佐藤敏宏 この人に聞く in仙台 2009年6月01日晴れ 櫻井一弥 さん home その01 その02 その03 その03 櫻井:なるほどな〜と思いますね。 佐藤:勝手なことを言い過ぎているようで まずい 櫻井:いいえ有りがたいです。 佐藤:むりやり 事実と違う櫻井一弥物語を作っている気分になる 共にはははあははあは 教会に在る4つの敷地の領域には 住宅との関係が見えて、浮かびあがるように思えてしまう。教会部は更に内部にフラクタル状に階層化され 詰まって在る。そのように展開される将来が予測できる。そういう建築を作る可能性は内包されているということだ。その上に三人それぞれの別建築と 総意の建築とが複雑に入り乱れて生成されるもう一つの建築。 合わせて4つの領域に在る建築の可能性が今見えているわけです。その変数の上に物っぽさだとかバロツクだとか 歴史的手法を取り入れて、社会性のある建築になる可能性もある。内部矛盾を抱えながら試行錯誤するのは大人なら当然の在り方だから。良いことですよ 櫻井:そうですよね。3人でやっているのって 佐藤:3人ではないんだって、4つの領域のそれぞれ4つ以上の可能性だよ、多数の答えが出ちゃうんだよ。その多数性の混乱が生まれるから、面白そうだよ。組み合わせはもっとあるから 多数の答えが生み出される。仲間内だけで在ると言葉が煮詰まって根腐れしてしまうのが落ちですよ。 櫻井:そうですね。 佐藤:そのような将来が既に建築に表出されているね 櫻井:はい、面白いですねそれは。 佐藤:なんだかインタ ビューに来たのに 櫻井さんの現状を説明に来たような転倒が起こってしまってるね うはははあはは 櫻井:ありがたいです。解釈していただいている感じで、嬉しいですね。 佐藤:もう一度 配置図を見て確認してみましょう。この4つの領域内、右下には他者の領域が入っていたんだけど、右上のアプローチの領域と左下の運動場の領域と、左上の建物が在る領域の4つそれぞれの領域を貫通するかのような十字の通路は最初のO博士の家の形式そのままじゃないですか。そして 建築の領域の内部でも更に似たような形式で分割され折り重なりつつ バロックし続けると。そういう特徴です 櫻井:ふはははははは、そう言われるとね 佐藤;そのまんまです、 気付かなかった特性を持って活動していたんでしょう。無意識でね、それこそが個性ですよね。はいじゃ次ですね 櫻井:いや面白いですね〜 後はですね、これは最近、これは僕の家なです 佐藤:自邸ですね。 櫻井:自邸です 佐藤:これは一人で構想し設計したんですか 櫻井:三人でやりました 佐藤:どうしてですか、自分一人でやってみようと思わなかったですか 櫻井:もちろん自分は主導権握りたいと思ってましたけど。アイデア出しはとにかく色々やってもらったし。細かいところを煮詰めるのは3人でやった方が、良いもの確実に出来ますから。 佐藤:はい分かりました。 櫻井:でこれはですね、プランを見て頂くと。非常に分かり難いプランなんですけど。 佐藤:分かり難くもないじゃないですか 櫻井:アップダウンが無茶苦茶在るんですよ。(玄関)入って上に上って中二階みたいな所に来て、こっから又下りると居間が在るんですね。ここの踊り場って書いてある、ボリュームがボコって出てるやつは、 佐藤:居間に入るためには一度上って下りなければ到達しないと 櫻井:はい。それが視線を区切ったりとかに役立っているんですけど。この下にお風呂が入っているんですね。 佐藤:玄関入って上った、その下にお風呂が在ると 櫻井;そうですそうです。こいつがその上がった所です。 佐藤:その下にお風呂ね、これは木造建築ですか? 櫻井:木造です 佐藤:2×4ですか 櫻井:これは在来ですけど、部材は2×10を使っている。壁が全部棚になっている。 佐藤:周囲の壁は棚と構造壁になっていると。 櫻井:構造壁です。立体的にグジャグジャなんですけど。これがリビングと、ここに見えてるのが、ダイニング。 