ちが異様に得意、油断してると思い切り引っ張ってくる…と、
マンガで書くのもベタすぎる「2番」打者にすっかりなってしまった。
長年クリンナップを張ってきたゆえの、ランナーがたまった時の<2番・堀>の迫力、06年もお見逃しなく。



と、脱線しましたがネ、
この3人についで、今季内野(の控えの座)を争っていたのが、渡辺正と塀内。
両名とにかく守備は及第なので、あとはどれだけ+αをアピールできるか。
また渡辺正はいかにケガを減らせるか。ってとこだった。


それだけでなく、ボビーはプレッシャーのかかるポストシーズンで(ポストシーズンという短期決戦でも<休養のため併用>を貫き通した)さらに、
ファームで好成績をあげていた早坂を「2番セカンド」でスタメン起用。

解説者も実況も、完璧に状況がつかめず、コメントに苦しんでいた。
パリーグなんて見てないからさ連中。

早坂は体形から小坂と間違えられてるし、
塀内に至っては名前が読めなかったり、「垣内」と勘違いされる始末。

渡辺正についてはポスト小坂と、俺は何度もここで書いてきたので、
「ついに大舞台でも働いたか…」
と順当と思ったが、早坂。

ファームでの好成績は聞いていたが、重圧のかかる場面で送りバント、
しびれる局面でのファインプレー。

「あやや、もうここまで育ってたの?」
とびっくりしましたよ実際。

ファームで圧倒的な成績を誇る、竹原&大松コンビがシーズン中、上ではなかなか結果が残せなかったが、早坂は十分にアピった。

たとえば、正捕手争いだが、
里崎、橋本、清水将、辻でずーっと争ってきて、04年度に「里崎、橋本」が育ったとの判断をし、
余る清水将をドラゴンズにトレードした(辻はまだ若いので別枠)。


つまり、今回の小坂放出はこれと同じケースなのである。


  *ちなみに、俺がマリーンズ史上最強の捕手と思う定詰が、タイガースにトレードされた訳は、95年オフにボビーを解雇した球団に不信感を持ち、楯突いたから。
   まったく悲しい話だが「96年は優勝できるという手応えを皆感じてた by小宮山」という充実したチームを、球団は自ら放棄。
   呆れて伊良部や前田も出て行ったしね。そういうもったいない事したツケを払うのに10年かかったワケだ。





ということで、小坂放出は精神的には激痛。
しかし、最高にドライな目で見れば、チーム力に変化ナシ…というところです。
でも、ツラいねぇ。。。こういうの、やめてほしいよねぇ。



加えてググっときたのは、セラフィニが銭でバッファローズに引き抜かれたことです。
昨季はホントに素晴らしかったですから。
あのレベルのしかも左腕には、いくらお金を出してもいいと感じるでしょうね。


この件は激しく動揺したのですが、06年度はどうやら故障して手術した箇所が完治しないだろう…とボビーはみているようです。
まぁこのへんは誰の言い分が真実か分かりませんが、とにかく開幕後を見ていくしかないです。

しかしバッファローズにしてみれば、
散々やられた投手を味方にした時点で「少なくとも、負け数が5つ減る」という勘定かもな。
巨人が川口獲った時と同じ考えね。

この「10勝6人衆」の一角を誰が担うか、、、こりはズバリ加藤康です。
ごめんこれも何年越しかで書き続けてるけど、やっぱ彼でしょう。

昨季は「いいんだけど、先発ローテが満員」という前代未聞の理由でファーム行きになった彼。
その後、谷間に1軍で投げたが、やや結果を残せず結局1軍未定着に終わる。

しかし、ファームではローテを組まれ投げ続けた。
つまり故障はない。
頼むぞ康介!

加えてバッファローズから、バーンを獲った。
昨季5勝。
でもこれは未知数かな。
しかし、少なくとも横浜の「谷繁FA放出、中村獲得」よりも実があるとみた。



まだある。
イ・スンヨプ巨人入り。
チームトップの30発80打点の選手を欠くことになった。
しかし、これも色々な考え方ができるんだな。


というのも、スンヨプはマリーンズ在籍の2年間、結局レギュラーを獲れなかった選手だからだ。
しかもファーストしか守れなく、福浦とガッチンコ。
DHは本人が嫌がり、でないにしろ、フランコ、里崎、橋本と使うことができる。
とどめは左がほとんど打てない、三振が多いというマイナス面。
打率は.260ジャスト。


正直、まったく痛くない…というのが俺の私見。
一番のポイントは年棒が推定2億という点。
上記の成績は2億の値段ではない。
だったらこれを切って、今年一気に上がった総年棒への補てんに当てるのが、
「球団編成」としたら当然至極の策。

たとえば年棒8千万以下なら出すべき選手ではないと思う。
妙な勝負強さもあるからね。

しかし、全選手が軒並み好成績を挙げ、球団総年棒は高沸、5億の赤字との発表がされた。
球団は「06年の集客で解消したい」と気合いの入った発言をしたが、
この額を見りゃぁ、2億はデカいよ。


一般で思われてるのは、
「WBCで活躍、明らかに一皮向けたスンヨプ今年は爆発」
という安易な考え方だろう。


たしかにチームジャパンは、1次予選で激痛の一発を食った。
しかしスンヨプが調子を上げたことを受け、
マリーンズ陣が中心となり、スンヨプ攻めの再検討がなされたと聞く。
その!チームジャパンにいた捕手は、谷繁と相川。
ともにセの選手だ。

間違いなくスンヨプ攻めのマル秘は持ち帰ってるはず。
そして他セリーグ3球団のスコアラーはドラゴンズとベイスターズの攻め方を参考にするはず。
=今年も打てない。


というのが俺の考え。打ってもおそらく春までだろう。

WBC準決勝で、低めに落とされた後、顔の高さのボールを振って三振したスンヨプ。
やはりあれは十分研究されとる。
WBCの行方より、セリーグでの今季を感じさせた瞬間であった。



さてさてさて、最も痛い移籍は実は、
「コンディショニングトレーナー」を巨人に引き抜かれた事です。
皆さんご存知でしょうか。

マリーンズは昨季ケガ人がほとんどないままシーズンを終えました。
小坂と堀は持病持ちですが、それもあそこまで動けた。
一番すごかったのが投手陣で、ケガ人はゼロ。
これを!
狙われました!
ケガ人続出のチームに。


巨人はちなみに、ソフトバンクの投手王国を築いたとされる尾花ピッチングコーチも吸収しており、
相変わらずオフの躍動度は高かった。



とまぁ、こんな感じです06年マリーンズ。

去って行った選手はおるですが、その補填方法は現行戦力の底上げ、という方針です。


おなじみの超強力投手陣と、世界一の捕手(プププ)、
松井稼化してきた西岡、ゴリ今江といった選手の状態はWBCで見せていただいた。


あとはチャンスを与えられた選手達の、あらたな一面がみたいですね。
…と、余裕を持ってしめくくれるとは、長年ファンやって来た俺にとっては夢のようです。




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