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Message From Tokuda


  CCR!!!!(知識編) Date: 2006-10-24 (Tue) 
CCRはものすごく愛していますね。

バッファロー・スプリングフィールドと並んで、「すべてがすき」と言い切れるヴァンドです。


先日中古でボックスセットが出ているのをついに発見。
念願のブツを手に入れました。

というのも、CCRってのは、アルバムが幾度リイシューされようとも、
まったくボーナストラックがつきません。

ツェッペリン同様、
「未発表曲はマジでない」
ということなのでしょう。
シングルもサイドB専用曲ないですしね。

よって、このボックスセットも同様お目玉曲が無く、
すでにアルバムを揃えている者にとっては、いまひとつ、いや全く手を出しにくいものでした。
(ツェッペリンは強引に未発表曲をボックス用に用意したものですが…)


とはいっても、やはりここまで愛した相手に片手落ち感はぬぐえず、
ずーっと喉に刺さった小骨のような感じだったんす。

しかし中古盤でお安く手に入るなら、話は別。
うまく出会えましたよ。
ということで今はあらためてCCR漬けです。


このヴァンドは、有名ながらよく知られてない…といった存在の筆頭でしょうな。
シングルヒットがいくつもあるため、とりあえずベスト盤で大丈夫ヴァンドっぽいですし。

ではちょっと目の疲れが許す限り、語ってみましょうか。。。



まず意外と短いんですよ。
CCR活動期間は。
3年ぐらいですか。実働。

しかしメンバーの4人は、10台半ばからずーーーっと一緒にやってまして、
別の名前で、よくあるビートルズ風のバンドをやってた期間から数えると、
10年以上、メンバーチェンジもなく続いてました。


そうなんす。
「スージーQ」以前は、ホント凡百のビートバンドだったのです。
強いて言えば、間にメンバーの徴兵期間を挟んだというところでしょうか。
そこを機に、はっきりとジョン・フォガティのワンマンバンドになり、
CCRと名前を変え、怒涛の快進撃が始まります。


ジョン・フォガティ…
いいよね!!!!!

ヴォーカルとしても唯一無二の叫び声。
50歳の黒人ブルースマンみたい(な気分で唄ってるんだろう)で。
ロックンロール的なシャウトに、
悪魔の使いみたいなスワンプ度をもった、ヘヴィボイスですよ。

さらに、
ジョンの弾くリード・ギター!!!!
これがすごいすごい。
暴れ大蛇みたいなサイケデリック長尺ソロ、
トレモロ活かしまくりのスワンプ魂、
ガレージ度高のハードロック。
なんでもこいですよ。

やはり「雨をみたかい」のイメージしか、皆さんお持ちでないでしょうから、
どっこいギターを聴いてくれと、俺は言いたい。


むしろ長尺曲になると、ゆらゆら帝国みたいなんですよ!
マジで。

CCRと、ゆらゆら帝国が似てる(時もある)なんて、
地球上で俺しか書いてないと思うんだが、後悔しません。
あれは似てるな。


そして先ほどチラと書きましたが、
哀しいかなCCRはワンマンバンドです。

上記のように、
リード唄とリードギターを両方こなし、
曲も全部。
おまけに、鍵盤や管楽器、コーラスもひとりでオーバーダブしてアルバムを仕上げています。
とどめに当時は、マネージャーも実質やっていたという…。


それでもリズム隊は、妖しくロールするタイトな独特のグルーヴを持っているのですが、
問題は兄貴のトム・フォガティ。

ギターなんだけど、リズムのみ。
ライブでも。

ルックスもいいわけじゃない。

CCRの前身ばんどの時は、曲も作り、リードヴォーカルもやってましたが、
CCRにおいてはちょっと厳しかった。

最後は途中抜けし、
ルビーというヤバめのバンドを結成しました。
ちなみにすでに故人です。


最近のインタビューでも、
ジョンは未だに兄貴に対してはうまくコメントできないようですね。

CCRのパブリック・イメージ的には、
「四人一丸」的なところが皆さんあるでしょうが、実際こんな感じでした。



さてま、音楽の魅力の話です。

とにかくね、我がジャポンでは「雨をみたかい」のイメージが強すぎです。

この曲はたしかに名曲ですが、
「代表曲」とはとても言い難いです。

この“アコギのコードストローク、3分間、哀愁メロ”のカントリーロック・スタイルは、
解散間際に辿り着いた作風。
初期の「プラウド・メアリー」や「ロディ」でやってみせた延長線の曲なんすね。
むしろ「ロディ」の方がいい曲だと俺は思う。


このレイドバックしたテンションは、実はバンドのテンションの低下から来ているもの…、
と俺は思うので、
なおさら代表曲とはしたくないファン心理があります。
アレンジも「デモか?」…と俺は感じますね。


そこで、
これぞCCRだっ!っていう曲、、、
をあげるならば、やはり初期のR&Bテイストを交えたスワンピーな曲。
やはり、「ボーン・オン・ザ・バイヨー」でキマリじゃないですか?!