佐藤:この建築はさ〜、物っぽい建築を床の高低の切り換えを一杯作り操作して、視線を動かす事によって空間体験を歪めているという、体験のバロツクです、上下の歪め方だけじゃないですか 櫻井:そうですね 佐藤:棟を斜めに掛けて 空間の質を歪めた方法と同質です。天井が平らだから床の高さを切り換え、建築内部の空間の質を歪めると。断面で歪めて集合させる。歪め好きの建築家たちですね。 櫻井:そうか〜 なるほどな〜 佐藤:あははははは 歪め好きです ネオ・モダン・バロツク的特性じゃないでしょうか。色々試行錯誤してはいるけどまだ経過上にあるので言い切るのは早いんですが核心に手が届いてない。定まらなくっても良いような気もするし。機能的な言い訳は出来るとしても、建築は無策でも出来るので、そこを見ずに置いておいて。三次元方向に歪めて何かに到達したいんだよね 櫻井:なるほどね。そうかもしんないです。本当に立体的に動線もグニャグニャなんですよね〜、とぐろ巻いているような、動線になっていて。 佐藤:でも天井がビーーット平らでその変化を受けとめている。安定してる。4次元体験上、視線が上下するので、上下させて機能的な部位をめり込ませている。断面は歪んでいるだけだけど、外から見るとモノリシックな様に仕立てて、素知らぬ顔を晒すと。一応一貫しているんじゃないですか 櫻井:そうか!!全然違うと思っていたんですけどね〜 佐藤:最初の住宅と同じですよ。最初の住宅が裏返って合成合体した姿ですよ。最初の建築が裏返っているわけです。だから外が真っ黒なんです、最初の住居は4つに分割して、それぞれの内部を外に晒して配置して在るんだけど、そのベクトルが逆転して 内部に強く向かって合成されたその矛盾が内部における激しい高低の切り変えですよね。 櫻井:そうですね、巧いこと言うな〜佐藤さん。そうか 佐藤:はははははは 、櫻井建築の可能性なのか?今は分からないけれども、3つの建築に共通する、見えないけど確実にある、ものは見えて来た。三人の肝が定まってないので見る者をも惑わしてしまう。だけどね、俺からは見えるんだけど。凡庸な目が見れば一貫性が無いよに見えるほど!建築家自身は 歪んでいるという証でもある、。とりあえず試作建築の段階ではないでしょうか。大家へと、大いなるルーチン建築を目指すためのね 櫻井:それはありますね 佐藤:従来のかちっとした固定されたミニマリズムふうなデザインを、切ったり割ったり高低を変えたり再度合成したり、歪めて見たり重ねてみたりして、自分たちの移行期の新たな建築の形式を発見しようと、発明しようとして、失敗作だらけか、、成功作になるのかはこれからの 皆さんの建築次第で。もがいている時期ですね 櫻井:なるほどね〜 佐藤:最初に割って配列した O博士の原形の形式が、明確じゃないからブレルんです原点が不明確だから。定まりにくいのではないかな〜。だから出来た原型に対する批評にも成らない。そこが今の弱点でしょう、そんな気もするけどね。 建築を、学んで来た良さが出てるんだろうけど建築から逸脱して、なにか別の物に変容しないのは。だから同時に可能性の無さも見えるんだ。その辺の処は難しいので、大いに悩んでください、最初の建築が持っていた原形は? 建築ではない物になっていく可能性はあったわけですからね。 櫻井:それはそうだ。 佐藤:分解し尽くして分棟形式を飛び越えて、さらに粉粉になって在るけど一体の建築の在り方だってあるわけだからね。この自邸で無理矢理戻して一個の原形建築に辿り着いたということでしょう。この自邸の纏まり方は弱点なのかもしれないし、分からないよね。 説教するために来たのじゃないから。 共に あははははははははははははははははあは 櫻井:たしかにズラしているな〜 全て。 佐藤:それから窓の周囲に庇状に出ている物を付けて、強調してるじゃないですか。これは教会のえぐる逆タイプ で過剰に付けるタイプです 櫻井:逆パターンですね 佐藤:やっぱり、原形の物自身を強調してしまうよ、強調するためにそういう操作をしてるんだと思うですよ。 櫻井:それは絶対そうでしょう。 