冒頭フィードバックノイズにかぶさるように、トレモロ効いたリフが登場。
ドラムを追っかけてボンゴが鳴るころには俺は毎回失禁します。
このイントロは何度聴いてもいつも興奮しますねぇ。


最後に、全楽器を切り裂くようなジョンのさけびがイキナリ入ってきて、
気分は一気にミシシッピーの湿地帯ですよ。
ダウン・バイ・ローですよ。


面白いのは、この曲が「想像の産物」というところです。
作者のジョンはもちろん、メンバー全員じつは西海岸のベイエリアの出身で、
彼らはむしろ、ジェファーソンやドアーズ寄りの出自なのです。


地名を織り込んだ歌詞もだからこそ出来たのかもしれません。
ジョンは「憧れの南部」を見事曲にしました。


こういった図式は、カナダ人が集合したザ・バンドによる“アメリカン・ロック”、
また、
同じくカナダ人のニール・ヤングが作った“内省カントリーロック”の世界観、
とイコールでは、と俺は思ってます。

実は、フィンズでも同じ事を考えていて、
「(アメリカの)外の人だからこそ」
という変なカントリー・ロックがやれるんじゃないか…と。
そう思ってやっとります。


また、先ほども挙げた「スージーQ」タイプの曲。
CCRはアルバム中に1曲か2曲、6分や7分超えのものがあります。
これらの曲の展開と演奏もきっと皆さんを驚かせると思うな。
とにかく、ぜひアルバムを聴いて欲しいですね。


そうそう、
ボックスセットの解説で、CCR伝説のひとつが明らかになりました。
「雨をみたかい」
の歌詞について。

みんなが知ってるこの曲のサビ、


  教えてくれ
  晴れた日に空から降ってくる雨、
  そんな雨を君は見た事があるかい?


とゆーものなのだが、
この「雨」とは、ベトナム戦争時下に戦地に降りそそぐナパーム弾のこと…を指すと。
こういう逸話がある。

ネット上のCCR関連ページで、このエピソードはよく紹介されており、
俺も初めてこれを知った時は大変感動した。


しかし残念ながら、真実は違ったようです。
「晴れた日に降りそそぐ雨」
とは、
“うまくいってるバンドに水を差す、こじれた人間関係”
のことだという。


CCRの終焉、として書かかなくてはならぬのが無念だが、
最後はそういった類いの、下記の無念の解散劇を迎える。

→ジョンのワンマンバンド大成功
→残り3人が「俺の曲もやろう」「俺も唄いたい」
→けんか
→兄貴脱退
→妥協案で、アルバム収録曲を3等分する(これがラストアルバムの、『マルティ・グラ』)
→出来悪し、雑誌で叩かれる
→雰囲気最悪解散


「雨を見たかい」作曲時にこの流れがすでに始まっており、
そんなバンドの状況を憂いた歌詞だった…とのことだ。

ジョンは近年のインタビューで、
「あの頃、“今バンドうまくいってんだから、このままでいいじゃん?”
って諭してくれる第三者のマネージャーがいたら…って思うよ」
と、回想しています。


真実は思いのほかしょっぱいですねー。
ナパーム弾うんぬんの事はボックスセット内で、一言も触れられていなかったので、
「雨をみたかい」伝説はどーやら通説だったようです。

ただ、
「プラウド・メアリー」がジョンが除隊した日に書かれた、という事や、
「フォーチュネイト・サン」のように、
労働階級者の若者だけが厳しい戦地に送られる…という歌詞の曲があったからこそ、
生まれた話でしょう。

実際、歌詞だけ見りゃぁそう感じれるしね!


…と、いったところで、
【CCR知識編】エンド。

CCRのことはマジでいくらでも続けられるんだけど、書いてて目が疲れてきた。
次回、【体験編】を待て。。。

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