佐藤:もうすこしスパツルンとしていれば、別の思いも湧くけどもね 櫻井:たぶん妹島さんとかやっているみたいなツルっとしている感じっていうのは、あんまりやりたくないんですよね。 佐藤:原形は妹島だって今ボロット言ってしまったのか? 櫻井:原形じゃなくって、どちらかっていうと、そういう意味では原形になっちゃうのかな〜 佐藤:ツルもあるし、妹島建築の方はバリエーション豊だ、多様な原形を作り生みだしている 自由度が高いので。今のこの形式だと、ある形式をこね回して使い込んで手垢にまみれて行くだけだから。一人遊びに陥る、変化し続けていく可能性が少ないかな〜と。糸口が少なく過ぎるかな〜って感じもしないでもない。櫻井さんの建築的態度を少し理解出来た気分になりました 櫻井:なるほどね〜 佐藤:それから自邸の敷地はどうなっているんですか。4分割そうなっているんじゃないの 櫻井:そうでもないです、ああでも4つに割っれてるちゃ割ってるわ〜ああ〜ああ。ここで確かに行けないように成っているんですよね〜 佐藤:成っていたでしょう。教会の建築形式も内包しているよね 櫻井:確かに 佐藤;それは櫻井さんの無意識の個性だよね 櫻井:そうなのか〜なるほどな〜 佐藤:なぜ4分割しているのか?っていうことを意識してやらざるを得ないんじゃのかな〜、俺が来てわるいとを言ってしまっているような気がするんだけども 櫻井:いやいやそんなことはないです 佐藤:まだ3人が集まってバリエーションの豊かさのベクトルを持った建築は生まれてないので、その方向にいずれは向かうのだろうが、胎動期の原形はまだ作れてない作りきってないというこを確認して終わりましょう。良く分かりました。 櫻井:そうか!僕もよくわかりましたよ、本当に分かりましたよ 共に はははあはははははあははははは 佐藤:建築の形式や構成の話だから、果たしてそれが従来の建築が持っている何か概念を変えたり 拓いたたかどうかという問いはまだ先に在る これから考えなければいけない課題ですよね。貴方の勝っ手から、社会性をもつために悪戦苦闘している、そういう感じが、しないでもないよね 櫻井:そこはあるでしょうね 佐藤:妹島さんの建築につていも、俺は全く知らない。櫻井さんの建築はそれに対して批評的である建築を目指していると 櫻井:批評性としては白くって、軽くって薄いみたいな建築は、ちょっと違うんじゃないかな〜というのは、3人とも思っているですよ。 佐藤:その違うっていう問い立てと答案を言葉と建築でプロダクトして社会化していかないと、だたの戯言で終わるんじゃないかな〜。妹島批評建築であればその領域からは出ることは難しでしょうね。言葉で自分たちのものを作っていけばいいだけの話です。それぞれの部分で詰めが甘いのかもしれないね。作り出すときに。 建築って社会的蓄積の上をドライブさせる事態なので、無意識でも出来ちゃうじゃないですか。歴史的に長い存在だから、出来ちゃうんですよ。これが決定的で建築家を怠慢にさせる元凶なだねと はははあははははは 一点突破した自分たち、そののための社会にとっての欠陥建築を作ってみればいいんですよ。 共にははあはははあはははは 時間を先に進め、振り返ってみたら、来るべき時代に合った正統かつ全うな建築であたと。そうならないと。そこの覚悟が 出来ないとダメになる 櫻井:なるどね 佐藤:3つの建築の説明に触れていると 追い込みきってからつくり出す姿勢が足らない。だから余分な物が入り込んで自分達自身も混乱をきたし、混濁して見えにくくなるのではないだろうかね。そこそこ建築で止まってしまう。まとめて言えば甘いな〜と凡庸だという気配が漂う、そこが他者に印象をわき出さす源かもしれない。言葉が無くなる地平にまで追い込んでつくり始めないので本質的な豊穣さに転換しないのではないでしょうか、そうかもな〜 その辺の処は今後の課題ということで 45分が経ちましたので、休憩します 後は雑談しましょう。 以上 櫻井一弥さんに聞く は終わりです。読んでいただきありがとうございました。建築に関する写真などは櫻井さんによる提供品でした 文責佐藤敏宏 |